額を紡ぐひと の商品レビュー
静かな雰囲気をまとった物語という印象。 登場人物がそれぞれ大切な人を亡くした過去を持っていて、それぞれ苦しみやつらさを引きずっている。 雰囲気としては好きな小説だったけど、いまいちどの登場人物にも感情移入できないというか共感できないというか、、、 お客さんが額装を依頼してくる...
静かな雰囲気をまとった物語という印象。 登場人物がそれぞれ大切な人を亡くした過去を持っていて、それぞれ苦しみやつらさを引きずっている。 雰囲気としては好きな小説だったけど、いまいちどの登場人物にも感情移入できないというか共感できないというか、、、 お客さんが額装を依頼してくる内容としては、それをどうやって額に入れるんだろう、と思うものばかりで面白い。 主人公が依頼に応えて額を作って、そこにモノを収めることで依頼者の気持ちに区切りがついて前を向ける、というのも素敵だと思う。 だけど、その依頼内容にまつわるエピソードがあと1歩という感じ。 こじつけというか、本当にそんな手がかりから分かる??なんで分かったの??主人公すごすぎん??という感想です。 空気感としては好きな小説だったので、いろいろおしいなと思った。
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事故で亡くなった婚約者 柴崎弘海は額装師だったが、残された奥野夏樹はその仕事を継いである街で工房を開いた.その街にはカレー食堂を営む池畠がいたことを知っての場所選びだった.いろんな物を額に納めてという依頼があるが、「宿り木」では宿り木、「小鳥鳴く」ではセキセイインコの鳴き声、「毛...
事故で亡くなった婚約者 柴崎弘海は額装師だったが、残された奥野夏樹はその仕事を継いである街で工房を開いた.その街にはカレー食堂を営む池畠がいたことを知っての場所選びだった.いろんな物を額に納めてという依頼があるが、「宿り木」では宿り木、「小鳥鳴く」ではセキセイインコの鳴き声、「毛糸の繭」では薄汚れたピンクの毛糸玉.くおん堂はその街で表装などを手広く商っているが、その店の次男の久遠純とはカレー食堂で出会い、夏樹を支えてくれる.宿り木を持ってきた柏田ゆかりだがその木の秘密を探る夏樹.標本アーティストの塚本涼子の支援で見事な額ができる.饒舌な純、寡黙な池畠、対照的なキャラクターをうまく配置している.純の臨死体験、弘海のバス事故で乗客だった池畠、それぞれの秘密を取り混ぜて物語は展開する.純の絵を額装することを描く「水底の風景」.池畠の幼年期の思い出の品 ソースポットの額装に絡んで彼の幼い日の辛い思い出を辿る「流星を銀器に入れて」.余韻の残る5つの短編だった.
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額をつくることでいろんな人にかかわり、 心を揺さぶられる。 職人さんが実際ここまでするかはわからないけど 物語り最後に夏樹さんが過去を受け入れ、前に進もうとしていて よかったなと感じた。
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絵だけでなく、色々なもののために額をつくる女性のお話。苦しかった思い出も額に入れて飾ることで形を変えるというのはなんとなく分かる。 2019/4/23
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「切り離すわけじゃないからだよ。 ふさわしい場所をつくって、そこにしまうの。 いつでも見られる場所に」(286 ページ) 誰にも見せたくなくて、 傷だらけの、無価値なものだけど、 自分にとっては捨てることも忘れることもできない何か。 はっきり主張しながらも、周囲に溶け込む存在...
「切り離すわけじゃないからだよ。 ふさわしい場所をつくって、そこにしまうの。 いつでも見られる場所に」(286 ページ) 誰にも見せたくなくて、 傷だらけの、無価値なものだけど、 自分にとっては捨てることも忘れることもできない何か。 はっきり主張しながらも、周囲に溶け込む存在で、 静謐な空間をその内側に抱え込む額縁屋。 誰もが平等に、光を浴びる機会をーー ただ、その一心の思いで、彼女は今日も額を紡いでいく。
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額を作る人について考えたことがなかったので新しかった。 色んな人にそれぞれ大切なものや思い出があって、それを飾る額もまた大切なものなんだなぁ。
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谷瑞恵さんの小説は2つのシリーズ物(時計、画廊・図像学)を読んでいたので 著者で選んだ本。 額というのは今まで注目していませんでした。 賞状や絵のような平面のもの向けだと思っていたけれど、 立体的なものもあり、 中身と一体で一作品となる、というのは考えたことがなかったので、今後は額にも注目しようと思います。 オーダーメイドの額を作る、額装師が主人公。 中に入れるものだけでなく、置く環境や、その物への思いなど、 深掘りというか、ほじくるというか…? 推理的要素もあります。 読み物としてはいいですが、 もし私が額装依頼者目線で読むと重いです。 メインの登場人物3人の境遇も重いです。 登場人物の境遇紹介的なものが終わって、今後もシリーズ化されていくのでしょうか。
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乗り合わせたバスが崖から落ち、彼氏を亡くした奥野夏樹は額装師として彼の仕事を継いでいる。そんな彼女のもとにはさまざまな仕事が舞い込んでくる。彼女に興味を抱く表具額縁店の次男坊、彼女の行きつけのカレー食堂の店主、そして風変りな仕事を依頼する人々。過去の出来事や思い出から逃れられない...
乗り合わせたバスが崖から落ち、彼氏を亡くした奥野夏樹は額装師として彼の仕事を継いでいる。そんな彼女のもとにはさまざまな仕事が舞い込んでくる。彼女に興味を抱く表具額縁店の次男坊、彼女の行きつけのカレー食堂の店主、そして風変りな仕事を依頼する人々。過去の出来事や思い出から逃れられない人々が織りなす人間模様が切なく迫ってくる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
額装師夏樹の元には風変わりな依頼が舞い込む。 完成した額装を立体で見てみたいと思った。 夏樹、純、池畠の中には、人の死の記憶が色濃く残っていてもがいているのだが、それを形にすることで一歩を踏み出そうとする前向きさが見えてよかった。ただひとつの依頼であれだけ相手を深く知るというのは、意外ときついと思う。
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額自体には興味は無いのですが、毎度色々な本を読んでいるとそのたびに興味が湧いてくるので不思議な事です。読んでいるうちに家に飾ってある娘の絵に額縁を掛けてやりたくなりました。絵に合う世界観の枠を得ると確かに輝きを増しそうです。この本では絵よりもその人の思い出を額装するものが多いので...
額自体には興味は無いのですが、毎度色々な本を読んでいるとそのたびに興味が湧いてくるので不思議な事です。読んでいるうちに家に飾ってある娘の絵に額縁を掛けてやりたくなりました。絵に合う世界観の枠を得ると確かに輝きを増しそうです。この本では絵よりもその人の思い出を額装するものが多いので、実際どんな風になっているのか見てみたいです。立体でもいいなら自分では何を額装して貰うかなあ。ギター?でも弾けなくなるしなあ・・・。 ほんわかお仕事系かと思ったら、登場人物の境遇が重めで予想外でした。額装して貰うだけで色々人生ほじくられるのは勘弁だなあと読みながら思いましたが、概ね興味深く読みました。重さに比してぐいっと心に食い込んでくる強さは無いですね。
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