何があってもおかしくない の商品レビュー
著者の前著「私の名前はルーシー・バートン」のスピンオフのような短編集で,ルーシー・バートンと何らかの繋がりがある人(あるいは,さらにそこから孫繋がりしている人)達9人それぞれが主人公の9つの短編からなる. 自分もそうなのだが「私の名前はルーシー・バートン」を読んでいなくても全く支...
著者の前著「私の名前はルーシー・バートン」のスピンオフのような短編集で,ルーシー・バートンと何らかの繋がりがある人(あるいは,さらにそこから孫繋がりしている人)達9人それぞれが主人公の9つの短編からなる. 自分もそうなのだが「私の名前はルーシー・バートン」を読んでいなくても全く支障は無い. この主人公達は,皆が心に何かを抱えている.それを丹念に,かつ,淡々と綴っているだけ,といえばそれだけなのだが,心を揺さぶられる.仕掛けの一つが,各短編の主人公達が必ず他の短編で少しだけ登場(といっても言及されるだけの場合が多いが)することで,二つの違った角度から「何か」を見ることによって,人物や出来事の造形に膨らみがでているように思う.
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ある人物やものごとを 異なった視点から見ると違う景色が見えてくるという話が好きなのだが、それを畳みかけてくる連作短編集。登場人物が言わば数珠つなぎになって、新しい人格を持つ者として姿を表すと、その都度ハッとさせられる。変な人ばかりとも言えるが、本人はそうは思っていないこともある。...
ある人物やものごとを 異なった視点から見ると違う景色が見えてくるという話が好きなのだが、それを畳みかけてくる連作短編集。登場人物が言わば数珠つなぎになって、新しい人格を持つ者として姿を表すと、その都度ハッとさせられる。変な人ばかりとも言えるが、本人はそうは思っていないこともある。平凡な人々にもそれぞれに深い物語と理由(言い訳)がある。面白くて途中でやめられなかった。 前作を読み直さなければ。
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