明治史講義 テーマ篇 の商品レビュー
明治の歴史をテーマごと二十講に整理して書かれた本。 正直一テーマだけで一冊書けるようなものを無理やり一冊の本にした、またテーマごとに書いてる人が違うのもあって全体としてバラバラで物足りないのは否めない。 更に詳しく知るための参考文献が紹介されてるしで勉強したい人はそっちもどうぞ...
明治の歴史をテーマごと二十講に整理して書かれた本。 正直一テーマだけで一冊書けるようなものを無理やり一冊の本にした、またテーマごとに書いてる人が違うのもあって全体としてバラバラで物足りないのは否めない。 更に詳しく知るための参考文献が紹介されてるしで勉強したい人はそっちもどうぞって内容なんだけれど、これだけで分かった気にはなれないので正直しんどい。 掃討勉強しないと逆に混乱の基になってしまうものの、色んな人のいろんな視点が見れるので今まであった思い込みや偏った見方の整理のは良い本でした。
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最近出された明治史に関する文献を基に、最新の解釈を紹介するもの。歴史の解釈は変わり続けるし、多面的に解釈する必要があることを改めて認識。 テーマ毎に参考にした文献が記載されているので、更に学ぶためには便利。各テーマの紙面も限られているが、比較的コンパクトに纏まっていて復習的に扱う...
最近出された明治史に関する文献を基に、最新の解釈を紹介するもの。歴史の解釈は変わり続けるし、多面的に解釈する必要があることを改めて認識。 テーマ毎に参考にした文献が記載されているので、更に学ぶためには便利。各テーマの紙面も限られているが、比較的コンパクトに纏まっていて復習的に扱うのではあれば問題ない。(初級者向けてはない、ということ) 「個人篇」も読んだので、明治史を面と点で概観を押えることができた気がする。 明治における先人の国家創りの強いエネルギーに刺激を受けることが重要。物事を大きく捉え、方向感を見極めて、強い意志がなければExecutionできない。 ・7月の禁門の変による長州の敗退・・・幕府の諸大名への統率力を回復する千載一遇の好機をもたらした。…将軍は進発しなかった。この時期、江戸では文久改革を担った史僚たちが退けられ、幕府全盛時代への復古を夢見る復古派が幕閣を占めるようになっていた。・・・大局的に見てこれが幕府にとって決定的な判断の誤りであったことは確かである。・・・長州への寛大な処分を求める上申が出された。 ・廃藩置県によって政令帰一という課題が達成され、直轄府県のみならず日本全国が財政の基盤となった。なお、士族の家禄は藩知事にかわって大蔵省が給付することとなり、実質的にほとんどが財務破綻していた各藩の債務も政府が継承した。 ・このように、近世国家は王政復古から約10年で完全に解消された。旧支配層の身分がほぼ無血で解体され、特権を政府が買い取るかたちで完全に解消された事例は、世界史のなかでも稀有といえよう。 ・政変が形作った、薩長閥政府と、従来の民権派による自由党、大隈らの立憲改進党という三つ巴の政治党派体制は、以降、さまざまな離合集散を繰り返しながらも、元老および官僚勢力、立憲政友会、憲政会~立憲民政党という形で大正・昭和初期まで続いていく。その意味で、明治14年の政変は、その後の政治構造を長らく規定し続けたのだと言うことができよう。 ・首相のリーダーシップの制度的欠如は、明治憲法の国家諸機関の割拠性と相俟って、やがて軍部の戦争への暴走を抑止できなくなる。(各省大臣の単独輔弼制が採用され、内閣の規程は存在しなくなった) ・明治憲法では内閣総理大臣の選出方法は規定されず、内閣制度創設以来、辞職する首相が後任を推薦するか、もしくは、天皇の諮問に応じた元老と呼ばれる長老政治家の合議により推挙されるか、のどちらかによって選出された人物に天皇から組閣の大命が降下された。ただし、慣習としては、後者の元老会議が首相選定の任を担っていた。
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明治維新から始まる日本の近代国家建設は、漸進的にそれもけっして真っ直ぐでない道だったことが分かる。誰かの理念・理想に基づいて進んできたのではなく、都度、落とし所を見つけてきた結果なんだ。見つける為政者自身も代わってきているしね。 それにしても明治の世では、神社は宗教ではなかったと...
明治維新から始まる日本の近代国家建設は、漸進的にそれもけっして真っ直ぐでない道だったことが分かる。誰かの理念・理想に基づいて進んできたのではなく、都度、落とし所を見つけてきた結果なんだ。見つける為政者自身も代わってきているしね。 それにしても明治の世では、神社は宗教ではなかったというのには驚いた。宗教って概念は明治に生まれた訳語だったんだね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> はじめに 第1章 開国と尊王攘夷運動~国是の模索 第2章 幕末雄藩と公議政体論~「公議」の運動から見る幕末政治 第3章 王政復古と維新政府~せめぎあう維新官僚と諸藩 第4章 廃藩置県・秩禄処分~分権から集権へ 第5章 陸海軍の創設~徴兵制の選択と統帥権の独立 第6章 明治前期の国家と神社・宗教~神社がしゅうきょうでなかったのはなぜか 第7章 万国公法と台湾出兵~新しい国際秩序への一階梯 第8章 自由民権運動と藩閥政府~板垣遭難と民権運動の展開 第9章 西南戦争と新技術~海軍・汽船・熊本城籠城 第10章 明治十四年の政変~大隈重信はなぜ追放されたか 第11章 内閣制度の創設と皇室制度~伊藤博文のプランニングの再検討 第12章 大日本帝国憲法~政治制度の設計とその自律 第13章 帝国議会の開幕~衆議院の「民党」と「吏党」 第14章 貴族院の華族と勅任議員~創設の理念と初期の政治会派 第15章 条約改正問題~不平等条約の改正と国家の独立 第16章 日清戦争~日本と東アジアの転機 第17章 日英同盟と日露戦争~最初の帝国主義戦争 第18章 植民地経営の開始~統治形態の模索と立憲主義 第19章 桂園時代~議会政治の定着と「妥協」 第20章 大正政変~政界再編成における内外要因 <内容> ちくま新書が精力的に出している近現代史シリーズの明治版。「テーマ篇」と来ているので、「人物篇」があるらしい。この後には『昭和史講義』3編出ているし、この前には佐々木克の『幕末史』がある。内容は、やや専門的なものもあるが、教科書レベルが時代遅れなものになっていることがよくわかる。専門書でなく、これくらいのレベルの歴史書をしっかりと読んでおかないといけない。
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