水中翼船炎上中 の商品レビュー
穂村さんのエッセイが大好きで色々読んでいる。 シンジケートを読んだ。正直難しかった。 穂村さんの短歌入門の本を読んだ。短歌に興味が出た。 満を持して?一番新しい歌集を読む。 ・子供目線の歌では、懐かしさを感じる空気感。夏休みや年末年始の特別なワクワク。 約束はしたけどたぶん守れ...
穂村さんのエッセイが大好きで色々読んでいる。 シンジケートを読んだ。正直難しかった。 穂村さんの短歌入門の本を読んだ。短歌に興味が出た。 満を持して?一番新しい歌集を読む。 ・子供目線の歌では、懐かしさを感じる空気感。夏休みや年末年始の特別なワクワク。 約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき ・父母の歌も。何か言いたいけど言えない?結婚に関して? カレンダー捲られぬまま「幸せは洗う茶碗が二つある」とぞ ・連作「火星探検」はお母さんが亡くなったのか?義祖母の葬儀を控えた夜に読んだため、リアルに切なく感じた。 ゆめのなかの母は若くてわたくしは炬燵のなかの火星探検 ・最後にメモがあって驚いた。この本自体がお母さんの死と向き合う過程のように感じる。一度子供に還り、母の愛を再度受け取った?
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「髪の毛がいっぽん口にとびこんだだけで 世界はこんなにも嫌」 「壜詰のアスパラガスのなんだろうこの世のものではないような味」 最後の嫌と味がすごくいい漢字、感じなのです。 まだまだじっくりじっくり読みたいです。 ずっといつまでも
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装丁がとにかく可愛くてずっと買うか迷っていた短歌集。作者の小さい頃から今現在までを全て短歌にした感じ。小学生の時のことを読んだ歌には懐かしい!分かる!って結構なった一方で全く理解共感ができない歌もあったし割とそっちのほうが多かった。短歌を面白く感じるかどうかも生きてる時代や経験し...
装丁がとにかく可愛くてずっと買うか迷っていた短歌集。作者の小さい頃から今現在までを全て短歌にした感じ。小学生の時のことを読んだ歌には懐かしい!分かる!って結構なった一方で全く理解共感ができない歌もあったし割とそっちのほうが多かった。短歌を面白く感じるかどうかも生きてる時代や経験したことの差が関わってくるんだろうな。性愛の歌割と読むの好きなんだけどこの人の歌はセックスってドストレートに入れて読んでくるから正直好みではなかった。その歌に限らず私はこの人の読んだ歌が好きと言うよりは、この人が選んだ他の人の短歌が好きなのかもしれない…と少し思ってしまった。「応答せよ、シラタキ、シラタキ応答せよ、お鍋の底のお箸ぐるぐる」「ナタデココ対タピオカの戦い止めようとして死んだ蒟蒻」読んでてクスッときた。あとがきの人間の心は時間を超える。って文が印象に残った。
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ベルがモットさん、張飛さんのレビューで存在を知った穂村弘さんの歌集。ありがとうございます。 去年の誕生日に(9月です)買ったけれど、ずっと積んでいました。 装丁が名久井直子さんで、表紙デザインは構成要素が微妙に異なる3×3=9パターンあるそうで凄くかっこよくて豪華なデザインです...
