ショコラティエ の商品レビュー
装丁が綺麗だったのでつい手に取った本だったけれど、内容もしっかりと面白かった。 まっすぐに夢を追うことができるという才能がこの世にはある。それは、時に耐えがたいほど妬ましいものだ。年齢を重ねれば重ねるほど、夢を追えるという才能の価値を痛感する。 しかし、この本の中では、まっすぐ...
装丁が綺麗だったのでつい手に取った本だったけれど、内容もしっかりと面白かった。 まっすぐに夢を追うことができるという才能がこの世にはある。それは、時に耐えがたいほど妬ましいものだ。年齢を重ねれば重ねるほど、夢を追えるという才能の価値を痛感する。 しかし、この本の中では、まっすぐな夢を持ちきれない側の人間の生き方も肯定される。終わり方がとても良かった。
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ヴァレンタインが近いので、チョコレートっぽいものを……と思い読んでみました。 神戸の男子2名と女子1名のお話です。 恋愛要素はそんなにないです。 どちらかというと、男女3名がどのように夢に向かって走っていくのか、っといった感じのストーリー。 青春ってこんな感じだよね!?って要素...
ヴァレンタインが近いので、チョコレートっぽいものを……と思い読んでみました。 神戸の男子2名と女子1名のお話です。 恋愛要素はそんなにないです。 どちらかというと、男女3名がどのように夢に向かって走っていくのか、っといった感じのストーリー。 青春ってこんな感じだよね!?って要素が強いです。 登場人物は下記の通り。 ★聖太郎 小学生の時に誘われた光博の誕生日パーティーに参加し、仲良くなる。凜々花とも次第に距離を縮めるが。 お菓子作りがしたい! 高校卒業後、パティシエに弟子入り。 ★光博 製菓会社社長の息子。音楽が好き、お菓子が好き、だけど、好き以上の情熱はない。自分は何がしたいのか、日々模索中。 ★凜々花 光博の幼馴染。家は裕福。ピアノ一筋。将来はピアニストになるべく、日々精進。 成長するにしたがって、己の才能の限界に悩む。 ほとんどの人は、光博や凜々花側の人間なんじゃないだろうか。 私もこちら側の人間だったので、光博の苦悩、共感できました。 やりたいこと、自分が社会で役立つことが何なのか、見つけるまでにかなりの時間がかかりました。 年を取っていくと、社会からどう見られたいか、とか、外からの押し付け、圧力など、そういうものにのまれると、自分の好きな事・出来ることが分からなくなってくるんですよね。(流されるままに生きてきて上手くいく人もいると思うけど) それらに影響されてやってみたものは、無駄ではなかったけど、残ってない……。 光博が夢中になるものが見つかっている聖太郎に嫉妬する気持ち、よくわかります。 聖太郎のように、子どもの頃から自分のやりたいことが明確になっていて、それに向かってまっすぐ目指せる人間って極わずかだと思うのです。 自分の得意な事とやりたい事と好きな事がピタッとはまっていて、努力と根性と才能が追いついている事って、滅多にない! こういうものを見つけられた人って、ホント運がいいと思うんです。 かなり本当に幸せな事だと思う。 そもそも、自分の勝負できる舞台を見つけるのがとにかく大変なんだよね。汗 そんな20代、30代を思い出しました。 チョコラティエ、とタイトルにあるけど、ガッツリとしたチョコレートの話ではないんですね。 (でもチョコレートが食べたくなるのは間違いないです) ラストの流れから、今後の聖太郎と光博の活躍が気になりました。(むしろ、こっちのほうが気になる) 続編を期待してしまう?? 明日はヴァレンタイン♡ 光博の祖父・源二の言葉で締めたいとと思います。 ”おいしさを分かち合うこと。 それが祖父の教えてくれた幸福のかたちだった。” 明日はこんな日にしたいですね。
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例えば将棋の藤井聡太君や 野球の大谷翔平君の様に 神様に愛された天才ならば話は別なのだろう。 だけど普通はどんなに努力しようが嫉妬しようが いつか超えられない限界が見えてくる。 主人公たちも、才能と環境に恵まれたが故に 悩んだり嫉妬したりもがいたり。 だけど最後に彼らを救うのは ...
