1,800円以上の注文で送料無料

叙述トリック短編集 の商品レビュー

3.3

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/08/18

 叙述トリックが好きだ。2ちゃんねる(あ、今は5ちゃんねるか)のコピペをまとめたサイトはオチがわかっていても何度も読んでしまうし、叙述トリックが用いられている小説が紹介されていたらつい買ってしまう。これまでにレビューしてきた小説の中にもそういったものはいくつもあったはずだ。  ...

 叙述トリックが好きだ。2ちゃんねる(あ、今は5ちゃんねるか)のコピペをまとめたサイトはオチがわかっていても何度も読んでしまうし、叙述トリックが用いられている小説が紹介されていたらつい買ってしまう。これまでにレビューしてきた小説の中にもそういったものはいくつもあったはずだ。  さて、本書『叙述トリック短編集』はその名のとおり、全編が叙述トリックを用いた短編集である。また、タイトルのみならず、冒頭「読者への挑戦状」において、作者の似鳥さんは堂々とそれを宣言する。曰く、本書は「フェア」な叙述トリックを目指したと。たしかに、叙述トリックの多くは「後出し」感が否めず、「アンフェア」だと言うのもわかる。いわゆるトリックの多くは「内容」にかかわるものであり、叙述トリックは「形式」にかかわるものである。どうも、そのへんに「アンフェア」に感じる原因がありそうではあるが……。形式的である叙述トリックを、内容的であるその他のトリックと同じ線上に並べようという意味で、本書は実に野心的な作品である。  ただ本書を読んで、改めて感じたことがある。それは「叙述トリックはアンフェアだから面白い」ということである。突然の「ズル」に度肝を抜かれ、そして「一本取られたなあ!」と感心するところに一種のカタルシスを得る。これこそが叙述トリックの醍醐味であったのだ。残念ながら、ズルさを手放した本書にそのカタルシスはなかった。  また、叙述トリックが面白いと感じられる文章の長さもあるのではないかとも思う。5ちゃんねるのコピペのような超短編や、時折話題になる小説のような長編には適度なカタルシスがある。一方で、本書は一編一編の長さが中途半端な気がする。超短編のように気軽には読めないし、長編のようにどんでん返しが待っているわけでもない。  叙述トリックが好きだ。でも、叙述トリックであれば何でもいいというわけでもない。そんなことに気づかせてくれた一冊である。 【目次】 読者への挑戦状 ちゃんと流す神様 背中合わせの恋人 閉じられた三人と二人 なんとなく買った本の結末 貧乏荘の怪事件 ニッポンを背負うこけし あとがき (カバーイラスト/石黒正数)

Posted byブクログ

2019/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不意にくる叙述トリックが苦手。 なるほどそう来たか!と膝をつくこともあるけれど、今まで信じていたものが音を立てて崩れていく様に、立ち直れなくなることも多い。 その点、この本は安心して読めたし、絶望するような叙述トリックもなくてよかった。 大学の写真サークルのはなしの青春なかんじで好き。同じく大学生のボロアパートのはなしも好き。こういう時期のこういう関係性っていいな、と思う。そしてこのはなしのトリックは、ちゃんと読もうと思ったけどやっぱり面倒くさいからやめたところをちゃんと読んでたら分かったかも… 電子書籍の表紙もちゃんとトリックになってました。でも、紙の本で見た方がより楽しいと思う。

Posted byブクログ

2019/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「一人だけ、すべての話に同じ人が登場している」 これにはやられた。まさか途中であれが変わるなんて。 読者への挑戦状からトリック仕掛けてくるんだもんなあ。 最終話 ノーヒントで解けると作者は言うが、大人をアルゼンチンバックブリーカーできる(そしてぶん投げる)○才は居ないだろー!

Posted byブクログ

2019/06/14

叙述トリックって一種のネタバレ。でも題名でそれを言っちゃうってどんなだろう、と本当に期待して手に取りました。最初の「読者への挑戦状」が、見破ってやる!と更にやる気を誘います。もちろんわかったのもありますが、ひとつひとつ読み進めて、結局言われててもわからないものなんだな、などと思い...

