海とジイ の商品レビュー
瀬戸内海の海辺の町を舞台にした3人のジイをめぐる連作短編集。 ジイたちの経てきた長い人生の中にはそれぞれ悲しみがある。 家族との予期せぬ別れ、学業や仕事上のつまずき…。そんな時そっと支えてくれた暖かい人たち。 彼らとの出会いを清々しく書いています。
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まさしくジイの3編。 瀬戸内海の島に生きるジイ達。 人生を最後まで生き抜く。 孫の視線は心地よい反面、弱味は見せられないという思いもあるのだろう。 そんなジイ達の気持ちにポロリとする。
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舞台は海と島。3人のジイ。 引きこもりの小学生、故障でスポーツ推薦の道を断たれた高校生、診療所に長く勤める看護師。 島でジイと過ごした時間が、不安や悩みを抱えた心に希望を与える。言葉に経験の重みを感じます。 長く生きてきた人生の先輩に元気をもらえる温かい作品でした。 『自分の弱...
舞台は海と島。3人のジイ。 引きこもりの小学生、故障でスポーツ推薦の道を断たれた高校生、診療所に長く勤める看護師。 島でジイと過ごした時間が、不安や悩みを抱えた心に希望を与える。言葉に経験の重みを感じます。 長く生きてきた人生の先輩に元気をもらえる温かい作品でした。 『自分の弱さを受け入れた時に初めて、人は強くなれる』
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3人のおじいさんと、瀬戸内海にある島と海が舞台の物語です。 3人のおじいさんの横の繋がりもまた良かったです。 最後の話が1番印象に残りました。 確かに、周りに対して見下した態度をとっていると、いつの間にか自分の周りに人はいなくなります。 孫にあたる男の子も、周りに...
3人のおじいさんと、瀬戸内海にある島と海が舞台の物語です。 3人のおじいさんの横の繋がりもまた良かったです。 最後の話が1番印象に残りました。 確かに、周りに対して見下した態度をとっていると、いつの間にか自分の周りに人はいなくなります。 孫にあたる男の子も、周りに対して同じ態度をとっていたのだなぁと、思うと同時に、おじいさんも、孫のそういう状況によく気がついたなぁと思いました。 長く生きた分、ちゃんと経験値というのか、そういうものが3人とも備わっていました。
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タイトルどおり、海を舞台に、3人の「ジイ」と孫などの若い世代との交流の物語を描いている。 どれも読後に心が温かくなるような物語であったが、最後の「波光」が、自然と涙があふれてくるほど、非常に心に染みた。人生に思いをはせさせてくれた。それぞれの物語が絶妙に交錯するところも面白い。
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編集担当さんが「藤岡陽子さんは、おじいさんを描かせたら日本一の作家」と言う。 村田喜代子さんの描くおばあさんに魅せられていたので、今度はおじいさんの話が読みたかった。 3人もの素敵なおじいさんに出逢えた。瀬戸内海塩飽諸島の島を舞台にした3話、それぞれ良い話だった。その3話が緩やか...
編集担当さんが「藤岡陽子さんは、おじいさんを描かせたら日本一の作家」と言う。 村田喜代子さんの描くおばあさんに魅せられていたので、今度はおじいさんの話が読みたかった。 3人もの素敵なおじいさんに出逢えた。瀬戸内海塩飽諸島の島を舞台にした3話、それぞれ良い話だった。その3話が緩やかに繋がっているところがまたいい。 塩飽諸島を旅した時、瀬戸内海の美しさと穏やかさに包まれながらも、寂しいような切ない気持ちになった。海が荒れれば小さな島は恐いだろう、心細いだろう。 島は、おじいさんの話が生まれる舞台としてぴったりだと思った。 1話はいじめから学校に行けなくなった孫が、3話は怪我で目標を見失ってしまった孫が、それぞれ島に住むおじいさんを訪ねることで前に進む力をもらう。 齢を重ねた人の持つ言葉や生き様が、誰かの力になる。生きてきた時間そのものが力を持つのだろうか。そうだったらいいな。 2話の開業医と看護師の話も「せめてあと二十ずつ若かったら」とあるように、切なかった。 人生の終わりを見据えて、残りの時間を生きている人の強さと優しさを感じた。 塩飽諸島また訪ねたいです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
海と何人ものステキなジイに励まされている気持ちになりながら読み進めました。 3つのお話が緩やかにつながっている仕掛けも、秀逸。3話目を読む途中、ハッ!と気づき、1話目と行ったり来たりしながら、温かい気持ちで読了しました。
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バラバラの話だと思っていた3話がいつの間にかにつながって、まるでミステリーの伏線回収のようでした。それぞれ味のあるジイが、心を癒してくれました。海にはジイがなぜだか似合うようです。
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全編に渡って優しいお話。 島という環境に憧れる。 もちろん大変なこともたくさんあるだろうが。 ひとつ目の話が1番心に響いた。
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藤岡陽子さん、初めて読みました。 大きな出来事が起こるわけではないけれど、心にジワーッと感動が広がりました。 3編の短編小説からなる一冊。『その日のまえに』のような感じで、3編、それぞれの登場人物が結果としては繋がっています。 一篇目の「海神(わだつみ)」で涙し、二篇目の「夕...
藤岡陽子さん、初めて読みました。 大きな出来事が起こるわけではないけれど、心にジワーッと感動が広がりました。 3編の短編小説からなる一冊。『その日のまえに』のような感じで、3編、それぞれの登場人物が結果としては繋がっています。 一篇目の「海神(わだつみ)」で涙し、二篇目の「夕凪」で温かいものを感じ、三篇目の「波光」で再び涙。 舞台は瀬戸内海にある香川県のある島。 「夕凪」以外は、その島で生きるジイの元に、何らかの事情を抱えた孫がやってきて、ジイと話すうちに、立ち直っていきます。そのジイ達の語る言葉が心に響きます。 この作家の他の本も読みたくなりました。
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