サブカル勃興史 の商品レビュー
単に個々の作品を列挙するのにとどまらず、アニメならどの 製作会社の制作でどのテレビ局の何曜の何時の枠でいつからいつまでの何回の放映で視聴率はどうだったかというデータを丹念に編んで時代の流れを俯瞰して眺められるようにした労作。 角川春樹製作による角川映画がメディアミックスを展開す...
単に個々の作品を列挙するのにとどまらず、アニメならどの 製作会社の制作でどのテレビ局の何曜の何時の枠でいつからいつまでの何回の放映で視聴率はどうだったかというデータを丹念に編んで時代の流れを俯瞰して眺められるようにした労作。 角川春樹製作による角川映画がメディアミックスを展開する十年以上前から、マンガとアニメと玩具を連動させたメディアミックス商法が子供相手に展開していたのもわかる。 そこから仮面ライダーもデビルマンも宇宙戦艦ヤマトも生まれてきた。 子供向けテレビ番組が視聴率が下がったわけでもないのにスポンサー、特に新しい玩具を売りたいメーカーの意向で手仕舞いさせられた例が多いのに一驚。 デビルマンとマジンガーZには膨大な派生作品があると列挙しながら、しれっとデビルマンの東映による劇場用実写化はスルーしているのには笑った。 子供の時の二歳の違いは世代の違いに等しいというのは本当にそうだと思う。
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何故、「昭和四十年代」ではなく「1970年代」なのかといえば、そこはやはりガンダムを入れるため、なんでしょうねぇ。(営業政策的に) で、70年代の掉尾を飾るガンダムを語るにあたって、 1.トリトン→ヤマト→ガンダム 2.マジンガー/ゲッター→ライディーン/コンV→ザンボット...
何故、「昭和四十年代」ではなく「1970年代」なのかといえば、そこはやはりガンダムを入れるため、なんでしょうねぇ。(営業政策的に) で、70年代の掉尾を飾るガンダムを語るにあたって、 1.トリトン→ヤマト→ガンダム 2.マジンガー/ゲッター→ライディーン/コンV→ザンボット/ガンダム というラインは語られるのだけど、もう一つの重要なラインが全く語られていない。 3.ガッチャマン→キャシャーン→ザンボット/ダイターン/ガンダム/イデオン である。 1が富野ライン、2が安彦ラインなら、3は大河原(メカマン)ラインであり、3番を抜きにはガンダム(ひいてはサンライズ)は語れないはずなのだが、完全無視なのである。 意識的なのか無意識なのかは判らないけど、そのようなフィルタリングが掛かる、ということが、ディケイドを浅く掬う本のなかで、最も印象的だったりするのが、皮肉なところですネ。
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私は著者より二つ下だが、個々の作品の受け止め方が微妙に違うのが興味深い。それにしてもすべて手塚治虫に行き着くとは、かなり強引な結論だが、なるほどとも思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> はじめに 第1章 静かに生まれた国民的キャラクター~『ドラえもん』(1970年) 第2章 ウルトラ・シリーズの再出発~『帰ってきたウルトラマン』(1971年) 第3章 石ノ森・東映ヒーローの誕生~『仮面ライダー』(1971年) 第4章 スーパーロボットの出現~『マジンガーZ』(1972年) 第5章 少年も読む少女マンガ~『ポーの一族』『ベルサイユのばら』(1972年) 第6章 アニメ新時代の幕開け~『宇宙戦艦ヤマト』(1974年) 第7章 ニュータイプのアニメ~『機動戦士ガンダム』(1979年) <内容> 1970年代の特撮・アニメを振り返りながら、その裏事情などを記したサブカルチャーの紹介本。次々と作品が紹介されるが、あくまでも歴史的流れの中での紹介。お話を語るわけでなく、あとがきにあるように、”手塚治虫”をベースとした紹介となっている。やはり、彼は偉大なのだ。1970年代のサブカルは彼を軸に展開していた。
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