消えた断章 の商品レビュー

深木章子(著者)

2018/08/02

以前小学生だった樹来が大学生になってからの推理小説。この兄妹とじいじとのやりとりは好き。麻亜知のカラッとした性格も、樹来と比較していいコンビの兄妹だと思う。
「交換誘拐」
さすがに中村さんみたいな警察官はいないよなーと思いつつ。

2018/07/25

主人公・君原樹来は推理作家を目指す大学生。同じ大学に通う妹・麻亜知の友人、葛木夕夏からの相談を受け、元刑事の祖父に会いに行く。夕夏は10年前、実の叔父に誘拐されたことがあった。本人が無事帰ってきたこと、身代金も犯人に渡らず、身内同士のこととして片付けられた事件だったが、事件の顛末はその叔父は失踪、母親は自殺するというものだった。たが、最近警視庁の刑事が夕夏を訪ねてきていて、ある事件と夕夏の誘拐事件を調べているという。作家志望の樹来がたどり着いた真相に驚いた。子どもを守るため、自身の人生を犠牲にする親の強い思いを感じた。

2018/06/07

十年前に未遂に終わった誘拐事件、現代になって再び動き出したもう一つの誘拐事件、そして失われた少女の記憶、と魅力的な謎がいっぱいのミステリ。当時八歳の少女が自ら犯したかもしれない罪の意識に悩み苦しみ、それを救う探偵役の友人、という、青春らしさも溢れた楽しい印象のミステリかと思いきや。
終盤の怒涛の展開には愕然。あまりに予想外の真相には度肝を抜かれました。うわー、いろんな意味であの人可哀想すぎる……！　そして最後の最後でもまたしても衝撃。元をただせばこれは悲しい事件だったのだろうけれど、それ以上にここまでの惨事になっちゃうとは。やりきれないなあ。

2018/05/25

『交換殺人はいかが？』の続編。主人公である君原樹来が二つの誘拐事件の謎に挑むのですが、小学生だった樹来がいきなり大学生になってびっくり。作風も前作とは全く別もので正直シリーズにする必要があるのかと疑問に感じるものの、終盤に明かされるネタで納得。なかなか事件の全貌が見え難くい展開や、手垢のついた真相なのに気づけないところなど、随所に著者の巧さを感じられます。

2018/05/18

気を衒ったトリックも、どんでん返しといった仕掛けもない、小説家志望の大学生目線で推理していくがちがちの推理小説。「じいじと樹来」シリーズらしい。
一部叙述トリックを取り入れつつ、少しずつ分かってきた事実を積み上げて事件を推理していく手法は好ましいが、主人公樹来（じゅらい＝7月生まれ）、その妹麻亜知（まあち＝3月生まれ）の名前も、元C県警の刑事だという祖父を大学生にもなって「じいじ」と呼ぶそのキャラ設定もなんだかな～。
作者70歳という年齢が信じがたいほど文体も、言葉選びも軽い。大学生探偵ものだから若向けなのかもしれないが、そこまでしなくても･･･という印象。
肝腎の事件も「それはないでしょう」という展開だし、終わり方も釈然としない。中村刑事のキャラだけが救いだわ。
初読みとしては、次への誘い水にはならなくて残念。

2018/05/04

まさかまさかの「じいじと樹来」の続編。シリーズ化するつもりだったのか知らないが、一作目と装丁が余りにも違い過ぎて困惑。
今回は樹来が成長し大学生になっていて、妹の同級生が抱えている問題に、じいじと共に相談に乗るという展開。誘拐未遂事件の解明や、消えた被害者の行方捜し、更に同級生が「私は人殺しかもしれない」と言い出す始末で、謎が刻々と深まっていく。
うーん。最終的には納得のいく結末だったけど、何かスッキリしないなあ。決め手に欠けるというか・・・。
深木さんだから面白くて当然、と先見を持ってしまっているからかな？

2018/04/05

さくさく読めた。
高校生がスーパー高校生だったのと、結局なんだったんだ？ってところがあるのだけど、たぶん読み直したら分かるのではないかと。
一度では「え、お前いつそんなこと思ったんたよ」とか、「この人誰だっけ」ってなる(私が迂闊なだけです)

2018/03/13

被害者は、記憶を断片的に失くした少女と、白骨遺体で見つかった少年。 １０年前に起きた、二つの奇妙な誘拐事件の、 想像を絶する真相とは―― 見えていた景色が一変する、本格ミステリーの綾に耽溺せよ。