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だから殺せなかった の商品レビュー

3.7

48件のお客様レビュー

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2019/08/13
  • ネタバレ

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 高クオリティの社会派ミステリ。  社会派っての、今は死語ですかね。主人公は新聞記者、世間を騒がせる連続殺人犯と、紙面上で言論対決をする、っていうあらすじだけみたらぶっとび系のサイコミステリっぽかったんだけど、がっつり社会派(個人的感覚だけど)でした。屍人荘と争ったってだけある。読者としての好みは正直屍人荘のほうが好きです。この話はリアル過ぎる。折角フィクションを読むんだから、探偵が出てくるとか、非現実味がほしい。現実っぽい話だったら、小説じゃなくてノンフィクションルポとか読むよって思うから。まあそれは個人の好みの問題で、それはそれとして、この話はおもしろかったです。  文章力が高いのもね、あった。読みやすかった。連続殺人犯がご高説垂れてる部分も面白かったし、好きな部分も多かった。ラストもうひとひねりほしいなぁ、って思いながら読み進めてたら、手紙のラストにきっちりオチがつけてあって、待ってました、ってなりましたね。陽一郎くんの人生が幸せなものであればいいなぁ。ただでもうん、いくら家族でもひとの日記は勝手に見ちゃいかんよ。  一個引っかかったのが、主人公と保母さんの間に子どもができちゃってたこと、どこか描写してあった? 読み飛ばしてただけかな。いや、この主人公、自分に子どもができてたこと知らなかったのでは、って最後まで思ってて、最後の最後で、知ってたんかい! ってなったからさ。せめてこう、金を用意する必要があったっていう下りとか、遺体が見つかったときにおなかの子供のことを心配する下りとかがほしかったなぁって。  抜粋、連続殺人犯のご高説より。  理由があるはずだ――新聞は、いつでもそうやって物事を定義し、解釈する。すべてを理由づけして、世の中はこうだと決めつける。理由がないことを許さない。  どうせその理由も自分(たち)が納得するための理由だもんなぁ。

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2019/08/13

ワクチンの正体を知ってびっくり、陽一郎の本当の父親がわかって2度びっくり。不倫スキャンダルで騒がれている大学教授のエピソードは、最初本筋と何の関係もないと思っていたけど、後半になって関係してくる。 作者の名前は「一本木透」。作中に登場する同名の人物が出した本、という体裁を取ってい...

ワクチンの正体を知ってびっくり、陽一郎の本当の父親がわかって2度びっくり。不倫スキャンダルで騒がれている大学教授のエピソードは、最初本筋と何の関係もないと思っていたけど、後半になって関係してくる。 作者の名前は「一本木透」。作中に登場する同名の人物が出した本、という体裁を取っているのだろうか?

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2019/07/31

新聞記者と殺人犯の紙面対決。そしてその裏に隠された黒い真実。新武器者を筆頭に自分勝手な人だらけだ。後味の悪いミステリーだった。

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2019/07/14

殺人犯が新聞の紙面で記者と対決する。 どこかで読んだようなストーリー。ミステリ的にもオチは早々に読めた。犯人の動機にしても弱すぎるし、そこまで警察も無能ではないと思う。 文章は読みやすいが少しクドイ。鮎川哲也賞らしいサスペンス色は良かった。

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2019/07/14
  • ネタバレ

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おもしろかったが、犯人の動機に納得がいかなかった。 ワクチンの意味を犯人がまちがえているのも気になる。(感染者の体内のウイルスを減らすのは坑ウイルス薬や人間の免疫であって、ワクチンではない気が) 犯人がワクチンの言葉を誤用していては、生物学者の某教授を偽の犯人にしたてるのはそもそも無理があるだろう。あるいはこの誤用も、某教授が犯人ではないという伏線の一つだったのだろうか?

