徳政令 の商品レビュー
中世とは何か―債務破棄が徳政と呼ばれた時代 正長元年の徳政一揆、室町幕府を飲み込む 法と法とのシーソー・ゲーム 室町の格差社会 過剰負荷社会の誕生 「大法」に飲み込まれる人々 接殖する法と社会 「裁定者」の登場 分断される一揆 徳政に侵食される社会 貸借・土地売買と徳政 シーソー...
中世とは何か―債務破棄が徳政と呼ばれた時代 正長元年の徳政一揆、室町幕府を飲み込む 法と法とのシーソー・ゲーム 室町の格差社会 過剰負荷社会の誕生 「大法」に飲み込まれる人々 接殖する法と社会 「裁定者」の登場 分断される一揆 徳政に侵食される社会 貸借・土地売買と徳政 シーソー・ゲームの終わり 「新しい人」の登場―文明の転換期としての戦国時代 著者:早島大祐(1971-、京都府、日本史)
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徳政令が、鎌倉時代の武士の借金を免除するものから 農民が一揆で借金をなくすために要求するものになり 最終的に兵士の略奪を追認するものになる過程を追った本
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※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> はじめに 第1章 中世とは何か~債務破棄が徳政と呼ばれた時代 第2章 正長元年の徳政一揆、室町幕府を飲み込む 第3章 法と法のシーソーゲーム 第4章 室町の格差社会 第5章 過剰負荷社会の誕生 第6章 「大法」に飲み込まれる人々 第7章 接触する法と社会 第8章 「裁定者」の誕生 第9章 分断される一揆 第10章 徳政に侵食される社会 第11章 貸借・土地売買と徳政 第12章 シーソーゲームの終わり 終章 「新しい人」の登場~文明の転換期としての戦国時代 <内容> 意外と大部である(310ページ)。ただ、「徳政令」をキーワードに中世から近世へと転換していく室町社会を活写している。室町時代は混沌とした時代だとは思っていたが、なるほど貨幣経済の発展に社会が付いていけず、そこが「徳政」の生まれる訳があったようだ。授業で使うには専門的すぎるが、高校の日本史教師はこのレベルを知っておいた方がいいのではないか?
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これ面白いです。 徳政令を中心に、日本の社会の変遷;特に政治と経済について説き明かす。金融システムや契約制度の萌芽も中世(室町期)だったことがよく分かる。 人間が自然をコントロールできないからこそ、徳政令だったわけだけど、社会が進展し経済システムや金融制度を確立していこうって時に...
これ面白いです。 徳政令を中心に、日本の社会の変遷;特に政治と経済について説き明かす。金融システムや契約制度の萌芽も中世(室町期)だったことがよく分かる。 人間が自然をコントロールできないからこそ、徳政令だったわけだけど、社会が進展し経済システムや金融制度を確立していこうって時にシステムを壊すような借金棒引き=徳政令はまずいわな。一方で徳政令があるせいで、それを回避するための複雑な契約制度が生まれたってのには笑っちゃう。昔も今も人間の考えることは変わらないね。
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中世全般の金融、財政、社会構造、政治を丁寧に紐解いていて、しかも具体的な事例が挙げられているので抽象論で迷子にならず、読み応えがあるのに最後までわかりやすかった。
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