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発現 の商品レビュー

3.1

74件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    0

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2019/04/14
  • ネタバレ

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あの阿部智里が戦争を描いたっ!?と驚きつつ読み始める。 彼岸花と少女の幻覚をみてしまう一家。その理由と意味。 うーん、なるほどなぁ。うーん。

Posted byブクログ

2019/04/14

この世のものではない幻影に苦しむ女性の現在と、自殺した兄の謎を探る男性の昭和の話とがリンクしていくホラー。 物語の核として戦争の悲惨な体験が描かれているのだが、これが表層的で取って付けた感が否めない。たまたま、終戦前後を題材とした重い力作を立て続けに読んでいたため、どうしても見...

この世のものではない幻影に苦しむ女性の現在と、自殺した兄の謎を探る男性の昭和の話とがリンクしていくホラー。 物語の核として戦争の悲惨な体験が描かれているのだが、これが表層的で取って付けた感が否めない。たまたま、終戦前後を題材とした重い力作を立て続けに読んでいたため、どうしても見劣りしてしまった。ホラーと戦争との組み合わせが、どちらも中途半端に終わっている。

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2019/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 漱石に『趣味の遺伝』という不思議な短篇があるが、こちらは「トラウマの遺伝」をテーマにした一作。とはいえ、いわゆる幽霊譚や復讐譚に落とし込むのではなく、むしろ戦争犯罪/戦争の中での犯罪をどう引き受けるのか、大量の「殺人者」と生き残った者たちの記憶を抱え込んでいたはずの戦後日本において、後に続く世代がその罪責をどれほどの強度で想像できるのかを問題化した、すぐれて野心的な作品と見るべきだろう。  この作者は初読だが、二つの時間をカットバック風に組み合わせながら、自ら死を選んだ母親に「見捨てられた」と感じている若い女性と、子ども時代のその母親が兄の戦場トラウマのトリガーとなってしまったことを了知している大叔父とを邂逅させていく展開はなかなか読ませる。強いて言えば、「昭和20年」の満洲の光景、命から逃げて行く兵士たちや、開拓団の悲惨な逃避行の部分がもっと書き込まれていると、「トラウマの遺伝」のリアリティもより大きくなったのではないか。トラウマとして現出するイメージの強度のわりに、「なぜそれがトラウマなのか」という部分の作り込みがやや薄いものに感じられた。

Posted byブクログ

2019/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ヤタガラスシリーズの阿部さんの新作。和風ファンタジーのヤタガラスシリーズとは違う作品だ。 平成30年と昭和40年を行ったり来たりしながら話は進む。平成30年では、村岡さつきを訪ねて姪っ子が大学に現れるところから話が始まる。兄の異変、そして自身にも同じ現象が現れ、悩まされる事になる。昭和40年では山田省吾の所に兄の死の知らせが入ったところから話が始まる。この2つの時代の出来事が繋がってるとは…繋がっている内容は戦争が関わっており、平和な時代に生きている私にはうかがい知れない事柄。戦争中侵してしまった罪、決して消すことの出来ない罪が今を生きる人々を苦しめている。どうかそんな事が起こる世の中が二度とやってこないことを望みます。

Posted byブクログ

2019/04/10

こういう言い方は逆に失礼かもだが、若い著者がこのような形で太平洋戦争を扱ったことに感銘を受けた。 丹念に取材したのであろう戦争体験をきちんと書き起こし、ホラーのようなテイストだがきちんと理に適い、平成30年と昭和40年を行き来する構成も面白い。 と、テーマと構成は良いのだが、...

こういう言い方は逆に失礼かもだが、若い著者がこのような形で太平洋戦争を扱ったことに感銘を受けた。 丹念に取材したのであろう戦争体験をきちんと書き起こし、ホラーのようなテイストだがきちんと理に適い、平成30年と昭和40年を行き来する構成も面白い。 と、テーマと構成は良いのだが、逆にホラー的表現は案外さらっとしていて、欲を言えばもう少しひたひたと忍び寄るような恐怖感が欲しかった気がする。 何でもかんでも語り継げば良いとは思っていないけど、こうして小説として、家族の物語として戦争に向き合った作品に出会えて良かった。 この先、少しネタバレかもだけど。本作、遺伝で子孫に伝わるのは身体的形質のみではなく、知能や体験も伝わる、という学説を知らないと、無理のあるオカルトに思えちゃうのかもしれないな。作中で説明はされているけど、そう言う認識を持っている人はまだ少ないんじゃないかなと思ったりする。

Posted byブクログ

2019/04/04

読みやすさは満点、たださらっとし過ぎて「……終わり?」って感じ もっとひたひたとした怖さを味わいたかった しかし作者が書きたいのはそこではなかったようで残念 それにしても戦争は良くない、良くないね

Posted byブクログ

2019/03/27

ホラーでありミステリーでもある.昭和と平成に渡って起こる呪いのような出来事.悔恨のトラウマが本当に遺伝するのかどうかは置いておくとして,呪いとして受け止めるか,同じ少女を違った風に受け止めることができるかが,救いの鍵となるのかなぁ.今ひとつ釈然としない物語だった.

Posted byブクログ

2019/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホラーはとても難しい。荒唐無稽では誰も怖がらないし、あまりにも小さくまとめてもつまらない。ミステリーとは違って実現可能かどうかよりも、誰もが持っている奥深い恐怖心にスッと触れるようでなくてはいけない。 本書についてはまず、つまらなくはなかった。結構楽しんで読めた。 ネタバレしたくないので基本何も書きたくないのですが、少々残念な気がする本でありました。全体の展開は好きなんだけれども、コンパクトにまとめ過ぎて登場人物全員がとても書き割りのようでぺらぺらしているのと、物語の最後の最後が「は?」と言ってしまいそうになりました。もうちょっといいオチ無かったのかなあと。がっかりまでは言わないけれどお勧めは出来ないという感じです。

Posted byブクログ

2019/03/24

ホラーのようでいてホラーでない小説。 祖父のトラウマを受け継いでしまった孫が苦しむ物語だか、せっかく面白い題材なのにちょっとあっさりしすぎ。 もう少し戦時中の描写に頁を割くと味わいが増したように思う。

Posted byブクログ

2019/03/21

あらすじを読んで身構えたが、文章が読みやすいため、意外にすんなり読めた。オカルトと紙一重の現実感がある。

Posted byブクログ