月のぶどう の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
双子の関係がよかった。 じいちゃんの存在感もよかった。 読んでいて心地よい成長譚でもあった。 最後の手紙の喩えにはっとした。 最近、手紙について考えることがよくあった。 手紙のように、時間をかけて熟成する関係を大切にしたい。
Posted by
ワインとはこんなに奥深いものというの、恥ずかしながら初めて知りました。 また2人の成長していくところもすごい感動したし、心に響く言葉がたくさんあった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ワイン好きなので、ワイナリーが舞台というだけでとても楽しく、興味深く読んだ。葡萄の棚が続く丘を思い浮かべるとそれだけで気持ちが清々する。 親子や兄弟間の思いやり合い・葛藤などは、どこの家庭でもあるような問題ではあるけれど、家族経営の会社などはそういう問題がより濃く出るのかもしれない。 とにかく、できることや、やらなければならないことをひたすら続けること。進むこと。そういうことが大切なのかなと思う。 「嫌なことからも面倒なことからも、逃げ続けることはできません。受け止めるしかない。怖がって目逸らしたらあかん。逸らしてたら身体のどこにぶつかってくるかわからん。大怪我するからな。しっかり目開けてみろ。よう見て、しっかり受けとめて、いろんな角度から観察してみなさい。正体がわかったら、あとは叩き潰すなり、よそに放り投げるなり、煮て食うなり焼いて食うなり、好きにしなさい。 (略) ふたりでも受け止められへん場合は、今日のことを思い出しなさい。そこにいる人たちのことを。お前たちのためにどれだけの人が集まってくれたか。どれだけの人が力を貸してくれたか。ひとりっきりでもないし、ふたりっきりでもありません。お前たちは。」333〜334頁 それともう2つ…共感したり、心に残ったりしたところ: 1.歩くんが日野さんに果敢に交渉にいくところ(217頁辺り)。日本は仕事の仕方が属人的すぎると私もよく感じる。「他の人が真似できない至高の技を持つ職人」が尊敬されるのはわかるけれど… 特に企業は組織で動いている以上属人的すぎるのは良くないと思うのだけれど、意外とまだそういう仕組みで動いている会社が多いように思う。 2.あずみちゃんと彼女の母親との関係についての歩くんの考え方「自分の母親にこういう問題点がある、と把握することは、自分の母親を否定することとはちがう。それは、わけて考えた方がいい。」(265頁) 上から目線の言い方になってしまうかもしれないけれど、日本人って「こうと決めた以上は全てを呑み込んで突き進むべき」みたいな潔癖な考え方をする人が多いような気がする。もう少し割り切って柔軟に考えてもいいんじゃないかと思う。 寺地さんとは同年代。田辺聖子さんが好きなのも同じ。読んでいて違和感やストレスを感じないので、たいへん読みやすい。
Posted by
ワインを作る描写を交えながら、姉弟それぞれの葛藤や成長が描かれた作品です。淡々と日常が綴られていきます。嵐の日もありますが、淡い緑色に覆われた葡萄棚から爽やかな香りを感じさせてくれました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごい良かった。 ワインができるまでにはたくさんの苦悩があること、害虫や台風がもたらす影響、暑さや寒さと葛藤しながらの作業、本当に大変だと思った。 歩が自分の思いを日野さんにまっすぐに伝えた場面や、光実が日野さんに書いた手紙、結婚式での祖父のボイスレコーダーの言葉に感動した。葡萄の蔓と葉のウェディングボードが素敵。
Posted by
寺地はるなさんの作品で1番好きなものです! あったかい気持ちになるし、主人公のワインへの愛が伝わってきて、お酒が飲めない自分がもったいなく思ってしまいました。笑
Posted by
人に対する優しさやひたむきに頑張ることの大切さや人と関わることの難しさなどが丁寧に書かれていて優しい気持ちになれる作品だった。ワイン造りの勉強にもなった。 ただ、色々なエピソードについてもう少し掘り下げてもらいたかった。それぞれの抱いているコンプレックスや人生観の裏付けが理解しに...
人に対する優しさやひたむきに頑張ることの大切さや人と関わることの難しさなどが丁寧に書かれていて優しい気持ちになれる作品だった。ワイン造りの勉強にもなった。 ただ、色々なエピソードについてもう少し掘り下げてもらいたかった。それぞれの抱いているコンプレックスや人生観の裏付けが理解しにくかった。
Posted by
しっかり者だが頑なでいろんなものを1人で 抱え込んでしまう姉の光実 小さい頃からできの良い姉と比べられて 逃げてばかりの人生を送ってき た弟の歩 ワイン造りって結局はぶどうをどれだけうまく 育てられるかにかかっているようなところがあって 本当に手間のかかる作業。 日野さんはそ...
しっかり者だが頑なでいろんなものを1人で 抱え込んでしまう姉の光実 小さい頃からできの良い姉と比べられて 逃げてばかりの人生を送ってき た弟の歩 ワイン造りって結局はぶどうをどれだけうまく 育てられるかにかかっているようなところがあって 本当に手間のかかる作業。 日野さんはそのぶどう作りのリーダー的な存在で 母がなくなったあとはすべてのことをこの日野さんに 教えてもらいながら進めている状況 職人あるあるなんだろうけど なんていうかこういう人たちって教えたり 育てるのが下手ですよね。(私の偏見) 見て覚えろ、 やり方を盗んで覚えろ的な もちろん意味がある場合もあるので 全否定はしないけど 丁寧に教えたほうが 早く育ってくれるし自分も楽やんって 思うのだけどね。 光実のほうは小さい頃からよくできる姉 それはそれでなかなか窮屈 意地張って突っ張り続けたら いつかはポキっとおれてしまう。 人に平気で弱みを見せてしまう歩の方が 案外強いのかもしれない。 そんな2人の成長物語みたいな話でした。
Posted by
残したくなるフレーズが6件ほどもありました。ぶどう農家の苦悩と喜びを素敵な文章で綴られていて、ぶどうに限らずすべての農家さんたちが、自然を相手に打ちひしがれたり喜んだりしている現実を、今までよりリアルに、これでも足りないとは思うけど少しはリアルに捉えられるようになったと思います。...
残したくなるフレーズが6件ほどもありました。ぶどう農家の苦悩と喜びを素敵な文章で綴られていて、ぶどうに限らずすべての農家さんたちが、自然を相手に打ちひしがれたり喜んだりしている現実を、今までよりリアルに、これでも足りないとは思うけど少しはリアルに捉えられるようになったと思います。 「どう考えても君の方がふさわしい」と日野さんからマイクを受け取ってからの歩のセリフの全てが素敵で、感動的で、アドリブ力最高でした。ドラマチックな場面が想像できて泣けました。
Posted by
読むのに少し時間がかかりました。身近な人が逝ってしまって、喪失感が重なってしまって。スマートにはなかなかやれんし、意味なく落ち込むこともまだまだ、多々ですが、でも、回りに元気もらいながら、前に進みながら、、、だなー。
Posted by