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東京日記 1+2 の商品レビュー

3.5

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2019/01/06

とても面白かったです。川上弘美さんの3年+3年。 五分の四くらいは本当、と書いておられましたが、川上さんが書かれるうそばなしのような、ゆるゆるとぼやぼやと奇妙な日々です。 どうやったらこんな面白い毎日になるんだろう…川上さんはちょっと大変そうだけど、と思いながらふふっとなってしま...

とても面白かったです。川上弘美さんの3年+3年。 五分の四くらいは本当、と書いておられましたが、川上さんが書かれるうそばなしのような、ゆるゆるとぼやぼやと奇妙な日々です。 どうやったらこんな面白い毎日になるんだろう…川上さんはちょっと大変そうだけど、と思いながらふふっとなってしまいました。 ○○の分野のベスト3という類のものを選ぶのが不得意でしょうがない、という川上さんに勝手に親近感を覚えます。 あと、「ビロウな話」の「ビロウ」が漢字だというのを知りました。「尾籠」。でもビロウの意味はいまいちわからない。

Posted byブクログ

2018/10/18

日記文学として有名なものに 「紫式部日記」や「和泉式部日記」 「更級日記」に「土佐日記」などがありますが、 最も多くの人に読まれた日記のひとつとして、 すぐに「アンネの日記」が思い浮かびます。 とはいえ、 ふつうは他人の日記に 興味を抱くようなことはありません。 ほとんどの場合が...

日記文学として有名なものに 「紫式部日記」や「和泉式部日記」 「更級日記」に「土佐日記」などがありますが、 最も多くの人に読まれた日記のひとつとして、 すぐに「アンネの日記」が思い浮かびます。 とはいえ、 ふつうは他人の日記に 興味を抱くようなことはありません。 ほとんどの場合が、 プライベートな記録か、 はたまた個人的な感傷に終始していて、 面白くもなんともないと予想されるからです。 でも、弘美さんの「東京日記」は、 とても面白く、しかもすんごくチャーミングです。 小説家としての文才はもちろん、 お人柄でしょうネ。 なんだかほっこりいたしましたぁ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

Posted byブクログ

2018/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんか不思議な面白さがあってさくさく読んでしまった。 現実感があるような、ないような、でも五分の四くらいほんとうの日記ってあるからほんとうなんだろう。 淡々と楽しく日常を送ってる川上さん。 ますます好きななった。 ”あら、よくってよ”私もこのセリフ、(まるで小津安二郎の映画みたい)妙に使ったみたくなった。

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2018/08/07

不思議でどこか懐かしい、ゆるゆるな日常。 4/5くらい本当らしい。でも日記を書くとそうなりそう。特に、発表するとわかっているものは。不器用で、優しくて、痛々しいところも、楽しいところもある日常。激しさはあまり感じられないけれど、ちょっとしたことが拾われている。さくっと読める作品...

不思議でどこか懐かしい、ゆるゆるな日常。 4/5くらい本当らしい。でも日記を書くとそうなりそう。特に、発表するとわかっているものは。不器用で、優しくて、痛々しいところも、楽しいところもある日常。激しさはあまり感じられないけれど、ちょっとしたことが拾われている。さくっと読める作品だった。

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2018/08/01

七月某日  晴れ 猛暑 とにかく暑い。外にでて何かしようという気分にならない。 こういう日は部屋で寝そべって本の頁をめくるに限る。川上弘美さんの「東京日記」を手にとる。 「センセイの鞄」や「古道具 中野商店」など独特の空気感で、小説を読むことの楽しさを味あわせてくれる人だ。 本...

七月某日  晴れ 猛暑 とにかく暑い。外にでて何かしようという気分にならない。 こういう日は部屋で寝そべって本の頁をめくるに限る。川上弘美さんの「東京日記」を手にとる。 「センセイの鞄」や「古道具 中野商店」など独特の空気感で、小説を読むことの楽しさを味あわせてくれる人だ。 本書は、数年にわたり、川上さん自身の身辺で起こった事柄を、日記という形でまとめたものだ。 核となる出来事は事実だろうけれど、(ご本人も4/5は実際にあったことと言っておられる)その空気感そのままに、カワカミさんと一緒に想像の世界に遊ぶことができる。 例えばこんな感じだ。 ◆三月某日 晴  あたたかな日。  朝、「桜が咲いてますよ、一分咲ですけど、咲いてますよ」という電話がかかってくる。  受話器を持ったまま窓を開け、百メートルほど先にある桜並木のあたりを眺めると、昨日まではひんやりと沈んでいた桜のまわりが、今日は薄赤くはなやいでいる。  「咲いてますね」と喜ぶと、相手も「咲いてますでしょう」と喜んだ。  数十秒ほど黙ってお互いの場所の桜を眺めあい、それからそっと電話を切る。 ◆八月某日 晴  浅草に泊まりに行く。  東京に住んでいるのに、めったに都心に出ない。「銀座ってどんなところ」と、ある日こどもに聞かれてそのことに気づき、ここは一つ東京見物さ行くべい、と思いたったのである。  こどもたちと一緒に、六区のあたりをそぞろ歩く。花やしきでは、お化け屋敷に入る。豆かんを食べ、お寺にお参りし、芋ようかんを買う。太鼓の博物館に入場し、太鼓をでこでこ叩く。  「東京はどうかね」  こどもたちに聞くと、しばらく首をかしげていたが、やがて「東京は、すごいね」と小声で答えた。不憫になる。 日記が身辺雑記であると同時に、本の頁にはさんだ押し花のように、その時々で揺れる気持ちを留めおいてくれる装置だということを改めて認識させてくれる。 少しだけ、暑熱が奪われて体のなかを風が通りすぎていく気分。

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2018/07/02

単なる日常をふわっと書いてあるだけなのに,その中に光る情緒と,他者とは明らかに異なる感性が重厚に迫ってくる.

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2018/06/21

単行本2冊分が合本で文庫化。 何処か不思議な日常生活を垣間見ているような気分になるエッセイ集だった。『1+2』とあるので、『3+4』も出て欲しいなぁ……。

Posted byブクログ