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税理士・弁護士が知っておきたい滞納処分の基本と対策 の商品レビュー

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2020/08/08

税金の滞納処分に関わる実務について解説された書籍。国税通則法、国税徴収法といったあまり馴染みがない分野であるが、国税収入の確保は国家財政にとって根幹にかかわる事柄なので、一度はしっかり理解しておきたいものだ。滞納処分について基礎的なところから解説されており、初学者でも理解しやすい...

税金の滞納処分に関わる実務について解説された書籍。国税通則法、国税徴収法といったあまり馴染みがない分野であるが、国税収入の確保は国家財政にとって根幹にかかわる事柄なので、一度はしっかり理解しておきたいものだ。滞納処分について基礎的なところから解説されており、初学者でも理解しやすい内容だ。 はしがき わが国は、財政収入のほとんどを「税」に頼る租税国家体制を採用しています。この租税国家体制のもと、このような租税·公課の滞納は、国家を揺るがしかねない重大な問題であることはいうまでもありません。しかし、この租税·公課は、一般債務と異なりどうしてもその対応が後回しになりがちです。それゆえ、これら租税·公課の徴収には、その徴収職員に自力執行権をはじめとしたさまざまな権限が認められています。そして、これらの滞納手続を定めた法律が「国税徴収法」です。この国税徴収法の制定に携われた故我妻栄博士は、その解説書「新国税徴収法精解』(大蔵財務協会、1960)の「序」において、わざわざ「ぜひ述べておかなければならないこと」 として国税徴収法の執行を、「よく切れる刀を持つ者が必要以上に切らないように自制することは、すこぶる困難である。不必要に切ってみたい誘惑さえ感ずるものである」と、国税徴収法を「よく切れる刀」と表現しています。さらに「徴税当局がこれらの制度の運用に当っては慎重の上にも慎重を期することが、当然の前提として諒解されている」 と述べられています。 P87 2 課税割合 法定納期限の翌日からその国税を完納する日までの期間に応じ、未納国税に対して年14.6%(納期限までの期間または納期限の翌日から2ヶ月を経過するまでの期間については年7.3%)の割合で計算します (国通法60②)。 ただし、各年の特例基準割合が7.3%の割合に満たない場合、その年中においては、年14.6%の割合は、「特例基準割合+7.3%」に、年7.3%の割合は、「特例基準割合+1%」となります (措置法94①)。 期限後申告書(国通法18)または修正申告書(国通法19) を提出した場合には、原則として、その期限後申告書または修正申告書を提出した日がその納期限(具体的納期限)となります。したがって、その納期限までの期間お よびその後の2ヶ月間は、年7.3%の割合で計算されることになります。なお、この場合にも、特例による延滞税の割合が適用されます。 更正処分(国通法24)または決定処分(国通法25)を受けた場合には、その更正通知書または決定通知書が発せられた日の翌日から1ケ月を経過する日が納期限(具体的納期限)になります。その納期限までの期間およびその後2ヶ月間は、年7.3%の割合で計算されます。なお、この場合にも当然、特例による延滞税の割合が適用されます。 一般的には、法定納期限前に納付すべき税額が確定するので、法定納期限と具体的納期限は一致します。しかし、修正申告書を提出した場合、更正処分を受けた場合など、法定納期限後に納付すべき税額が確定する場合には、個別に具体的納期限として規定しているので両者は異なります。 また、法定納期限は、納税義務の消滅時効および延滞税の計算期間について、それぞれその起算日を定める基準となり(国通法72①、60)、具体的納期限は、納税義務を履行すべき期限となるほか、情務不履行の場合に督促状を発送する基準日となります(国通法37②)。

Posted byブクログ