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マリー・アントワネットの日記 Ⅱ Bleu の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

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2020/05/06

はじめて、マリー・アントワネットという人にちょっと共感することがあった。 贅沢にうつつを抜かし、国を傾けた悪女としか思えなかった。 でも、こんなところを読むと、ちょっと応援したくなる。 あたしはマリア・テレジアのような女傑じゃないし、政治のことなんかこれっぽっちもわかりませ...

はじめて、マリー・アントワネットという人にちょっと共感することがあった。 贅沢にうつつを抜かし、国を傾けた悪女としか思えなかった。 でも、こんなところを読むと、ちょっと応援したくなる。 あたしはマリア・テレジアのような女傑じゃないし、政治のことなんかこれっぽっちもわかりません。わかんないけど、女だからって外野に回されるのには苛立ちを感じる。「女は女のやり方でうまく立ち回って男を操縦しろ」なんて発想はもっといや。シンプルじゃないし汚らしいし男も女もばかにしてる。 だけどこれ(註:ファッション)は違う。主導権はあたしの手の中にある。あたしがあたしであるためにあたしにはこれが必要なのです。「そんな格好してたら男ウケ悪くなるよ」って? うるせーバカ! なにを着るかはあたしが決める。だれにも左右させたりしない。 この国の女たちもいずれそうなる。世界中の女たちがそうなる。 ファッションで世界は変わる。あたしが変えてみせる。(pp.62~63) 処刑を控え、コンシェルジュリーに連行されるとき、アントワネットが娘のマリー・テレーズに遺した言葉は、涙なくして読めない。 やられた――。 見かけのチャラさになめてかかってると、大変な目に遭わせてくれる作品だ。

Posted byブクログ

2020/01/12

読友さん達が面白い!!面白い!!と紹介していたので、楽しみで仕方なかった作品。 誰もが知っているマリーアントワネットの人生を こんなに現代の女の子風に置き換えて書いちゃうのが 面白かった。 ただ、その面白さの裏に現実のマリーアントワネットの 忍び寄る最期が分かってるいるから ...

読友さん達が面白い!!面白い!!と紹介していたので、楽しみで仕方なかった作品。 誰もが知っているマリーアントワネットの人生を こんなに現代の女の子風に置き換えて書いちゃうのが 面白かった。 ただ、その面白さの裏に現実のマリーアントワネットの 忍び寄る最期が分かってるいるから 最後の方は悲しいというか・・・虚しいというか。 無知な14歳の女の子を、そのまま表現されていて 最期の一瞬までマリーアントワネットはマリーアントワネットだったなぁ。 ルイ16世の王になりたくてなりたかった訳ではないのに、 最期まで国の為に命を全うする静かな姿が、おちゃらけたアントワネットと対比してズシンときた。 真相を先に知っているからこその楽しめる作品。 今時の若者言葉が随所に使われていて何度も笑ったけど、 その軽さと迫り来る悲劇のヒロイン幕引きが 楽しいやら悲しいやら自業自得やら・・・複雑な気持ちでした。 何度読み返す事が出来る1冊です。

Posted byブクログ

2020/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻のBleuは、フランス国王ルイ15世崩御で18歳で、フランス王妃になったところから。 アントワネットは「‘パンがないならお菓子を食べればいいじゃない‘なんてまじで言ってねえから!」と有名なセリフを完全否定しています。パンとお菓子の原材料が小麦だってことぐらいは知っていると言っています。 そしてロベス・ピエールが登場。 女児出産。 首飾り事件を経て、次はいきなり三十路に突入。 4人目の子供を出産しています。(男児2人、女児2人) そして、フェルセンとの秘めた恋。 7歳で長男を亡くします。 1789年7月15日バスティーユ陥落。 「敵国オーストリアからやってきて王を意のままに操りフランスを窮状に陥れた雌虎マリー・アントワネット。いまとなって彼らの憎悪の対象があたしでよかったと思うほどです。陛下や子どもたちをこんな苦難にさらすわけにいきませんから」家族を思いやるこころは人一倍強く持っていたのがわかります。 そしてルイ16世はギロチンで処刑されます。 1793年10月14日、革命裁判所でマリー・アントワネットの魔女裁判が行われます。アントワネットは38歳、14歳の小娘ではありません。ギャル語も控えめになってきています。 自分の意志で尋問に答えていきます。 「とにかく、彼らはあたしを毒婦に仕立て上げたいようでした。うちらの歴代の王や王妃にくらべてもそこまで悪玉じゃないっつーか。どっちかっつーと善玉なほうだと思うわけ。ま、あたしが多少やらかしちゃったって気はしないんでもないんだけど。ルイ16世なんてひいき目抜きにしても最善の王だったでしょ?って思うもんね。アンリ4世たんの上いってるっしょ」とまたしてもギャル語で言っています。 その時の裁判の様子は最も感動的でした。 今までで一番王妃然としていました。 マリー・アントワネットは処刑される前のたたずまいが最も高貴だったと思います。 「そんじゃ、行ってくるね。オーヴォワー!」と言って処刑台に向かうアントワネットには涙しました。

Posted byブクログ

2020/01/01

クライマックスに向けて、マリーアントワネットの緊迫感が伝わってきて、はらはらした。 アルジャーノンに花束をみたいな感じに思った。

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2019/11/25

上巻のRoseに続く下巻のBleu。 Roseはそうでもなかったが、こちらは一気読み。 結末がどうなるか(史実として)分かっているだけに、どのようにマリー・アントワネットが自分自身を語るのか?という、もうその一点だけで一気に読み進んだ(ベルバラ世代なだけに)。 フランス革命を...