例えば将棋の藤井聡太君や 野球の大谷翔平君の様に 神様に愛された天才ならば話は別なのだろう。 だけど普通はどんなに努力しようが嫉妬しようが いつか超えられない限界が見えてくる。 主人公たちも、才能と環境に恵まれたが故に 悩んだり嫉妬したりもがいたり。 だけど最後に彼らを救うのは ピアノが好きお菓子が大好きという 真っ直ぐな心。 人生を豊かにするのは、才能や結果より そこに辿り着くまでの道のりなんだと 読み終わってつくづく思うのでした。
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図書館の書架で見つけた本、面白かった。 地元の製菓メーカーの息子光博とクリスチャンの母と二人暮らしの聖太郎。 関わりが無かったはずが光博の誕生日会に聖太郎が招待されたことから仲良くなる。 聖太郎は、この時初めて見たチョコレートフォンデュに心を奪われる。これが聖太郎の運命に大きく関...
図書館の書架で見つけた本、面白かった。 地元の製菓メーカーの息子光博とクリスチャンの母と二人暮らしの聖太郎。 関わりが無かったはずが光博の誕生日会に聖太郎が招待されたことから仲良くなる。 聖太郎は、この時初めて見たチョコレートフォンデュに心を奪われる。これが聖太郎の運命に大きく関わってくる。 二人は成長していくにつれ、なんとなく疎遠になってしまう。お互いの持っているものに少なからず嫉妬したり、憧れたりして、離れていってしまう。 二人は離れてからそれぞれ葛藤したり、挫折したりしながら成長していく。 舞台が神戸のため阪神大震災にも遭う。そこで光博は引きこもりのような生活から抜け出す。方や聖太郎は研修で行っていたパリで震災のことを知るがそのまま居続けることになる。 ふたりの成長が対比して描かれて、そこに光博の幼なじみの凛々花も絡んでくる。 お互いにないものに憧れ、自分の立場を顧みて落胆したり、悩んだり、若者らしい姿に、共感したり何やってんのと喝を入れたくなったりしながら読んだ。 どちらかというと、元々何も持たない聖太郎の方が身軽でやりたいことができたのだろう。光博は色々あったために自由ではなかった。そこから何とか這い出そうとする姿がいい。しかし周りは中々先に待っている形にはめようと自由を許さない。それでも自分を見失わなかった。聖太郎もチョコレートフォンデュに魅了された世界を生きようとした。 最後の場面には二人に大きな拍手とともに、頑張ってってエールを送りたくなった。 長編だったが二人の次が気になって仕方がない作品だった。
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作品の舞台は神戸 父を交通事故で亡くし母子家庭で育った聖太郎と、大宮製菓の御曹司・光博が主人公です。 小学生時代にお菓子作りを通して親友になった二人だけれど、些細な出来事から疎遠となってしまいます。 境遇の違いから感じる劣等感、嫉妬、葛藤、挫折、恋、夢、希望 小学生から社会人...
作品の舞台は神戸 父を交通事故で亡くし母子家庭で育った聖太郎と、大宮製菓の御曹司・光博が主人公です。 小学生時代にお菓子作りを通して親友になった二人だけれど、些細な出来事から疎遠となってしまいます。 境遇の違いから感じる劣等感、嫉妬、葛藤、挫折、恋、夢、希望 小学生から社会人になるまで様々な感情に揺れ動きながら二人は少しづつ前進して行きます。 タイトルからチョコレート作りがメインの物語だと想像していましたが 本筋は二人の成長物語です。 目新しい内容ではありませんが、読後感爽やかな作品 美味しいチョコレートが食べたくなるのは間違いありません。
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考えることなく、軽めにさっと読める本。 神戸に住む、母子家庭育ちの聖太郎と、大宮製菓の御曹司の光博。光博の誕生日パーティの誘いで、聖太郎は初めてチョコーレートファウンテンを見る。あまりの衝撃で、何度も繰り返し食べ、最後は唐揚げにチョコをつけて食べる。光博の祖父には、みどころがあ...
