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骨を弔う の商品レビュー

3.8

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2023/02/12

真実子、京香、豊、哲平、正一、幼馴染の5人が小学校5年生の時に山中に埋めた骨格標本の真相が数十年の時を経て明らかになります。 随所に張り巡らされた伏線が終盤に近付くに連れ、5人それぞれの過去の出来事と深く絡み合いながら、どんどん回収されて行く様には気持ち良ささえ感じました。 ...

真実子、京香、豊、哲平、正一、幼馴染の5人が小学校5年生の時に山中に埋めた骨格標本の真相が数十年の時を経て明らかになります。 随所に張り巡らされた伏線が終盤に近付くに連れ、5人それぞれの過去の出来事と深く絡み合いながら、どんどん回収されて行く様には気持ち良ささえ感じました。 人の持つ「喜怒哀楽」の感情が全て物語に反映されていて、時に腹立たしく、時に切なく最後の1行まで感情が揺り動かされました。 謎解きミステリーに人間ドラマ、そこに更にいくつかの驚きが加わり、極上のエンタメとして楽しめました。 オススメです。

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2023/02/09

5人の幼馴染が小学校の時に山に埋めた骨格標本を巡って真実を確かめてようと昔の記憶をたどっていく話なんですが緻密に計算された伏線が回収されていくのが見事で、しかも最後がすばらしく読んでよかったと思えた作品でした。

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2022/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

豊は横目で、一列に並んだ中年の男女を盗み見た。ふいに森に向かう小学生の五人が、山道で立ち止まり、行く先を見詰めているような感覚に陥った。頬を紅潮させ、目を輝かせた少年と少女。行く先には、いいことしか待ち構えていないと漠然と信じ込んでいた子供時代。もちろん今は、いいことばかりではなかったことも知っている。だけど、それでも歩いてきただけの価値はあった

Posted byブクログ

2022/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

40を迎え、人生の岐路あるいは人生の壁にぶつかる同級生の登場人物たち。育った町の近くで見つかった骨格標本の新聞記事をきっかけに、過去にみんなで埋めた骨格標本はホンモノだったのかと疑問を抱き、謎に迫ってゆく。 その真相に触れたとき、登場人物たちは一歩を踏み出してゆく。 この著者は初めてだが、骨太感とノスタルジックさは好感。ラストのオチには驚いた。

Posted byブクログ

2022/06/09

いつか小説を書いてみたい、という大望を抱くニコなんですが。 こういうのを読むと、もう今更、ニコごとき新参者が なんか書く必要なんてなくね?って思ってしまう。そういう話です。 「愚者の毒」を読んだときも、そう感じました。 こういう話が、私は書きたいのに。 怖くて、謎めいていて、で...

いつか小説を書いてみたい、という大望を抱くニコなんですが。 こういうのを読むと、もう今更、ニコごとき新参者が なんか書く必要なんてなくね?って思ってしまう。そういう話です。 「愚者の毒」を読んだときも、そう感じました。 こういう話が、私は書きたいのに。 怖くて、謎めいていて、でもきちんと日常に根差していて、だからこそ なお怖くて、謎はキレイに解明されて、でもどこか不穏なかんじで終わる。 作者、宇佐美まこと自身が登場します。ちょっとビックリです。 どこまで創作なんだろうか、と訝しむほどのリアルさ。 小学生時代の「骨を埋めた」経験を共有する5人の男女が 十数年たってから、その経験にまつわる謎を解明していく。 まるで、やり残した宿題に取り組むように。 そうして閉塞した現状を脱していく。 ニコの求める不穏な結末はなく、明るい未来を感じさせる、 清々しいラストでした。これはこれで好きです。 オススメです。

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2022/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後のほんの最後まで面白かったのに ラストで そこまでする?と引いちゃった。 最初の章で筆者を絶賛するとこに違和感があったもん。 死んでいた方が話は良かった。 少年少女たちが大人になり それぞれが いろんな過去や現在で悩んだり苦しんだりしている。 もし私なら 3行くらいで終わるね。 「中身は全く成長せず年だけとってた。 平凡でこれといったエピソードもなく生きてる女。」 2行だった‪w

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2021/12/22

堤防の土中から人骨があると通報を受けた。警察が調べた結果、これは理科の教材や医療機関の見本などに用いられる骨格標本であることがわかった。 小さな地方紙の記事を目にした、豊は29年前のあの日の出来事を思い出した。 四国の田舎に住む幼なじみの5人。いつも本を読み誰よりも大人びていた真...