上巻のRoseに続く下巻のBleu。 Roseはそうでもなかったが、こちらは一気読み。 結末がどうなるか(史実として)分かっているだけに、どのようにマリー・アントワネットが自分自身を語るのか?という、もうその一点だけで一気に読み進んだ(ベルバラ世代なだけに)。 フランス革命を世界史の授業(代ゼミ)では、「1789=ひなわくすぶるバスティーユ」と覚え、そこに付随するいくつかの用語を覚える程度でおしまい。そこに至る道のりは池田理代子先生の「ベルサイユのばら」が教科書だった。 そして、それらはどれも革命側=庶民の目線の歴史だったんだなぁ…ということがこの本を読んだ率直な感想だ。 吉川トリコさんの、マリー・アントワネット自身の手で彼女の伝記を綴るという、斬新なアイデア(しかも今時ギャル文体で)は、誰もが持つフランス革命のイメージを大きく変えることだろう。 確かに、民の血税を享楽に費やしたことは一国の王妃としてあるまじきことだけれど(どこかの国でも血税で桜の宴催しちゃってるからね、歴史は繰り返す!)…。 時代が時代、朝から晩まで儀式漬け、私欲まみれの貴族のお取り巻きばかりで、民の生活など知る余地もなかったのだろうなぁ。 読後に去来するのは、愛すべき気高き王妃マリー・アントワネットなのである。2019.11.25

Posted byブクログ

2019/11/03

Rose(1巻)・Bleu(2巻)読了。 フランス王妃マリー・アントワネットが現代語で自らの気持ちをぶっちゃける。 一見、下品な物言いだけど、そうした物言いの中に時々現れる、夫に寄せる思いがなんだか切ない。

Posted byブクログ

2019/02/21

死刑になる前の裁判で 子供との近親相関を疑われたり・・・ なんか 下劣な話が多い中で 「ばっかじゃないの」と強気なアントワネットちゃんが 素晴らしい! イメージだけで責められたら たまったもんじゃないです こんな 言ったもん勝ちが 通用するなんて やだやだ 今の世とそっくりだよ!

Posted byブクログ

2019/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙がかわいくて買ったので文章に最後まで慣れませんでしたが、内容が内容なのでこちらの方が読みやすかったです。 最後の最後、サンソンが…のところ、どこの資料なんだろう。処刑人のサンソンは王党派だったのにそんな乱暴にしたかなってちょっと思ってしまった。 そのサンソンの靴を踏んだ時の逸話が好きだったけど処刑台まではさすがにありませんでした。 この後の手紙や、ルイ・シャルルを思うと…

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2019/01/29

世界に嫌われた王妃を、愛さずにはいられない。え、あたしがフランス王妃とかwww ウケるってかんじなんですけどー。1774年 5 月10日、ルイ15世が崩御し、夫・ルイ16世が国王に。だが、アントワネットへの世間の風当たりは強まる一方だった。取り巻きたちとの夜遊び、膨大な服飾費、授...

世界に嫌われた王妃を、愛さずにはいられない。え、あたしがフランス王妃とかwww ウケるってかんじなんですけどー。1774年 5 月10日、ルイ15世が崩御し、夫・ルイ16世が国王に。だが、アントワネットへの世間の風当たりは強まる一方だった。取り巻きたちとの夜遊び、膨大な服飾費、授からない子ども、根も葉もない噂。そして、本当の恋。だが革命が起こり、すべては終わる──。王妃の最期の言葉に、涙があふれるクライマックス! 最初から最後まで軽やかで華やかで、自分のことも家族のことも大好きで乙女な部分を持ち続けたマリー・アントワネット。本当の姿はどうだったのか、今となっては分からない。でも小説とは思えないくらいリアルで、母から受け継いだ強さも大好きな人との叶わぬ恋で知った弱さも全てひっくるめてこんな愛おしく思えるキャラクター描写がすごい。こんなちゃらけた王妃で大丈夫かwと序盤は思ったのに、最後は結末を知っているにも関わらずハッピーエンドで終わってほしいと願わずにいられなかった。もっと詳しい歴史書を読みたくなったので探そうかな。いくら姉妹ブランドとはいえ、あのお堅い新潮文庫からこんな革新的作品が出るなんて時代は変わるものなんですねえ・・・。

Posted byブクログ

2019/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「桃尻語訳 枕草子」を思い出す、この先鋭的な表現。縦書きなのに絵文字もバリバリ入って来ます。  さて、下巻は王太子妃が王妃になったところから始まり、悲劇が迫って来ます。囚われの身になっても、最後まで世話人がついていたりして、少なくともルイ16世の存命中はまあまあ穏やかな暮らしぶりでした。  豪華な食事や豪奢な服飾品の有無だけは王宮の暮らしと違うけれど、王族は捕えらる前から常に人の目にさらされる不自由さに慣れていたのかもしれないと思います。    涙の完結!という呷り文句があったけれど、ラストはむ しろ清々しかった。  レーヌ・ド・フランスではなく、マリー・アントワネットを生き切って、トワネットちゃんはおさらばしました。  彼女はパリ革命広場からどこかの空にかけのぼり、清々とダンスを踊ったのではないかと思います。

Posted byブクログ