世にもふしぎな動物園 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一発目の東川篤哉さんで「馬」が喋りだして、タイトルを振り返った。なるほど、「世にもふしぎな」ってそういうことね、と。 白河三「兔」の話が一番身に染みたかな。 「鹿」島田真希の二人の男の関係の変遷のオチも割りと良かった。 信頼の似鳥「鶏」さんのは謎解きはさすが。場面場面が目に浮かぶ。 トリを飾るという意味で最後は似鳥さんでも良かったのではと思ったが、ラストは明らかに他と雰囲気が違った小川洋子さんの黒い「羊」のお伽噺が余韻を与えてくれました。
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+++ ペンネームの一部に「動物」が隠れた人気作家による、それぞれの動物をテーマとした異色の短編集。 不吉とされる黒子羊を飼う、村で唯一の託児所(小川洋子「黒子羊はどこへ」)、牧場の経営者が亡くなった。犯人を推理するのは馬!?(東川篤哉「馬の耳に殺人」)、高校の新聞部の友人と共に...
+++ ペンネームの一部に「動物」が隠れた人気作家による、それぞれの動物をテーマとした異色の短編集。 不吉とされる黒子羊を飼う、村で唯一の託児所(小川洋子「黒子羊はどこへ」)、牧場の経営者が亡くなった。犯人を推理するのは馬!?(東川篤哉「馬の耳に殺人」)、高校の新聞部の友人と共に白いカラスの謎を探っていたはずが……(似鳥鶏「蹴る鶏の夏休み」)等、バラエティに富んだ五作を収録。 +++ 面白い趣向である。そして内容紹介の通り、物語のテイストもバラエティに富んでいて、ぐいぐい引っ張られる。それぞれにブラックな要素が盛り込まれているのも魅力である。小川洋子氏はことに著者らしく、やわらかなひつじのイメージとは全く違う秘密めいた雰囲気がたまらない。愉しめる一冊だった。
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例え,ペンネームに隠れた動物をテーマに一本短編が描かれても,決して自らの筆致を覆すことなく,かつ各人に通底するテーマが紡がれる.それを確認するための一冊.
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