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単位は進化する の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/06/29

SI単位系の内、長さ、重さ、時間、電気、温度の単位について、その誕生からブラッシュアップまでの変遷が書かれている。 単位誕生のきっかけは「量を測りたい」というニーズの高まりが始まりで、そこから正確さを向上させ、単位の共通化・標準化を経て今日に至る。 より精密で普遍的な単位を求め、...

SI単位系の内、長さ、重さ、時間、電気、温度の単位について、その誕生からブラッシュアップまでの変遷が書かれている。 単位誕生のきっかけは「量を測りたい」というニーズの高まりが始まりで、そこから正確さを向上させ、単位の共通化・標準化を経て今日に至る。 より精密で普遍的な単位を求め、現在では基礎物理定数を用いた単位が用いられている。 単位の精度向上は直ちに生活が一変するというわけではない。しかし、新たなイノベーションを創出し世界を活性化させる。そういう「裏方」がいるからこそ現在の繁栄がもたらされた。陰で活躍している単位に注目すると見えてくるものもあるかもしれない。

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2021/12/11

7つのSI基本単位のうち、長さ、質量、時間、電気、温度について、その定義の成り立ちと現状などが書かれています。 物理が苦手だった私には少し難しく、2018年の定義改訂の前に書かれた本なので情報が古くなっている部分があるものの、面白く読めました。 2020年度大阪府高校入試問題国...

7つのSI基本単位のうち、長さ、質量、時間、電気、温度について、その定義の成り立ちと現状などが書かれています。 物理が苦手だった私には少し難しく、2018年の定義改訂の前に書かれた本なので情報が古くなっている部分があるものの、面白く読めました。 2020年度大阪府高校入試問題国語Bの出典です。 本の内容とは全く関係ありませんが、ミスター〇〇のスリーカウントは時間の定義とは無縁だったな、と思います。 609

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2020/05/31

わかりやすかった。 1キログラムの定義は何かなんて考えたこともなかった。単位の統一は共通言語の確立だ。SI基本単位は7つ、長さ(メートル)質量(キログラム)時間(秒)電流(アンペア)熱力学温度(ケルビン)光度(カンデラ)物質量(モル)で、その他の単位はこれを組み合わせたりして表さ...

わかりやすかった。 1キログラムの定義は何かなんて考えたこともなかった。単位の統一は共通言語の確立だ。SI基本単位は7つ、長さ(メートル)質量(キログラム)時間(秒)電流(アンペア)熱力学温度(ケルビン)光度(カンデラ)物質量(モル)で、その他の単位はこれを組み合わせたりして表される。さらにこの基本単位も相互に関係して定義される。時間と温度のような一見関係ないものも、その定義の要素に含まれていたりして面白い。キッブルバランスっていう天秤は、1キロの分銅とつりあう1kJの電磁力を発生させることで釣り合わせる、とか、電気が重さになるってどういうこと?わからないけれど面白い。温度っていうのは分子や原子が震える振動だから、それらが震えなくなると温度はゼロになり、それが概念的な絶対零度というもので0ケルビン、摂氏で言うとマイナス273.15度だ、とか。 1889年に定められた後、変わらずに質量を定義してきたキログラム原器が2018年には廃止され、基礎物理定数を用いた定義で質量が表されるようになる。キログラム原器は経年変化の少ない合金で作られていたが物質である以上どうしても変化してしまうから、非物質で変わることのない基礎物理定数を基準にすることにしたそうだ。またキログラム原器がカバーできるのが8桁までで、それに紐づいて定義されていた電気は最近飛躍的に発達しているしこれからも発達するべきニーズがあるから、質量をもっと正確精密に測ることができるようにすることで電気もよりミクロの世界を相手取れる。文系の勉強しかしてない人間には細かい原理はわからないけれど、こうした単位の定義をより小さいところまで正確にすることで技術は進歩していくのだろう。この単位の進化はミクロとマクロの世界をつなぎ、科学と生活を結ぶんだそうだ。 自然をもとにした基礎物理定数っていうのが、ミクロの世界すぎてわからない。プランク定数を求めるとか、ボルツマン定数とか。印象として、相互依存みたいな、鶏と卵みたいな感じがして難しい。しかし単位の歴史は物理学の歴史なんだというのがわかって、面白かった。

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2018/12/25

 2018年は単位の歴史にとって画期的な一年であったようだ。ものの単位はもともと身体や自然物を基準にして何かを測るために生まれたという。それがより正確に、さらにマクロ・ミクロに適応できるものが要求されるようになると、それに見合った単位が必要になる。  重さの単位は今年までキログラ...

 2018年は単位の歴史にとって画期的な一年であったようだ。ものの単位はもともと身体や自然物を基準にして何かを測るために生まれたという。それがより正確に、さらにマクロ・ミクロに適応できるものが要求されるようになると、それに見合った単位が必要になる。  重さの単位は今年までキログラム原器という実物を基準にされていたという。しかもその原器は年々少しずつ重くなっていたという。リアルなものを基準にするとそれ自体が変化して絶対的な単位にはならないのだというのだ。  今年、重量はプランク定数なる光子の振動に関する物理学的な数字を基準とすることになり、実物ではなく理論値が単位になった。すでに長さや電気に関する諸単位もそのようになっており、尺取り虫のようなものはいらなくなったのだ。  筆者が何度も述べるのは度量衡はそれを求める科学技術があるから発展し、そしてその発展の先にさらなる科学技術が生まれる。単位の歴史は科学技術の歴史そのものだ。  私のような数学音痴のものにとってはとても遠い話だが、懸命に新しい単位のあり方を研究している筆者の心意気が伝わってくる良書である。

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