爽年 の商品レビュー

石田衣良(著者)

2024/10/27

感想
最近、筆者の作品をあまり読んでいないなと思い、手に取った。

最近は昔ほど執筆活動もしてないみたいな感じかな。

自分にとってはサッと読むのに良い作品が多い。

あらすじ
娼年の三作目。第二作目から7年後の世界。

リョウは咲良やアズマとクラブ・パッションを継続していた。

四十代の処女の女性、男性恐怖症の女性、無性愛者の女性、口の中が性感帯の女性、70歳の千寿子さんなど様々な女性に買われる。

そのうち咲良がリョウの子供を妊娠し、リョウは結婚しようと言う。次の日、アズマが死体で発見される。

様々なことがありながら、リョウと咲良の結婚生活が始まったのだった。

2024/07/18

娼年シリーズは1冊1冊を大事に読んでたけど、一気読みをするとその凄さが迫ってくる。そしてここまで読んできた貴方はきっとどの登場人物も愛しく思うはず

3冊目まで読んでくれた貴方なら、普通じゃないことが普通のはず

リョウくんみたいな人がいたら救われるんだ。それが例え架空の人物であっても

2022/06/05

年配の女性への目線が優しい。
様様な性への欲求があるし、それでいいとは思うけれど、その受け皿は誰にでも許容される訳では無いことが現実。
リョウと咲良の子供に幸あれ。

2022/03/18

「心の秘密は、女性の身体にでるんだ。それを読み解くのがうれしい。セックスをするたびに誰も読んだことのない暗号を解読している気になるんだ。」
「セックスで傷ついた経験は、やはり別な形のセックスでしか回復されない。疲労や、失敗も、また同じだろう。人間にとってセックスというのはほかのあかなる行為でも代替できない、唯一無二の経験なのだ。」
「万人に許されたファンタジーと想像力を表現するもっとも華やか舞台が、セックスなのではないか。セックスレスなど、人の進化を無視していつまでも性の動物的段階にとどまっている反進化主義者の症候群であるとぼくは思う。
「ぼくはこの国に一番足りないのは、欲望だと思います。」ぼくは静かな怒りを隠していった。「欲望って素晴らしくないですか。誰もノエルさんの子育ての苦労を代わってくれませんでしたよね。だったら、つぎはこちらの番です。胸を張って自分の欲望をみたせばいい。旅も、ご馳走も、セックスもすごく気もちいいじゃないですか」ついでにいえば、音楽も、芝居も、小説やアートも同じだった。身体と心のなかに一度とどまり去っていくすべての快楽の源泉は、みな素晴らしかった」
「ぼくたちはいつか醜く太り、髪も細く薄くなり、顔も首筋もしわだらけになり、身体から張りは失われていくだろう。それでも身体をつなげられるのは、相手の欠点と醜さが魅力的に見えるほど、長年にわたり共感力と性的感受性を磨いてきたならだ。ヒトだけが受胎が不可能になった年齢でもセックスをするのは、心が身体を超えるからである。」
たくさんの素晴らしい言葉に出会えた物語。

2022/01/15

このシリーズ久々に読んだけど、面白いなー！娼年はじめて読んだときも面白かったし衝撃的やったけど、かなり面白かったのを覚えとるな。
たぶんシリーズの間のところ読めてないけど、改めて1から読んでみたいな。
しかし、性の話はほんま大事よな。こういうのちゃんと話せるパートナー良いな

2020/11/17

「娼年」「逝年」からの「爽年」3部作。
女性向け高級クラブで娼夫として働いてから7年。ベテランとなったリョウが、未来を考え始め、 咲良とリョウ、生まれてくるアズマが幸せになるといい。

2020/06/20

娼年シリーズ完結ですと。
3作全部読んできました。
これにて読了です。

性をこんなに美しく描きあげるのはほんとに石田衣良さんの巧みな技ですよね。
冷静に考えたら寂しい女性につけ込み性行為をしまくって生計を立てる男の子の話ですが、石田衣良マジックにかかればこんなに美しくなるなんて。
私は小説などはテーマ云々よりも美しさを楽しむのがすきな、こういうところは一丁前にバリバリの女脳なのでとってもすきな作家さんです。（もうこのセリフ何回目）
石田衣良フィルターを通せば大抵のものは美しくなります。けれど性×石田衣良は何より最上級の美しさが光りますね。

それにしてもよくみたら装丁エロすぎませんか？少し持ち歩くの恥ずかしかったです…まあ持ち歩いたけれど。

リョウの世界を、そして大人の女性を、綺麗に捉えるこの感性がとっても素敵です。ババアなんて絶対的思わないのですよ。
これも前言いましたが、この本の魅力がわかる人とお付き合いしたい。
世の中の男性はAVの見過ぎが原因か、性行為へのイメージが酷いと思います。リョウは女性に愛こそないものの絶対に優しさを忘れないんだからカリスマです。現代の？男性はもっとリョウみたいな優しさが必要ですね。…いや、何様だよ。

2020/01/03

石田衣良さんの色っぽいシリーズ
いつも　メチャ色っぽいと思って読み始めるんだけど
読み始めると　ストーリーに引き込まれてしまう(笑)
楽しく読み終えました

2019/11/20

娼年、逝年に続く作品

期待していたものとは少し違い、主人公リョウの回想ストーリーが多く、この作品を最後にすべく作られた作品という感じがした。

アズマの最期は必要だったのかなぁ...
切なさが残る。

2019/09/05

「ぼくはこの国に1番足りないのは、欲望だと思います」
「旅も、ご馳走も、セックスもすごく気持ちいいじゃないですか」