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2021/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

序盤の進展がもどかしく、先に進む意欲が湧かず一時は読むのを断念したが、思い直して読了した。 ワクチンの正体はいかに?と楽しみにしていたが、おいおいこの結末かよ、と思った所でもう一捻り。 それもそんなに説得力のある話でも無かったが、まあ楽しめた。 最近読書への関心が低下しているなかで読了出来たのはそれなりに新聞社の中での場面が面白かったから。それ以外はベタな話し。 作品紹介・あらすじ 「おれは首都圏連続殺人事件の真犯人だ」。大手新聞社の社会部記者の許に届いた一通の手紙。送り主は「ワクチン」と名乗り、首都圏全域を震撼させる連続殺人の犯行を詳述したうえで、記者に対して紙上での公開討論を要求する。絶対の自信を持つ殺人犯と記者の対話は、始まるや否や苛烈な報道合戦に巻き込まれていく。果たして犯人の目的は――圧倒的なディテールで劇場型犯罪と報道の行方を描き出し、話題作『屍人荘の殺人』と栄冠を競った第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。

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2019/06/14

大手新聞社の社会部記者一本木のもとに名指しで届いた、首都圏連続殺人事件の犯人からの一通の手紙。彼はワクチンと名乗り、紙上で公開討議を要求します。報道とはどうあるべきか。劇場型犯罪の行方は…。前半は多少気になる点があるものの、後半はデビュー作とは思えないほどのリーダビリティで読まさ...

大手新聞社の社会部記者一本木のもとに名指しで届いた、首都圏連続殺人事件の犯人からの一通の手紙。彼はワクチンと名乗り、紙上で公開討議を要求します。報道とはどうあるべきか。劇場型犯罪の行方は…。前半は多少気になる点があるものの、後半はデビュー作とは思えないほどのリーダビリティで読まされました。報道側の葛藤だけでなく、犯人側の因果応報、連鎖、を思うと胸がつぶれる思いがします。だから殺せなかった。この題名の持つ重みは想像以上で圧倒されました。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。今後の作品が楽しみです。

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2019/06/09

2019年24冊目。連続無差別殺人犯と新聞記者が新聞紙上でお互いの意見を戦わせる。これに惹かれてジャケ買いならぬ設定買いしました。実際の紙面でのやり取りは、主人公サイドの動きも相まって中々読ませるものがあった。一方で、最後の犯人の独白シーンが長過ぎると感じたのは、それまで散々新聞...

2019年24冊目。連続無差別殺人犯と新聞記者が新聞紙上でお互いの意見を戦わせる。これに惹かれてジャケ買いならぬ設定買いしました。実際の紙面でのやり取りは、主人公サイドの動きも相まって中々読ませるものがあった。一方で、最後の犯人の独白シーンが長過ぎると感じたのは、それまで散々新聞紙上でのやり取りがあったことと無関係ではないだろう。この矛盾を解消する術はなかったものかと惜しまれる。

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2019/05/26

売り上げの低迷している大手新聞社に連続殺人犯から手紙が届く。内容は記者と紙上での公開対決。言葉で自分の殺人を止めてみろという大胆なもので対決に指名された一本木がこれに挑む。彼には昔スクープを得るために未来を犠牲にした過去があり…。紙上対決部分が少し読みにくいけど事件を調べていく過...

売り上げの低迷している大手新聞社に連続殺人犯から手紙が届く。内容は記者と紙上での公開対決。言葉で自分の殺人を止めてみろという大胆なもので対決に指名された一本木がこれに挑む。彼には昔スクープを得るために未来を犠牲にした過去があり…。紙上対決部分が少し読みにくいけど事件を調べていく過程や一本木の過去、新聞社の内情等読ませる部分が盛り沢山。無差別だと思われる連続殺人に理由はあるのか?とか対決の結末は?もそういう方向にいくか!と斜めに走っていくけど納得させられた。そしてタイトルの意味が判ると全体の重さが際立つ。「屍人荘」の時の優秀賞だけど選評どうだったっけ。

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2019/05/22

5月-16。3.0点。 一件別の事件と思われた殺人が、連続殺人と判明。 犯人が新聞記者へ、挑戦状を。紙上で激論を交わす。 うーん。新聞での文章が難しい言葉を使いすぎかな。 哲学的な一面もあり、何が言いたいのか伝わりにくい。 ラストのひねりは面白かった。

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