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火星に住むつもりかい? の商品レビュー

3.8

240件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    109

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

    5

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火星に住むつもりかい

とても面白かった。しかし500ページにも及ぶ長編なので、読むにはなかなかの根気がいる。ストーリーが二転三転するので緊張感とワクワク感を持って読めるし、伊坂幸太郎特有のラストの伏線回収は気持ちがいい。他の作品とも繋がりも感じられて満足だった。 お話としての面白さのみならず、登場人...

とても面白かった。しかし500ページにも及ぶ長編なので、読むにはなかなかの根気がいる。ストーリーが二転三転するので緊張感とワクワク感を持って読めるし、伊坂幸太郎特有のラストの伏線回収は気持ちがいい。他の作品とも繋がりも感じられて満足だった。 お話としての面白さのみならず、登場人物のセリフには考えさせられるものが多々あり、絶対再度読み直したい。 「火星に住むつもりかい?」の意味は、ぼくのりりっくのぼうよみによる解説を読むとよく理解できる。確かにニーチェ的な積極的ニヒリズムというにはかなり的を得た見解だと思う。

はむ

2024/08/05

善と悪をグラデーションで捕らえた作品。 魔女狩りのような規律化で秩序を維持しようとする平和警察の考えにも頷ける部分はあるが、やはり極端な制御とそれによる反発とは不可分な関係にあると思う。 楽観的かもしれないが、公権力がそれなりに緩く作用している日本だからこそ保たれている秩序も...

善と悪をグラデーションで捕らえた作品。 魔女狩りのような規律化で秩序を維持しようとする平和警察の考えにも頷ける部分はあるが、やはり極端な制御とそれによる反発とは不可分な関係にあると思う。 楽観的かもしれないが、公権力がそれなりに緩く作用している日本だからこそ保たれている秩序もあるんじゃないかなと。 ↓ SとSを束ねれば極力な磁力を生み出せるがその分反発も大きい。自然界では、両極端にあるSとNが近づくことで安定した状態が保たれている。だからこそ社会の考えも、一つに揃えない(揃わない)のが自然な状態だと私は思う。 無意志で群れる大衆に強い嫌悪感を抱いていたのに、 自分もあくまでその一員であると言う事実が恐ろしい。 このくらいしっかりとディストピア文学を読んだのは高校生の頃以来だ。若干ライトだなと感じる所はあったが面白かった。 亡羊の嘆

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2024/08/03

タイトルからは想像出来ないお話。 正義について考えさせられる1冊。 ちゃんと伏線回収して、伊坂幸太郎の話は安心して読める。面白かった。

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2024/07/15

伏線の回収は相変わらずお見事でした。 事件が次第に明らかになっていくにつれ、正義ってなんだろう?とか、集団心理の怖さのようなものを感じます。

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2024/06/20

これまで読んだ伊坂さんの作品とは一味違う内容でした。 『斬首』『魔女狩り』一般人の前で行われてきた処刑が現代でも行うことで犯罪を抑制する。 斬新な考えだけど、あるかもしれないと思う説明力はさすがです! また、事件について虫の生態と合わせて説明させることで尚理解しやすかったです!

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2024/06/05

すごい物語だった。 数年前に、酷くて読むのを諦めてしまっていたけど、面白い、と薦めてくれたのでもう一度だけチャレンジしようという気持ちで読んだら、読み切ることが出来た。 誰かの都合の良いシナリオで作り上げられた世界ではなく、本当のことを見出せる世界であって欲しいと願うことし...

すごい物語だった。 数年前に、酷くて読むのを諦めてしまっていたけど、面白い、と薦めてくれたのでもう一度だけチャレンジしようという気持ちで読んだら、読み切ることが出来た。 誰かの都合の良いシナリオで作り上げられた世界ではなく、本当のことを見出せる世界であって欲しいと願うことしかできない

Posted byブクログ

2024/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平和警察の制度を「集団心理の怖さ」と平たくまとめてしまうのはどうにも雑な気がするので、ちょっと噛み砕いて解釈したい。 根本には強権力による抑圧体制、恐怖政治があるのであり、「制度の否定が身を滅ぼしかねない」という思惑が個人レベルに存在する。それは裏返すと「制度の肯定は自身の安全に繋がる」事なのであり、少なくともうわべでは、現状の肯定が個人レベルで加速していくことになる。加えて本作のような相互監視社会においては、さらに現状否定は抑圧されざるを得ないだろう。ただ、本作の設定で面白いのは、この平和警察制度はあくまで各地で順次試験導入されているものであり、抑圧から免れたい市民は宮城県から引っ越してしまえば良い、という条件が与えられていることだ。即ち、彼らは望んで宮城県内に住み続けている事になる。市民を繋ぎ止めているのは、やはり「極悪人が処刑される」という事に対する熱狂や享楽意識であったように思う。こうした排外意識への熱狂は、正義の大義名分やマジョリティ側の制度、強権の後ろ盾があると尚、後ろめたい感情を正当化する拠り所がある事によってその感情がエスカレートする事がよくわかる。作中序盤で沢山例に挙げられていた中性の魔女狩りはまさしくそうだし、ナチ党ファシズムやスターリン政権下にも似たような風潮はあっただろうと思う。また作中の処刑シーンから察するに、処刑が行われるのはせいぜい2ヶ月に4,5人程度といった具合だっただろうから、政令指定都市仙台市民の多くにとっては、「自身が処刑される」あるいは「身近な、何の罪もない人が処刑された」という経験とは関係がなく、実在する都市伝説を傍観している感覚だっただろうから、余計に熱狂が加速したのではなかろうか。 「悪の討伐」によってスカッとしたい!という感情は我々が潜在的に持つものであり、皮肉にもこの本の感想にすら「最後スカッとしたかった」「みんなで倒す展開が見たかった」といった物がチラホラ見かけられるのもそれを示していると思う。時にこうした大衆意識を逆手に、ポピュリズム的な偏向統治が進行する危険性も認識しておかなければならないなぁ、と思った。 真壁が述べていたように、弱者強者が入り混じって不確定であるから安定しているのであり、強権によって正義/悪を確定すると、正義の暴走を招くということもよく示されていたと思う。そうした暴走の極地として「処刑をされた事が危険人物である何よりの証拠」であるという風なトートロジカルな言説もいくつか見られた。 正義/悪は限りなくグレーで確定するものではなく、どちらか一方に行き過ぎていた時に調整する、程度のことしかできないのだ、と振り子になぞらえて締めくくられる諦観的なラストはとても腑に落ちる物があった。やっぱり真壁すき、すき、大好き。かっこいい。高橋一生とかが演じてくれないかな。かっこいい。

Posted byブクログ

2024/05/21

警察の話だから気になって読んだ。 警察官がまさかの悪役として扱われてた!笑 最後、急に話まとまって追いつけない、、 ヒーローとは、あの警察官ほぼ面識なくて お互い良くなるよう頑張ってたってことかな? もっと仲間!感が欲しかった! みんな単独行動。

Posted byブクログ

2024/05/18

小説としてはあまり好みではなかったけど面白かった。公開処刑を肯定的に捉える住民と、「正義の味方」が平和警察に反逆するシーンに興奮する読者という、対比か見事で考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/04/29

視点が移り変わるたびに様々な事実が明らかになっていき、後半は息を吐く暇もなく一気に読んでしまいました 多田君と佐藤君が良い関係に戻れていたら嬉しいなあ あと文庫版の解説が非常に良かったです 「たしかに!」と思って自分で自分が怖くなりました

Posted byブクログ