震える教室 の商品レビュー
歴史ある女子校には、いわくありげなものが日常の隙間にいくつも、いくつも潜んでいる。 なぜか同級生の女子と手を繋いだときだけ、主人公の少女はその非日常を覗き込めてしまう。そうしてその不思議に隠された哀しい事情を知っていくという構成の、連作短編集です。 怪異そのものは「そこにあるもの...
歴史ある女子校には、いわくありげなものが日常の隙間にいくつも、いくつも潜んでいる。 なぜか同級生の女子と手を繋いだときだけ、主人公の少女はその非日常を覗き込めてしまう。そうしてその不思議に隠された哀しい事情を知っていくという構成の、連作短編集です。 怪異そのものは「そこにあるもの」として描かれていて、それを手がかりに秘められた真実が明らかになったり、また違う怪異を呼び寄せたりしていきます。 そのためか、見えない世界の裏側は常に日常とひとつづきの場所に潜んでいて、物語によってそれを覗き見ているかのような感覚を覚えました。 生きている人間にとってけして幸福にはならない展開が多いのも、怪異が怪異として「存在している」から、生きているほうの事情なんて知ったことじゃあない、と突き放されているようで、その冷たさに何となくリアリティも感じたりもしました。
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高校でミステリアスな事件が次々と起こる。何故か2人の体が触れ合うと幽霊が見えてしまう。学校の怪談者ものミステリー。
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近藤史恵さんの著書は何冊か読んできましたが、これは正直、あれれ?という感想。 別の新人作家さんかと思ってしまうぐらい、薄いホラーストーリー。 他が素晴らしいからこそ、これが1冊目じゃなくて良かった。
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2020年6月読了。 わりとゾクっとする話が多かった。「捨てないで」とか「屋上の天使」とか。 エピローグの花音ママの述懐が謎。 花音には何か秘密が? 途中から怖がりの花音が自分の能力(真矢と手を繋ぐと怪異が見える)と向き合おうとしていたことと関係がある? 続編があるといい。
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初めて近藤史恵さんの作品を購入しました。 主人公たちの設定自体は決して目新しいものではないのですが、きちんとホラー・ミステリーとして成立していて面白かったです。 謎がすべて解決される訳ではないのですが、ホラー小説でありがちな理不尽な終わり方ではないため、読後に消化不良になることもありませんでした。 個人的には「捨てないで」という作品が好きです。
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近藤さんらしい、甘苦い青春ホラーミステリーだと思いました。このお話の怖さは読み手の感性に左右されると思います。中学生が読むのと、母になって読むのではきっと感想が違うと思います。
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女子高が舞台だったのでドロドロした話だったら嫌だな、と思いながら読み始めたけど、そんなことはなくその点は良かった。 ただ、ホラーなので謎が残ってしまう点が多かったのが好みではなかった。この作者さんにはミステリーを求めてしまいがち。 それにしても梅田にも難波にも10分で行けるとこに...
女子高が舞台だったのでドロドロした話だったら嫌だな、と思いながら読み始めたけど、そんなことはなくその点は良かった。 ただ、ホラーなので謎が残ってしまう点が多かったのが好みではなかった。この作者さんにはミステリーを求めてしまいがち。 それにしても梅田にも難波にも10分で行けるとこに住んでるなんて羨ましい。
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肌が粟立つような怖いお話集です。「幽」という雑誌に連載されていたからかな。人々の意識や無意識に、うっかり触れてしまったときにひやりとする感じが、テンポ良く次々と出てきます。そして、得体が知れないものたちの破壊力も抜群。作者の別の作品から読み始めたから驚きましたが、怖くて情緒ある話...
肌が粟立つような怖いお話集です。「幽」という雑誌に連載されていたからかな。人々の意識や無意識に、うっかり触れてしまったときにひやりとする感じが、テンポ良く次々と出てきます。そして、得体が知れないものたちの破壊力も抜群。作者の別の作品から読み始めたから驚きましたが、怖くて情緒ある話が読みたい人におすすめです。
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歴史あるお嬢様学校に入学した真矢と花音。ある日から二人はお互いに触れると視えないものが視えるようになります。血塗れの手だったり、スカートをつかむ手だったり、首のないずぶ濡れの少女だったり…。七不思議のようなものはどこにでもあるのでしょうが、それを現実に視てしまう彼女たちの恐怖はい...
歴史あるお嬢様学校に入学した真矢と花音。ある日から二人はお互いに触れると視えないものが視えるようになります。血塗れの手だったり、スカートをつかむ手だったり、首のないずぶ濡れの少女だったり…。七不思議のようなものはどこにでもあるのでしょうが、それを現実に視てしまう彼女たちの恐怖はいかばかりかと思います。さらりと読めますが、それぞれ必ずしも綺麗な終わりではないところが好みです。印象的なのはちょっと異色の「捨てないで」、大人になってできることがあった「屋上の天使」。エピローグも背筋に恐怖が残りました。
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簡易なスクールホラーだけど、じんわりと怖い。表紙が可愛い女の子だったので甘くみておりました。よく見たら手が血塗れではないですか…ああ怖い。歴史ある女子高に入学した外部受験組の真矢と花音。同じクラスになり偶然知り合った二人だけど、なぜか二人が肌を触れ合わせたときだけ怪異が見えるように。以来不思議なことが起こると二人に相談が持ち掛けられ、手を繋ぐ瞬間に見える異常な情景から怪異の原因を探るようになります。小説家の花音母も良い味を出していて、これからも続いてほしいシリーズです。古い学校、怖いなあ。
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