ベルがモットさん、張飛さんのレビューで存在を知った穂村弘さんの歌集。ありがとうございます。 去年の誕生日に(9月です)買ったけれど、ずっと積んでいました。 装丁が名久井直子さんで、表紙デザインは構成要素が微妙に異なる3×3=9パターンあるそうで凄くかっこよくて豪華なデザインです。 以前拝読した『シンジケート』では穂村さんの歌は生活感が希薄で前衛的な感じを受けた記憶がありますが、この歌集は穂村さんの今まで歩いてこられた生活の軌跡だと思いました。 年代別の構成になっています。 出発(現在) <お天気の日は富士山がみえますとなんどもなんどもきいたそらみみ> <白い息吐いて坂道さくさくとしもばしらしもばしらすきです> 楽しい一日(子供時代) <食堂車の窓いっぱいの富士山に驚くお父さん、お母さん、僕> (現在との対比が泣けます) <鳥と樹は仲がいいのか午後二時のひかりのなかに遊びつづけて> にっぽんのクリスマス(子供時代 冬) <銀紙のかたまりっぽくみえたのは聖なる夜のこどものお酒> 水道水(子供時代 夏) <ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の上で眠っています> チャイムが違うような気がして(思春期へのカウントダウン) <「中一コース」年間購読予約して万年筆をもらえる春よ> <約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき> 二十世紀の蠅(昭和の終焉から二十一世紀へ) <天皇は死んでゆきたりさいごまで贔屓の力士をあかすことなく> <超長期予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り> 家族の旅(二十一世紀初頭のパラサイトシングル像) <犯人が崖から墜ちて、母は云う、あれ、あのひとは死んだのかい> 火星探検(母の死) <今日からは上げっぱなしでかまわない便座が降りている夜のなか> 新しい髪型(その後) <死ぬ前に登ってくると父さんが出かけていった快晴の朝> ぶご(その後) <わはははと手を打ち終えた瞬間にぶごといびきをかいている父> 水中翼船炎上中(再び現在) <今日は息子に「ひかげ」と「ひなた」を教えたというツイートが流れる夜は> <すれちがう人が水着で自転車を漕いでいるから海なんだろう> <かりかりと猫が何かを食べている その横を抜けて燈台へ 蝉>
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この言葉の並びこの音この韻文でしか表現することのできない説明不能の何か ただそれは本当に実感として何かを感じさせる 率直にこういうのあるなーっていう歌もはさまれているし 夢のような時間というか時間は夢として流れていくな
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
五七五七七。三一文字 の歌ひとつで、 心はいとも簡単に時空 を飛び越えますね。 どんなに懐かしくても もう戻れないあの頃。 今生きているこの時を いつか懐かしいと思う 時がきて、 それは黄昏時のように 一瞬の美しさだったと 知る。 人生は、ただただその 繰り返し。 心に響いた歌を以下に いくつか抜粋─ 『遠足のおにぎりここで食べようかあっちがいいか 吹いている風』 『仏様の御飯かぴかぴ固まってころんと落ちる台風一過』 『クリスマスの炬燵あかくておかあさんのちいさなちいさなちいさな鼾』
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☆ベルガモット☆のレビューを読んで気になって読んだ。人気歌人、穂村弘の第四歌集。想像世界へのまなざしにあふれた凄く面白い歌集だ。著者の少年時代の思い出を詠んだ短歌も多くあった。いくつか紹介したい。 “なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間” “先生がいずみ...
☆ベルガモット☆のレビューを読んで気になって読んだ。人気歌人、穂村弘の第四歌集。想像世界へのまなざしにあふれた凄く面白い歌集だ。著者の少年時代の思い出を詠んだ短歌も多くあった。いくつか紹介したい。 “なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間” “先生がいずみいずみになっちゃってなんだかわからない新学期” “「大切なお知らせ」の白い封筒が夜のピアノの足下にある” “くてんかなとうてんかなとおもいつつ。をみつめている風の夜” “髪の毛がいっぽん口にとびこんだだけで世界はこんなにも嫌” “超長期天気予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り”
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共感できる短歌とできない短歌が半分ずつくらい。 字余りが多いのが気になりました。 印象に残った歌は、 「ちちははが微笑みあってお互いをサランラップにくるみはじめる」 「サランラップにくるまれたちちははがきらきらきらきらセックスをする」 …これ、どういう状況なんでしょうか? あ...
共感できる短歌とできない短歌が半分ずつくらい。 字余りが多いのが気になりました。 印象に残った歌は、 「ちちははが微笑みあってお互いをサランラップにくるみはじめる」 「サランラップにくるまれたちちははがきらきらきらきらセックスをする」 …これ、どういう状況なんでしょうか? あと、 「舌の裏に置いたり腋に挟んだり肛門に挿したりのミサイル」 もフフっとなって好きでした。
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第23回若山牧水賞 受賞 (2018.10.31)なさってます。 名久井直子さん装幀は微妙に異なる9種類というこだわり。背表紙は藍色に金色の字で古文書のように美しくて隅々まで見てしまう。 穂村さん四冊目の歌集。本の題名の理由はあとがきに触れています。未来や永遠への挑戦歌なのでしょ...
