泣くな研修医 の商品レビュー

中山祐次郎(著者)

2021/07/26

現場で働いていた人だからこそ分かる、現場の雰囲気と、研修医の気持ち。
隆治の人柄が伝わってきて、とても読みやすかった。

2021/05/24

私自身が外科病棟で3年勤務歴のある看護師です。
外科の世界ってこんな感じだったな〜と思い出しました...。
外科病棟自体が非常に回転率の速い病棟なので、つねに医者も看護師もせかせかして、必要以上のことは言わない、余計な感情は抑える。
だけど患者さんの異変にはすぐに気付けるよう観察は怠らず、時には患者さんと回復を喜び合う...
この本はけっこうリアルに書かれていると思いました。
ただ、一点気になったのが
外科の看護師が手が空いた時に、外来に手伝いに行くというシーンがありましたが
勤務内に手伝いにいくのは人員不足でまず無理、
勤務外なら自分の仕事が終わったら即睡眠確保なので
外来に手伝いにいく時間も体力もないのでは？と疑問でした。
他の病院はそのようなシステムがあるのかと気になりました。

研修医の先生も
一人の医者として当時は扱っていたが、
専門用語や判断に悩んだりするところをみると
誰もが初めは新人で努力や経験を通して一人前に成長するんだなと改めて思いました。

主人公の隆治が医者として成長していく過程は、
とても応援したくなるもので、
これからもずっと患者のことを第一に考える医者であり続けてほしいなと思います。

ただ、医療の世界はどうしても
自己犠牲が多くなる世界なので頑張りすぎると
自分が壊れてしまうため、
同期の川村のように
ある程度仕事と割り切って、患者に情を注ぎすぎない方が要領がいいと思いますが、
隆治の様な医者が増えてくれると嬉しいです。

毎日泊まり込んで、頑張っていたのに、
一度だけ患者の観察を怠り飲み会に参加して、異変を見逃したことを先輩の佐藤に怒られるシーンも心に残ります。
今まで頑張ってきていたのに1回くらいリフレッシュしてもいいじゃないか！とも思うが、
これが医者になった宿命であり義務なんだよなと思いました。

精神的にも身体的にも負担の多い、
医療従事者へはもっと還元があってもいいと思います。

初心を思い出させるため、医療従事者にもオススメの本です。　

2021/05/08

私は医師をスーパーマンか超人のように勘違いしていた。

自分にとって医師は何でもできて何でも知っていて、死ぬ運命さえ捻じ曲げることのできる不可能を可能にする存在だと信じていたが、医師も人間であり限界もある。
本書を読むと医師にも新人時代があり、無理に無理を重ねて成長していくことがよくわかる(とりあえず過労死しないようにちゃんと寝て欲しい…)

病院に行くと先生も看護師さんも落ち着いていていつもにこにこしてくれているが、実は冷や汗をかいたり患者に不安を気取られないように頑張ってくれていたんだ。
そういうことを知っていたけど、実感はしていなかった。
もっと医療関係者の方々に感謝したいと思った。

とはいえ、下着のパンツをパンティというのはちょっと古臭すぎないか。
25歳の今時の男はそんな言葉使わないだろうに。
もうその単語が出てきただけで昭和のおっさん臭が激しくて、それはないだろう！とげんなりしてしまうよ。

2021/04/14

本気で患者を思う医者だからこそ現場での葛藤、悔しさを感じるのだと思う。兄を亡くした思いを胸に抱きながら医師という仕事をすることは辛いだろう。だからこそ両親と兄が亡くなった日のことを、思いを共有できてよかった。過去を受け入れて肯定できたからこそ、多くの人を救える医師に成長できるとおもう。続編も読みたい。

2021/03/04

2021年4月からテレ朝系で連ドラ化されると云うので読んでみた。神様のカルテシリーズも読んでるところだが、ハード過ぎ。改めてお医者さん、尊敬するわ。もうちょっと何とかならないのかしらねえ・・・ 続編も読もう

2021/03/29

医療関係者ではないので、これがリアルかは分からないので、医療ドラマの世界と思った。泣いた。
研修医って、医学部出てるだけで賢い！すごい！何でもできる！と思ってたけど、機器の使い方とか用語とか分からなかったり、上司の空気を読んだり、そうか新入社員か、そりゃそうか〜と思った。人間だもの、迷うし憤るし悲しくもなる。それでも命を救っている。すごい！

2020/10/06

「神様のカルテ」を彷彿とさせるヒューマ
ニズム溢れる医療モノです。

命の大切さ、死との向き合い方、そして
医者という絶対にミスが許されないプロ
としての仕事への対峙など、素晴らしい
内容です。

続編も期待できる、と思ったがそのよう
です。パート２にも期待です。

泣ける一冊です。

2022/10/03

ブクログの皆さんの本棚でよく見る気がしてなんとなく気になっていた本。たまたま図書館で見つけたので読んでみた。
詳しいことは全く知らずに読みはじめたけど、著者は40歳くらいの医師で、本書は医学部を卒業して研修医になりたての雨野隆治を中心としたストーリー。

医療もののお話は色々あれど、現役の医師が書いたものは珍しいのでは。手術シーンなどリアリティがあり、読みながら一番思ったのは、何というか「医者も一人の人間なんだなぁ」ということ。専門用語や治療方針に疑問だらけの隆治に共感しきりで、研修医になりたて位では一般人の様に色々分からない事だらけなんだなということ。
病院にかかるとき「医者は万能、何でもわかる先生」みたいな意識がどこかにあるけど、皆様々な経験を通じて頼れる先生になっていくんだな、と。
それと同時に、日々人の命を助けるために寝る間も無く奔走している医療従事者の皆さんに改めて感謝を覚えた。

2020/09/05

勤務医のハードさは聞いて理解はしていますが、本当に不健康ですよね～・・。
それでも続ける！というドクターたちの熱意って本当にすばらしいです。
主人公はとっても若いお医者様。経験値が少ないながらもお医者様には変わりがない。周囲から受ける扱いと、自分の経験の少なさに焦りながらも奮闘する姿が微笑ましい。
古い時代の小説も、今でも素晴らしさは感じるけれど、あまりにも時代が進んで、PCやスマホを使う（たとえば仕事中の呼び出しとか）、カルテが電子カルテだとか、現代のものを読んだ方が違和感はありませんね。
時代とともに作品が増えて、感覚が馴染んだ状態で読めるというのもありがたいなと思いました。

2020/08/25

スーパードクターではなく、新人研修医のお話。医者は神様じゃない、人間なんだって思い知らされます。医者は万能であって欲しいけど、そんなはずない。
持病があって、大学病院によく行ってますが、だいたい新人先生がいらっしゃって、見学良いですか？と聞かれます。恥ずかしいけど、良いですよと答えるようにしてます。経験を積んで、一人でも多くの人を助けることができるお医者さまになってくださいって願いを込めて。