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男たちの船出 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2018/11/06

江戸時代、流通の要であった千石船。その開発に携わった親子の物語。 老醜を晒すかのように思われた嘉右衛門が立ち上がり、もう一花咲かすのがとても心地よい。 船大工としての地位、名誉、実力、信頼。 嘉右衛門が頼みにしていたものが失われていき、それはいずれ訪れるものだと理解していながら...

江戸時代、流通の要であった千石船。その開発に携わった親子の物語。 老醜を晒すかのように思われた嘉右衛門が立ち上がり、もう一花咲かすのがとても心地よい。 船大工としての地位、名誉、実力、信頼。 嘉右衛門が頼みにしていたものが失われていき、それはいずれ訪れるものだと理解していながら、後進の成長を素直に認められない。自分自身の行状が、潔くないと知っているからこそ虚勢を張ってしまう。 自虐はすれど、図星つかれると反発してしまい、さらなる自己嫌悪の深みへと。 とにかく、引き際が見えなくなっていた状態での、情け容赦のない引退通告。 そこからの嘉右衛門の逆転劇。若かりし頃を取り戻したのでなく、この時が絶頂期だったんだろうなぁ、と思う輝き。 父・嘉右衛門と、息子・弥七郎の親子の関係性が変化していく様子も、心を打つ。 子を思う気持ち、親を尊敬する気持ち。どこかでこじれてしまった父子の感情が、ほつれていくのは当たり前だけど、ほっとします。悲劇があってのことだけども。 それをのり越えての嘉右衛門、でもあるからいいんだろうなぁ。 主人公は、途中まで弥七郎かと思っていました。それほど、嘉右衛門の老け込み方と老醜がひどかった。いや、主人公は二人か。お互いあっての、成長でありますから。 「江戸を造った男」のサイドストーリーではある。 それがまた、読書中の楽しみを増やしてくれます。 勝海丸とサウザンドサニー号と影八番艦。 どれもグリーンルームに入って切り抜けてますが、後者二つは操舵手込みでの結果。 ということで、勝海丸の優秀さが証明されました。 余談でまことにすみません。

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2018/10/22

内容(「BOOK」データベースより) 命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子!が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!!男たちの船は海に勝てるのか!?感動必至―魂を込めた渾身の長編時代小説。

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2018/10/21

熱い物語。 その一言に尽きる一冊。 親子の確執、職人のプライド、家を守る責任、そんないろんな想いをこれでもかと表現されている。 自然に立ち向かうなんて無謀だと思うが、今の世の中を少しでも良くする、それにより世の中の人が希望を持てるように力を尽くす。 男のロマンと一言では片付けられ...

熱い物語。 その一言に尽きる一冊。 親子の確執、職人のプライド、家を守る責任、そんないろんな想いをこれでもかと表現されている。 自然に立ち向かうなんて無謀だと思うが、今の世の中を少しでも良くする、それにより世の中の人が希望を持てるように力を尽くす。 男のロマンと一言では片付けられない。 伊東潤氏の作品においては、史実に基づき丁寧に独自の見解も含め展開されるが、本作は本当にやられた〜。 こんなタイミングでこうくるのか?と思わずグッときて目頭が熱くなった。

Posted byブクログ

2018/10/10

命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子! が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!! 男たちの船は海に勝てるのか!? 感動必至──魂を込めた渾身の長編時代小説。

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