第23回若山牧水賞 受賞 (2018.10.31)なさってます。 名久井直子さん装幀は微妙に異なる9種類というこだわり。背表紙は藍色に金色の字で古文書のように美しくて隅々まで見てしまう。 穂村さん四冊目の歌集。本の題名の理由はあとがきに触れています。未来や永遠への挑戦歌なのでしょうか。 現在から子ども時代、思春期、昭和から平成へ変わる時期、実家暮らし、ご両親のこと、そして現在を詠った歌、穂村さんの人生タイムマシンに乗っているような時空を超えた濃厚な時間。特に思春期の歌は昭和ノスタルジーあふれる歌でうっとりしたり、その世代独特の感性を思い起こさせるようなドキッとする歌ばかりで付箋だらけ。副題も素敵。 切り取り方が安定の斬新さ、場面の注視から世界が一転する展開へ、視点が変わる歌が心地よい。絶妙な効果でオノマトペやカタカナが使われ音読が愉しい。 家族の歌は、本当に切なくてご両親への愛がひしひしと伝わって心に染みてきます。ファンタジーなほむほむワールドとは違うユーモアの中の哀愁という一面が見えて、自分事としての親との関係性を同性代なら共感してしまうような歌ばかり。もったいないのでこちらでは紹介しないでおきます。(穂村さん好きな皆さんにぜひ読んで欲しいです。) ブラウン管にぺたっとつけた足の裏 みんみんみんみんみんみん蝉が (ブラウン管のあるお茶の間の風景、真夏の気だるさを裸足の裏と蝉の鳴き声で象徴づける) ひまわりの顔からアリがあふれてる漏斗のようなあおぞらの底 (あおぞらにそびえるひまわりを漏斗とたとえ、アリのうごめく姿(タネを見立ててる?)に悲鳴をあげそう) スイミングスクールへゆく透明のバッグのなかの抜け殻の蝉 (水泳教室通うバッグに蝉の抜け殻があるなんて、整理整頓できない穂村少年 お世話したくなる) カルピスと牛乳まぜる実験のおごそかにして巨いなる雲 (穂村さんカルピスお好きですよね 白の連想が素敵) それぞれの夜の終わりにセロファンを肛門に貼る少年少女 (皆一斉に検査している夜の様子をこんな風に詠うなんて凄すぎる!!お尻もぞもぞあの感触蘇るよう) 月曜ロードショーの翌朝僕たちは、アチョー、ホアタ、と吠えつつ跳ねる (戦闘格闘もの好き穂村さん 弱そうだけどそこも魅力) 天皇は死んでゆきたりさいごまで贔屓の力士をあかすことなく (昭和の終焉の表現がお見事。) 超長期天気予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り (超統計学的穂村誕生美学) なにひとつ変わっていない別世界 あなたにもチェルシーあげたい (お菓子の歌を作りたくなります BGMがこだまする)
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ああ、だいすきだわ。コトバで一瞬を永遠にするってすごいことだなーって思う。今まで短歌とか詩とか、良さが分からなかったんだけれど、しみじみと感じれるようになってきたなと思います。「人生いろいろあるから」って熱気ある胡散臭いことを言う人も味があっていいと思うんだけど、日々の些細な動き...
ああ、だいすきだわ。コトバで一瞬を永遠にするってすごいことだなーって思う。今まで短歌とか詩とか、良さが分からなかったんだけれど、しみじみと感じれるようになってきたなと思います。「人生いろいろあるから」って熱気ある胡散臭いことを言う人も味があっていいと思うんだけど、日々の些細な動きとか表情とかを描写してくれるのは、すごく好きだなーって思う。救われたとかは、あんまりないけど、ありがとうって思えるんだよね、書いててくれて、生きててくれて。あなたに、書いてほしいって、生きててほしいって思われるのは最高の褒め言葉だ
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