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むかえびと の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2021/01/17

助産師を描いた医療小説+お仕事小説。最近メキメキと頭角を現している藤岡陽子さんの作品で、なおかつ生命の誕生を扱ったものなので、「泣かせにくるいい話なのだろうな」と思っていたのですが、いい意味で裏切られた感があります。 主人公である若手の助産師、有田美歩。彼女の勤める産婦人科病院...

助産師を描いた医療小説+お仕事小説。最近メキメキと頭角を現している藤岡陽子さんの作品で、なおかつ生命の誕生を扱ったものなので、「泣かせにくるいい話なのだろうな」と思っていたのですが、いい意味で裏切られた感があります。 主人公である若手の助産師、有田美歩。彼女の勤める産婦人科病院はなかなかにクセがある。先輩や後輩の助産師は頼りになるものの、院長は腕は不確かなのに尊大。さらに看護師長は院長の愛人で、この師長も仕事は満足にしないのに、部下にはヒステリックに当たり散らす。 描かれるテーマも主人公が壁にぶつかって、そこから成長して……、というお約束の感じではなかった気がします。美歩自身、障害をもった姉がいて、親の世話を一身に受ける彼女に複雑な感情を抱いた過去があり、その経験ゆえ生命倫理や出生前診断に悩む妊婦たちの苦悩に真剣に対応する。そんな彼女の真摯な姿は、応援しやすくて、また描かれる問題は難しいからこそ読み応えがありました。 他の描かれる事象もなかなかに重たい。若い女性のお産とネグレクト、そして中絶といった臨まれない子どもたちの話も心に迫る。作中で中絶手術の時、取り出した胎児の声が母体に聞こえないよう、助産師がガーゼで胎児の口をふさぎ、動きが止まるまで待つ、という描写があり、そんな心理的に厳しい手術の話も初めて知りました。 優秀ではあるが、ストーカー疑惑のある同僚の医師。真面目だったはずなのに突然、仕事を欠勤しがちになった美歩の後輩助産師。それぞれのエピソードを回収しつつ、物語は進んでいきます。結末としては、完全なるハッピーエンドではないかもしれないし、物語全体としてみると、少し詰め込みすぎな感じも否めない。 でも一方でシリアスな物語の展開に対しての、登場人物たちの新しい生命に対する想いには心を打たれました。母になるということの意味であったり重さであったりも、考えさせられます。 そして何よりネグレクトや、障害を持って産まれた子、そして中絶でお腹の中だけで命を終えた子。そんなすべての命に対する慈しみが感じられて、それが本当に良かった。藤岡陽子さんも、折に触れて追いかけていきたい作家さんになりそうです。

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2020/12/06

「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」 毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助...

「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」 毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。 この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。

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2020/08/09

赤ちゃん誕生の感動の物語かと思ったら、普通に産むことが出来ない大変な事例が出てくる物語であった。 妊娠中の人が読むと不安になりそうである。 印象に残った文章 ⒈ どんなものにも代えられない命だと思い知らされた。 ⒉ いつかまた戻っておいでー ⒊ 子供はあなたの人生のために生まれて...

赤ちゃん誕生の感動の物語かと思ったら、普通に産むことが出来ない大変な事例が出てくる物語であった。 妊娠中の人が読むと不安になりそうである。 印象に残った文章 ⒈ どんなものにも代えられない命だと思い知らされた。 ⒉ いつかまた戻っておいでー ⒊ 子供はあなたの人生のために生まれてくるわけじゃないですよ。

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2019/04/10

出産の記憶が新しいうちに、と手に取った一冊。 産婦人科医、助産師さんたちの日常を書いた本。 お産はいつ始まるか、どんなお産になるのか予測がつかない所が恐ろしいと思う。 何が起きても不思議ではないし、赤ちゃんが無事に産まれるのって本当に奇跡に近いと言うか、何だか神がかってる気がす...

出産の記憶が新しいうちに、と手に取った一冊。 産婦人科医、助産師さんたちの日常を書いた本。 お産はいつ始まるか、どんなお産になるのか予測がつかない所が恐ろしいと思う。 何が起きても不思議ではないし、赤ちゃんが無事に産まれるのって本当に奇跡に近いと言うか、何だか神がかってる気がする。 そんなお産の手伝い、母親のケアをしてくれる助産師さん。 初めて赤ちゃんと対面する彼女たちを『むかえびと』と言う言葉を使って呼んでいるのが何とも素敵。 話の中に出てくる事件は実際にあった事件ですよね。 ニュースで事件のことを聞いた時に、酷いなぁ…と色々考えてしまったので物凄く鮮明に覚えている。 出生前診断など、答えが出ない問題も沢山あるけれど 命が出てくる瞬間に立ち会う彼女たちの仕事はやはり素晴らしいと思う。

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2019/01/22

生命について考えさせられる本。 望まれて生まれてくるしあわせいっぱいな生命もあれば、この世に生まれ出てくることなく終える生命もある。 出生前診断も答えは出せない難しい問題。 医療倫理に触れる問題も登場してくるのだが… 不倫や医療知識を悪用した犯罪行為など…あれこれ盛り込んで全体に...

生命について考えさせられる本。 望まれて生まれてくるしあわせいっぱいな生命もあれば、この世に生まれ出てくることなく終える生命もある。 出生前診断も答えは出せない難しい問題。 医療倫理に触れる問題も登場してくるのだが… 不倫や医療知識を悪用した犯罪行為など…あれこれ盛り込んで全体に薄くなった感が個人的には気になりました。

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2018/07/30

助産師さんのお仕事小説。 途中、不倫や犯罪が出てくるが、だからこそ命の大切さが伝わってくるところもある。 助産師さんや産婦人科医の、命をむかえるという仕事が、よくわかる話。

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2018/06/09

助産師は生をむかえる人。 生まれてくる子の幸せを祈るばかりでなく、生まれてこれなかった子のことも蔑ろにしない気持ちを持って奮闘する。 病院内の許せない話もあるが、誇りを持って仕事する助産師、医者に心惹かれる。

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