堤防の土中から人骨があると通報を受けた。警察が調べた結果、これは理科の教材や医療機関の見本などに用いられる骨格標本であることがわかった。 小さな地方紙の記事を目にした、豊は29年前のあの日の出来事を思い出した。 四国の田舎に住む幼なじみの5人。いつも本を読み誰よりも大人びていた真美子が立てた計画。子供らしくない発言や突拍子もない行動をする真美子だったが、それはいつの時も幼なじみの我々をわくわくさせる物だった。 大嫌いだった担任の鼻を明かす為に、研究授業の前日に理科室の骨格標本を盗みだす。 それをリュックに詰めてバスに乗り、山の中に埋めたのだ。 その時も真美子が造ったという「骨を弔う詩」を唱えた。 その地方紙を見た時に、何故だか本当はあれは人骨だったのでは無いか?と思った豊はいてもたってもいられずに、東京に住む哲平に連絡をとる。 哲平との再会をきっかけに、震災で家族を津波で亡くし1人宮城に暮らす正一、議員の妻になった京香の元を訪ねて29年前の記憶をたどっていく。 今更どうして、何の為にと仲間や自分自身も自問自答しながらも、どうしても諦めきれない豊。 そんな時京香から真美子は19歳で病死したと聞かされる。 豊と再会した事で、忘れかけていた四国での懐かしい思い出に、自暴自棄になっていた正一や、夫のDVに耐えていた京香、結婚から逃げていた哲平のそれぞれが自分を見つめなおし始める。 まるで亡くなってからも、真美子に物語の結末に導かれているように。 幼なじみが皆憧れていた、年上の琴美。隣の家に住む優しい老夫婦の徳田家。当時、イノシンの肉を大量に放置し異臭騒ぎとなった徳田家。民生委員であった豊の父はその片付けに借りだされた。あんなに優しかった徳田さんが荒れた生活をし皆と距離をおくようになった時期、琴美の働く競輪場でお金の管理をしていた原口という男が、金を持ち逃げして行方をくらませた。 あの時期に一体何が起きていたのか・・・ 真美子が伝えたかった真実とは・・・ 私は地元を離れて、幼なじみと言える友人とは久しく連絡はとっていない。 両親が亡くなり地元に帰ることもないので余計に疎遠かも知れない。 それぞれ家庭を持ち、遠くに暮らしたり、バラバラになり新しい付き合いがはじまり、あの時の感覚で話してみたら何か物凄い違和感を感じたりして。 中年4人があの時の骨を探しに山へ行くくだりは羨ましくなった。 アナグラムの伏線もあり最後まで楽しめた。

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2021/08/14

ちょっとおまけの★4つかなぁ。 宇佐美まことは読ませるんだけれど、ちょっとセンセーショナルなんだよなぁ。 設定が強烈過ぎて・・・ も少し穏やかでもいい気がするんだけれど、推理系だからかなあ。 とはいえ、面白かったし、終わりが救われる、ちょっと良すぎる感もあるが。 狂言回しの豊と父...

ちょっとおまけの★4つかなぁ。 宇佐美まことは読ませるんだけれど、ちょっとセンセーショナルなんだよなぁ。 設定が強烈過ぎて・・・ も少し穏やかでもいい気がするんだけれど、推理系だからかなあ。 とはいえ、面白かったし、終わりが救われる、ちょっと良すぎる感もあるが。 狂言回しの豊と父親の関係とか、それぞれの人間関係、抱えている事情、盛り込み過ぎの感もあったが、ちゃんと回収していて読後感は悪くない。

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2021/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィクションとわかっていても、正一の境遇には胸が痛み、読み進めるのが困難だった。 この本の中ではフィクションでも、現実世界で同じような境遇にあった人がたくさんいるのを間接的にだが知っていたので。 小説自体は中盤まで面白かった。 骨の正体は早めにそうだろうなと検討がついたのであとは答え合わせとして読み進める。 野山の豊かな故郷があるのは羨ましい。 作者の名前が本の中に出てくるのが苦手なのでちょこちょこ現実に戻り戸惑う。 図書館で借りてよかったという感想

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2020/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 冒頭の作者自身の登場が、そういう風に伏線になっているとは。非常に唐突な感じがして?だったのだが。これならね。

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