叙述トリックって一種のネタバレ。でも題名でそれを言っちゃうってどんなだろう、と本当に期待して手に取りました。最初の「読者への挑戦状」が、見破ってやる!と更にやる気を誘います。もちろんわかったのもありますが、ひとつひとつ読み進めて、結局言われててもわからないものなんだな、などと思いつつ読んだ「ニッポンを背負うこけし」で驚愕。そしてさらにあとがきを読んで…!!逆に叙述と知っていたからこそ、注意深く読んで普通に読むより楽しめたような気がします。といっても、全体として叙述としてのやられた感は少な目ではありますね。

Posted byブクログ

2019/06/03

全てが叙述トリックと最初に宣言されているのでずっと疑いながら読んでました。なんでこう書いてるんだろう、などにも意味があったりして、普段より文の構成を勘ぐって読んでました。とはいえ引っかかりはあるものの「こうだ!」って確信が持てないまま読んでたので大体騙されるというかこの引っ掛かり...

全てが叙述トリックと最初に宣言されているのでずっと疑いながら読んでました。なんでこう書いてるんだろう、などにも意味があったりして、普段より文の構成を勘ぐって読んでました。とはいえ引っかかりはあるものの「こうだ!」って確信が持てないまま読んでたので大体騙されるというかこの引っ掛かりはこういうことなんだなと解決編に当たる記述で知る、という感じでした。

Posted byブクログ

2019/05/22

この短編集に収録されている短編にはすべて叙述トリックが使われておりますので、騙されぬように慎重にお読みくださいませ。と冒頭でご丁寧に書いてあるにも関わらず、騙されました。やられた!というよりあーそういうことね~~と納得する感じでしたが、叙述トリック大好きなので楽しめました。 「貧...

この短編集に収録されている短編にはすべて叙述トリックが使われておりますので、騙されぬように慎重にお読みくださいませ。と冒頭でご丁寧に書いてあるにも関わらず、騙されました。やられた!というよりあーそういうことね~~と納得する感じでしたが、叙述トリック大好きなので楽しめました。 「貧乏荘の怪事件」が一番盲点を突かれて、笑ってしまった。 似鳥鶏さんの本は枠外の注釈が遊び心満載で好きです。

Posted byブクログ

2019/05/16

最初から叙述トリックってわかってると、全て疑って読んでしまう分、たしかに書く人にとっては難しいんだろうなー。 「背中合わせの恋人」はなかなか。 「ちゃんと流す神様」はネタが分かってからもう一度読むと、思ってたイメージとだいぶ変わって面白かった。

Posted byブクログ

2019/05/13

叙述トリック使いますよと宣言した実験的小説。 面白かった!すごい…なんていうか…楽しいんだろうな、書くの…と感じました。楽しそうに書いてるのは読んでても楽しい。 明るいお話ばっかり(明るいっていうか)だったのも良かった。トリックの話なのにニコニコ読めるのはありがたいし、かわいい。...

叙述トリック使いますよと宣言した実験的小説。 面白かった!すごい…なんていうか…楽しいんだろうな、書くの…と感じました。楽しそうに書いてるのは読んでても楽しい。 明るいお話ばっかり(明るいっていうか)だったのも良かった。トリックの話なのにニコニコ読めるのはありがたいし、かわいい。ミステリは大好きだけどなんだか年々どぎついのは受け付けなくなっているので……。 私は見事に全部わからんかった笑。

Posted byブクログ

2019/04/30

Twitterで帯の紹介を見て、面白いことを考えつくなーと。中身も面白いに違いない。 もう叙述トリック本とタイトルから公言しているので、特に詮索をせずに第一印象だけで読み進めて真っ向から騙されにいく。もちろん読者への挑戦に挑んでもよし。本はまだまだ可能性を秘めてますね。

Posted byブクログ

2019/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たぶんすぐ内容を忘れてしまうけど、これくらいライトな奴もたまにはいいかも。 あとがきは読み飛ばしてしまおうと思ったけど、読んでおいてよかった。

Posted byブクログ