考えることなく、軽めにさっと読める本。 神戸に住む、母子家庭育ちの聖太郎と、大宮製菓の御曹司の光博。光博の誕生日パーティの誘いで、聖太郎は初めてチョコーレートファウンテンを見る。あまりの衝撃で、何度も繰り返し食べ、最後は唐揚げにチョコをつけて食べる。光博の祖父には、みどころがあると思われる。 ふたりはお菓子作りを通して親友となる。 ところが、進路や阪神大震災などにより、疎遠になる。 聖太郎は高校卒業後、未経験で働けるパティスリーに勤務する。そこで新人賞を取り、副賞のパリ研修旅行をもらう。研修旅行中に、日本では阪神大震災が起こり、可愛がってくれていたパティスリーのオーナーがなくなったことを知る。戻る場所はない。 パリで居候させてくれていた人の紹介で、ショコラトリーて働けることになる。3年働き、伸びる若者を見つけ、支援することをなりわいとしている男性に東京で店を出さないか、と声をかけられる。神楽坂を勧められるが、気乗りしない。一人で残る母親が気になるため、故郷に小さな物件を自力で借りオープンさせる。 その頃、光博は親の会社で営業として働き、企業ならではの力関係に悩む。 聖太郎が美味しいショコラの店を出し、味はとても美味しいのにブランディングが足らないことを知り、自分が力になると名乗り出る。 全体にうまく物事が運びすぎ、そう思って読めば、そんな感じ。 チョコレートが大好きなので、出てくるもの全て食べたい。
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社長の息子の大宮光博と母子家庭の羽野聖太郎の小学生男子2人は、 光秀の誕生日会をきっかけに知り合い、気づけば気心の知れた友人となる。 そして、光博の幼馴染のピアニストを目指す村井凛々花とも聖太郎は知り合う。 このお話は、タイトルこそショコラティエだが、3人の成長記だ。 それぞれ...
社長の息子の大宮光博と母子家庭の羽野聖太郎の小学生男子2人は、 光秀の誕生日会をきっかけに知り合い、気づけば気心の知れた友人となる。 そして、光博の幼馴染のピアニストを目指す村井凛々花とも聖太郎は知り合う。 このお話は、タイトルこそショコラティエだが、3人の成長記だ。 それぞれが影響し合い、時に嫉妬したり羨んだり、複雑な気持ちを抱えながらも、少しずつ前に進んでいく。 目標に突き進む聖太郎と凛々花、反対に目標がわからない光博。 幼馴染で相手のことが理解できる凛々花と光博。 考え方や関係性の違いがこんなにも、もどかしさや励みになるなんてと、今更ながら思ってしまう。 いつになったらショコラティエの話が始まるのかと思いつつ、気づけば残り何十ページ。 しかしながら、最後の最後に、 今までの話がこの最後に繋がり、 得もしれぬ馥郁とした味わいに仕上げるために必要な過程だったのだなと実感。 彼らの人生が濃縮で極上なガナッシュであり、物語全体がコーティングチョコという、まさに一粒の大きなショコラだったのだな。
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ショコラに魅せられた若者たちの物語…15年くらいの年月を描いたのか…久しぶりに等身大で読み応えのある作品だった。『俺たちの挑戦はこれからだぜ』みたいなワクワク感で終わるのが良かった。3人の成長が嬉しい。
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最後、ワクワク。 このワクワクのために 少年たちはそれぞれの道を 悩みながら歩いたわけか。 一人で歩いていると思い込んでいても、 その先は意外と身近なところにつながってるんだ。
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本の厚みと重さを忘れるほどあっという間に読んでしまった。 ドラマチックな出会い、没頭、苦労、成功と展開していく朝ドラを見ているようで辛い場面も最後は明るい結末が待っているはずと信じて読めた。 実際は結末を想像させるまでで物語は終わっているが結末を知らずともこの二人はきっと大丈夫と...
本の厚みと重さを忘れるほどあっという間に読んでしまった。 ドラマチックな出会い、没頭、苦労、成功と展開していく朝ドラを見ているようで辛い場面も最後は明るい結末が待っているはずと信じて読めた。 実際は結末を想像させるまでで物語は終わっているが結末を知らずともこの二人はきっと大丈夫と思える。 未来を温かく照らす光と花開く手前のわくわくで溢れた読後感だった。
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