向こう側の、ヨーコ の商品レビュー
+++ 独身を謳歌する陽子には幼い頃からよく見る夢があった。それは、もう一人の私、かわいそうなヨーコが出てくる夢。一方、夫と子供の世話に追われる陽子は愚痴ばかりこぼす毎日を送っていた。境遇の異なる二人の陽子の人生が絡み合う、イヤミスの傑作! +++ あの時、違う選択肢を選んでい...
+++ 独身を謳歌する陽子には幼い頃からよく見る夢があった。それは、もう一人の私、かわいそうなヨーコが出てくる夢。一方、夫と子供の世話に追われる陽子は愚痴ばかりこぼす毎日を送っていた。境遇の異なる二人の陽子の人生が絡み合う、イヤミスの傑作! +++ あの時、違う選択肢を選んでいたらこうなっていただろう、というパラレルワールドを生きる自分を夢に見るA面の陽子と、B面のパラレルワールドのなかの陽子の物語が、交互に描かれている。初めはその違いははっきりしているのだが、物語が進むにつれて互いに浸食しあい、影響しあってくる印象である。なので、いまどちらの面にいるのか、ふと判らなくなり、めまいに似た気分になることが時々あって混乱させられる。分岐した世界であるはずなのに、人間関係も時としてもつれ合っていて、夢遊病のように、あちらとこちらの世界を行き来しているのではないかと思わされることも、ことに後半ではたびたびある。陽子がどんどん追い詰められていき、深みにはまっていく様は、見ていて痛々しく、どのエピソードも胸がささくれるようなものである。ラストの後味の悪さは格別で、自業自得ともいえるが、やりきれなさすぎる。登場人物の誰にも親近感を抱けない一冊である。
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独身で作家として成功した陽子と、平凡な主婦として暮らす陽子。時々夢に見る、違った選択肢を進んだ「もう一人の自分」。それぞれの「陽子」の世界で起こる事件を描いた、そりゃもうどろっどろのミステリ。 さすが真梨さん、女同士の嫉妬や羨望のどろどろ渦巻くさまがもう恐ろしくって仕方ありません...
独身で作家として成功した陽子と、平凡な主婦として暮らす陽子。時々夢に見る、違った選択肢を進んだ「もう一人の自分」。それぞれの「陽子」の世界で起こる事件を描いた、そりゃもうどろっどろのミステリ。 さすが真梨さん、女同士の嫉妬や羨望のどろどろ渦巻くさまがもう恐ろしくって仕方ありません。ないものねだりというか何というか、なぜそこまで他人を妬む? いいじゃんそこそこの幸せで満足してれば、って思うのだけれど。そうもいかないのかしら。おためごかしの「友情」も怖いし。 そして不穏さが高まり切ったところで起こる連続殺人。そこでようやく明らかになる、ふたつの世界の意味。真犯人が誰なのかということだけは見抜けたものの、それ以外は予想外で驚かされました。うわー、なんと邪悪なっ!
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向こう側のヨーコという作文がまず秀悦すぎてまんまと騙された。A面とB面とで分かれて進むパラレルワールド! かと思いきや…怖いなーバラバラにされたくない。 なかなかのイヤミスっぷりにラストくらくらした。
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独身を謳歌する陽子には幼い頃からよく見る夢があった。それは、もう一人の私、かわいそうなヨーコが出てくる夢。一方、夫と子供の世話に追われる陽子は愚痴ばかりこぼす毎日を送っていた。境遇の異なる二人の陽子の人生が絡み合う、イヤミスの傑作!
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