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パールストリートのクレイジー女たち の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2021/10/23

著者トレヴェニアンのニョーヨーク州オールバニーの貧民街でのたくましい少年時代。 迫り来る第二次世界大戦の中での環境の変化。戦時中のアメリカも食料の配布、金属の供出など日本と同じような状況があった。

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2021/06/06

作者の自伝的小説。時代は、第二次世界大戦直前から終戦までの米国。最下層の白人が住むパールストリートのアパートに引っ越してきた「僕」と母、妹のアン・マリー。待っているはずの父親は現れなかった。児童手当をもらいながら生き抜く母子や、ストリートの住人たちを描く。 著者の事は知らず、訳...

作者の自伝的小説。時代は、第二次世界大戦直前から終戦までの米国。最下層の白人が住むパールストリートのアパートに引っ越してきた「僕」と母、妹のアン・マリー。待っているはずの父親は現れなかった。児童手当をもらいながら生き抜く母子や、ストリートの住人たちを描く。 著者の事は知らず、訳者の江國香織に引かれて読んだのだが「アイガー・サンクション」の著者だった。思った以上に波乱万丈の日々だった。七十歳を過ぎて亡くなる前年に書かれている。

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2020/08/15

何の気なしに手に取ったのだけど、 こんな面白い小説読んだことないってくらい面白かった。 ここまで物語の世界に没頭したのはハリー・ポッターぶりくらいかも。 訳者の江國さん言うところの「ディテイル」に満ちた、アメリカのスラムのリアルな生活描写が一番の魅力。 決してきれいな景色ではな...

何の気なしに手に取ったのだけど、 こんな面白い小説読んだことないってくらい面白かった。 ここまで物語の世界に没頭したのはハリー・ポッターぶりくらいかも。 訳者の江國さん言うところの「ディテイル」に満ちた、アメリカのスラムのリアルな生活描写が一番の魅力。 決してきれいな景色ではなくて、酔っ払いや不良や、噂好きの住民たちに満ちた「掃き溜め」のような場所。 しかしそんな中、主人公リュークの目線で語られる母や妹との暮らしは、貧しいけれど工夫とユーモアに満ちていて温かい。 主人公のリュークは賢く機知に富んだ素晴らしい少年で、環境のせいで働かざるを得ないのが本当に痛々しい… 寒い冬は4時台に起きて、ボイラーの火を起こしてから新聞配達へ行き、夏は荷物運びや芝刈りをして小銭を稼ぐ。家事もするし病気がちな母親の看病もする。 母への愛情と、一方で母の期待と重圧から自由になりたいという思いが小さい頃から同居している。そのあたりの心理描写も本当に見事で、この小説の後のリューク(=トレヴェニアン?)の物語が読みたい位だった。 少しずつ読んでいたけれど、後半はページをめくる手が止まらなかった。 1本の長編映画を観たような素晴らしい読後感。 他のトレヴェニアン作品も読んでみたいです。  

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2020/03/14

江國さんが「とてもおもしろい」「言葉が美しい」とおっしゃっていて、とても久しぶりに外国文学を読んだ。 まず、江國さんらしさを感じなかったところがとてもよく、素晴らしい。 それぞれの登場人物の人生が興味深く、愛着が湧く。 人は、いつでも誰かと関わりたいのだと、感じた。

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2019/09/09

190909*読了 この自伝的小説を書き上げたトレヴィニアンにも、彼の最後の長編を訳された江國さんにも尊敬の眼差し。 わたしの一番好きな小説家は江國さんなので、この本を手に取ったきっかけも江國さんの訳した文章が読みたかったから。訳文からにじみ出る江國さんらしさ(江國ファンなら分か...

190909*読了 この自伝的小説を書き上げたトレヴィニアンにも、彼の最後の長編を訳された江國さんにも尊敬の眼差し。 わたしの一番好きな小説家は江國さんなので、この本を手に取ったきっかけも江國さんの訳した文章が読みたかったから。訳文からにじみ出る江國さんらしさ(江國ファンなら分かるはず)と、トレヴィニアンが描くパールストリートでの暮らし、そして第二次世界大戦時のアメリカ! ハラハラドキドキする出来事が起こるわけではなく、一人の少年がパールストリートで成長していくストーリー。それも前向きに果敢に生きて、人間として尊敬すべき人物になる、とかそういう成長譚じゃなく、少年が言葉の通り、歳をとって成長するお話です。欧米(と、一括りにしてはいけないのかもしれないけれど)の小説ってそういう話ですらおもしろい。日本の小説とはまた違う感じが好きで、時々読みたくなります。 自分の幼少期とあまりにも違うこともそうだし、10歳の子どもがここまでたくましく生きられるのかという驚きも感じました。毎日の通勤時間、わたしの脳内が一瞬にして当時のアメリカにタイムスリップ及びワープする、そんな小説でした。 そして、決して裕福ではなく、不幸にも感じられる境遇で生きてきたにもかかわらず最終的に、幼少期からの空想家が小説家になるなんて!なんてこった!小説家になりたくてなったというより、ずっと昔からしてきたこと、自分の特性からできることをやってきた結果、なるべくして小説家になったんだろうな。それを天職というのかもしれませんね。

Posted byブクログ