WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. の商品レビュー
僕は村上春樹の一番の傑作は「風の歌を聴け」だと思う。 他の作品は「?」も多いが、これだけは穴が開くほど読んだ。デレク・ハートフィールドのくだりなんて最高だと思う。けれど「この本が好きだ」と、いの一番に言う人にはあまり会ったことがない。 ところがどっこい、コルク代表の佐渡島傭平...
僕は村上春樹の一番の傑作は「風の歌を聴け」だと思う。 他の作品は「?」も多いが、これだけは穴が開くほど読んだ。デレク・ハートフィールドのくだりなんて最高だと思う。けれど「この本が好きだ」と、いの一番に言う人にはあまり会ったことがない。 ところがどっこい、コルク代表の佐渡島傭平さんがそうだというから我が意を得たり…というミーハーな私。これもまた、本書の描く「現代のコミュニティ像(と、その形成スキーム)」の例に、見事に当てはまるのだろう。 本書、佐渡島さんの記した「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」の中身の議論は、これまでも幾多のメディア/広告の評論のなかで繰り返し語られてきたことであり、とりたてて新しい視点はない。ただ「実践者としての言」という点で、ズドンと腹落ちする圧倒的な重みがある。 この20年間「インターネットだ」「SNSだ」「紙の時代じゃない」という類の、〇〇原理主義的な議論が続いており、いまだにあちらこちらで聞くけれど(今日もちょうど“ビッグワード”としてのSNS原理主義に出会った)、いくら媒体の話だけをしたところで本質をとらえた議論にならない。 メディアと人間の心理は再帰的な関係があり、お互いがお互いを変質させ、今も過渡期にある。本当につかまなければならないのは、まさに今、現在のメディア環境の中で「本能的に私たちひとりひとりが何を求めているか?」であって、技術論はそのあと。 それが著者のいう「安心、安全な共創のコミュニティ」であり、コンテンツを作る側は母集団を起点に外へと広げていく。その経路を、現代のメディア環境にあわせて、できるだけ“なめらか”に設計する…言うが易し、ではあるが。 人々は、やはりJelly Garciaのギターソロを聴きにライブに足を運んだわけではなく、Grateful Deadというバンドを取り巻くコミュニティに参加することで満足を得ていた、と。糸井重里監修(2011)「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、いまだにちゃんと真実であり続ける。 副題として添えられている「現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」。これから地方が「持続可能な農村自給圏」の形を探っていくうえで、とても示唆的なキーワードのように見える。 人々はなぜ、今もまだ孤独なのだろうか?
Posted by
世代間の違いやコミュニティーの構造と、色々世代によるギャップなど、普段感じていることがだいぶすっきりした。世代の変化も「なめらか」なわけだけど、思ったより上の世代だった!?どちらかというと下の世代よりの思考かと思ってたのに。
Posted by
インターネットの普及で多くの人は自由を手に入れたが、孤独に陥り、安心を確保できていない人もいる。 コミュニティは昔からあったが、その果たす役割や存在意義は変わってきている。 ここにいていいと思えるコミュニティがあることで人は強く生きられる。
Posted by
インターネット時代のこれからを生きる上で持つべき重要な価値観が網羅されていました。 本の余白にメモを書きまくったのは初めてで、それほど考えさせられる内容でした。 「熱狂しろ!」「ハマれ!」の言葉をよく聞くようになりましたが、それだけだとのたれ死ぬケースも多々出るんじゃないかと悩ん...
インターネット時代のこれからを生きる上で持つべき重要な価値観が網羅されていました。 本の余白にメモを書きまくったのは初めてで、それほど考えさせられる内容でした。 「熱狂しろ!」「ハマれ!」の言葉をよく聞くようになりましたが、それだけだとのたれ死ぬケースも多々出るんじゃないかと悩んでいた僕にとって、腑に落ちる熱狂理論でした。言葉に踊らされる前に、思考の言語化が大事だと思っている方は、この本を強くお勧めします。 キーワード なめらかな社会、安全・安心の確保、信仰・信用・信頼、学校型とフラットな構造、納品主義とアップデート主義
Posted by
コミュニティのつくり方。 何に熱狂しているのか。 その熱狂の広め方。 いま、やらなければいけないこと!
Posted by
あまり著者のことを知らなかったが、あらためて「ファンコミュニティ」の必要性と考え方、作り方について解説している良書でした。
Posted by
固有名詞が持つ意味が読者によって違いすぎるので、アイデンティティを表現する手法として使いづらくなっている 2000年と2020年では情報量は6450倍 ネットはマイノリティの孤独を癒したが、マジョリティが孤独を感じるようになった 大ヒットしないように気をつける じゃなきと、...
固有名詞が持つ意味が読者によって違いすぎるので、アイデンティティを表現する手法として使いづらくなっている 2000年と2020年では情報量は6450倍 ネットはマイノリティの孤独を癒したが、マジョリティが孤独を感じるようになった 大ヒットしないように気をつける じゃなきと、次の作品のファンになってくれない 楽天は商店街。コミュニティ。 何を安心安全と捉えるかは人によって違う 納品主義でなく、アップテード主義へ 箕輪さんが、与沢翼のネオヒルズ族の編集してたとは知らなかった。笑
Posted by
ものすごく身近だけど、あまり意識していないコミュニティ。正直、読むまで何の本なのかわかってなかった。現代の生き方の本だった。 新人をチームに放り込んで、しばらくしたら、まわりが自分をよく思っていない、と言い出した。特に誰も意識していなかったが、特に何もしないことが、新人からは敵視...
ものすごく身近だけど、あまり意識していないコミュニティ。正直、読むまで何の本なのかわかってなかった。現代の生き方の本だった。 新人をチームに放り込んで、しばらくしたら、まわりが自分をよく思っていない、と言い出した。特に誰も意識していなかったが、特に何もしないことが、新人からは敵視していると感じていたのだった。まさに、安全・安心が確保されていない状態。反省した。 自分がしていることは、まだ古いやり方が多い。現代的なコミュニティも自分の周りにあるが、なぜ人間が増えていかないのかは、この本に書かれていた。やはり時代の変化への対応力が大切だと感じた。
Posted by
インターネットを媒介とした新たなコミュニティーベースの潮流の渦中で試行錯誤を続ける佐渡島氏の著書。コルクのコミュニティを通して仮説をまわしているから、リアルな世界を垣間見ることができる。アタマの固くなったひと、ビジネスモデルが通用しなくなったと焦っているひとが読むとよいかも。
Posted by
刺さるわ刺さるわで。脳みそプルプル震えた。作者のありのままをオープンにする事で応援したくなる、これからの成長の過程を一緒に楽しみたくなる。これがアップデート主義か。コミュニティを見る目が変わった。感謝!
Posted by