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失敗という人生はない の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2024/05/31

失敗という人生はない 著:曽野 綾子 一人の作家が書いたものを抜粋して本にまとめ上げること それは、読者に実に親切な試みだ 中に一箇所でも心にしみる部分がある人の作品であれば、全体を読んでも全く損をすることもないだろう 要約本、抜粋本、つまり、その作家の地図のような本なのである...

失敗という人生はない 著:曽野 綾子 一人の作家が書いたものを抜粋して本にまとめ上げること それは、読者に実に親切な試みだ 中に一箇所でも心にしみる部分がある人の作品であれば、全体を読んでも全く損をすることもないだろう 要約本、抜粋本、つまり、その作家の地図のような本なのである そう、曽野綾子の本は、どこか冷めていて、よけいな期待を起こさない、そんな雰囲気が心地いい 気になったのは、以下です ・生きるという言葉には、2つの意味がある  ひとつは、生物として、病気もせず、もちろん死にもせずに生きること  もうひとつは、自分の心が生きることです ・他人は、例外を除いて、生かしてくれないと思わなければならないのだから、自分は自分で生かすほかはない ・人間は、たまたま自分が生まれ合わせた時代の、たまたまそこに居合わせた場所で、最善を尽くして生きればいいだけなのである ・どんなに凡庸に見えようとも、人間の一生はどれも偉大であることがわかる ・人の行かない方に行く、やりたがらないことをする、というのがスラスラといくこつである ・人間はいつかは仕事の完成を見ずして死ぬようになっている  いわば、人間は、宿命的に初めから勝ち味のない闘いをするように定められている ・恋とは客観的な真実ではなく、我々がどれだけ相手を誤解できるか、ということだ ・結婚をするとは、相手のすべてを引き受けることである  悪いところも、嫌なところも、すべて、景品と思って引き受けなくてはならない ・私は、父が怖かったから、自分の結婚相手には一つのことしか望まなかった  それは寛大さだった  それからもう少し付け加えていいなら、私より少し頭がいいということだった ・人間は、いくら年をとっていても、死ぬ前日でも、いつでも、生き直すことができる ・先入観は、精神の老化である ・正しいと思うことは決してひとに譲らず、ひそかに戦って死ねる人は、本当に強いのである  自分と反対の立場をとる人を許せないのは弱者である ・強い人というものは、多分、怖さを感じない人のことを指すのではない、怖さに耐える人のことを言うのである ・「希望」などというものは、はっきりいってはじめからないのだ  希望なしに生きることが、人間の勇気なのであった ・もともと、人間は他人を理解することなどできない ・誰にでも、期待をすると、不幸になる事を知っている  期待さえしなければ、裏切られることもない ・自分を追いつめないようにすること  それは、なんにでも、「たかが」をつけて考えることです  「たかが小説」「たかが女房の料理」「たかがあの亭主にこの女房」 ・真の人間改造とは、誰かに命令されたり、制度として強要されたりするものではなく、自分一人で、自分を変えていくものなのである 目次 まえがき 生きるということ 死ぬということ 愛は生命である 老年は精神の完成期である 人間の強さ、弱さ 精神の本当の自由 苦しみの意味 人は人の中で生きる 神は人間を解放する ISBN:9784759316186 。出版社:海竜社 。判型:新書 。ページ数:224ページ 。定価:1000円(本体) 。発行年月日:2018年07月 。発売日:2018年07月10日

Posted byブクログ

2021/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 車を暴走させ、先日禁固5年の刑を受けた90歳の元高級役人の人生は、被害者に心から謝罪しない限り、とんでもない人生、大失敗の人生だと思います。 曽野綾子「失敗という人生はない」、2018.7発行。 ①愛の定義: その人のために死ねるかどうか「誰のために愛するか」 ②老年の残っている仕事は、内的な自己の完成だけ。

Posted byブクログ