開高健短篇選 の商品レビュー
考えてみれば、彼の(エッセイやノンフィクションではなく)文学作品をじっくり読んでみたのは初めてかも。 コレが非常に面白かった。 特に、なんというか、豊富な語彙と文章力を思い切り駆使することで、「映画的」「映像的」な表現とも大きく異なる、謂わば「純粋に文学的な表現によって、読者の心...
考えてみれば、彼の(エッセイやノンフィクションではなく)文学作品をじっくり読んでみたのは初めてかも。 コレが非常に面白かった。 特に、なんというか、豊富な語彙と文章力を思い切り駆使することで、「映画的」「映像的」な表現とも大きく異なる、謂わば「純粋に文学的な表現によって、読者の心象に読者独自の色鮮やかなイメージを表出せしめる」力を持つ、彼の文章の特異な魅力を初めて痛感した。同じような力を持つ作家を、彼の他にはすぐには思いつかない。 全11編が収められた短編の中では特に、「裸の王様」と「飽満の種子」、それに「掌のなかの海」の3編が良かった。 次は是非、長編を読んでみたい。
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最高 開高氏大好き 嗅覚・触覚、その他の感覚までもが彼の文章に冒されます。味わい深すぎる ワードチョイスが的確すぎる、、、 飽満の種子 裸の王様 なまけもの 一日 掌のなかの海 好きやなぁ
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ベトナム戦争という終わらない悪夢の中での、そこでしか生きる選択肢のない人々、兵士、メディア。 死と隣り合わせの中であるからこそ、そこで生きることの強烈な輝きを切り出してみせる視点と言葉の選び方に古さを感じない。 研ぎ澄まされた印象。 作家は、何を求めて、そこに身を投じたのか? そ...
ベトナム戦争という終わらない悪夢の中での、そこでしか生きる選択肢のない人々、兵士、メディア。 死と隣り合わせの中であるからこそ、そこで生きることの強烈な輝きを切り出してみせる視点と言葉の選び方に古さを感じない。 研ぎ澄まされた印象。 作家は、何を求めて、そこに身を投じたのか? その時代の日本の閉塞感が透けて見えるような気がしました。 ただ、今の日本は、更に煮詰まっている気がしていて、彼が抱えた問いに正面から向き合う作家は誰?
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パニック 巨人と玩具 裸の王様 なまけもの 森と骨と人達 兵士の報酬 飽満の種子 貝塚をつくる 玉、砕ける 一日 掌のなかの海 第38回芥川賞、第6回川端康成文学賞 著者:開高健(1930-1989、大阪市天王寺区、小説家) 編者:大岡玲(1958-、東京、作家)
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