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おそい・はやい・ひくい・たかい(103) の商品レビュー

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2020/05/30
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オリンピックに賛成か、反対か。反対の場合、政治的な側面、経済的な側面はとかく批判をされる。 一方で近代オリンピックの精神には反対できないのではないか。選手が全力を出し切って頂点を争う。その姿は爽やかな印象を与える。時には教育的な面からもポジティブな意見が出されるわけだ。 本書は基本的にはオリンピックに反対という立場から様々な問題点を取り上げるのだが、近代オリンピックの精神そのものに疑義を呈する。競い合うことそのものへの問題。クーベルタンの「参加することにこそ意義がある」という有名な言葉には続きがあったことを初めて知った。 スポーツにまつわる綺麗ごとは今も繰り返される。でも実態はどうだろうか。過去の五輪選手が、招致委員として胡散臭い笑顔を振りまいてアピールする。大金をもらいながら、これがスポーツの美しさだ、と。資本主義社会では、競争を勝ち抜いたものがモデル(広告)になるが、それはオリンピックの世界でも同様のようだ。脱落していった者のことなど、(消費できる価値があると判断されない限りにおいて)顧みられない。 スポーツは楽しめばいい。オリンピックをめざそうとか、やるからにはいい結果を出そうとか、この選手はこんなに輝いているんだとか、そもそも身体を動かして楽しむこととどう関係しているのか。子どもたちには純粋にスポーツに触れてほしい、原点に戻るために読むべき本だと思う。。

Posted byブクログ