二ノ丸くんが調査中 黒目だけの子ども の商品レビュー
"自分の祖父は、ただの民俗学者ではないのかもしれない。一般的な民俗学者よりも、もっとずっと深いところまで入りこんで、いまもこの世に残されている伝承や言いつたえを調査している、特別な人なのではないだろうか、と。 瞑にとって、祖父であるの二ノ丸一幻自身が、不思議のかたまりー...
"自分の祖父は、ただの民俗学者ではないのかもしれない。一般的な民俗学者よりも、もっとずっと深いところまで入りこんで、いまもこの世に残されている伝承や言いつたえを調査している、特別な人なのではないだろうか、と。 瞑にとって、祖父であるの二ノ丸一幻自身が、不思議のかたまりーーこの世のものであってそうではない、都市伝説のような存在なのだった。 祖父は瞑に、よけいなことはなにも語らない。 瞑も、おじいちゃんは本当はただの民俗学者じゃないんでしょ?なんてきいたりはしない。 なぞは自分で調べて、とくものだ。 きいて答えを教えてもらうものではない。"[p.132] 2巻目。 二ノ丸くんの祖父に用事があると語る少女若菊百余。 1話きりのキャラかと思いきや次の話でも登場したので、若菊さんの兄の件がひと段落するまで、なんだかんだ3人行動になることが多いのかも。
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都市伝説を調査する二ノ丸君が常にクールで素敵。しかし都市伝説が本物だったときに起こる怪異が本気で怖いし、助けられずに終わるところが不安を増幅させる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
都市伝説につい頼りたくなってしまう心の弱さに共感する。人間関係やコミュニケーションに行き詰ったとき、腹の探り合いや言葉のやり取りをすっぽかして一気に解決してしまう超常的な力は魅力的に思える。 心の壁は自力で乗り越えていくべきものである、という教訓の強いエピソード。今日太と二ノ丸くんの関係と対比になっている、たぶん。 世にも奇妙な物語っぽく映像化するとしたら、と想像してみるのも楽しい。 ___ ○おたけさんのねがい ・『いつかまたりんごの木の下で』という都市伝説の宿った本のタイトルがなんとなく意味深に思えた。どういう話なのか、作者はどんな人だったのか、この本に都市伝説が宿ったのは偶然なのか、ちょっと気になるところ。 ・おたけさんは何者なのか。昭和のふるくさい本、すすで真っ黒に汚したような顔。 ○透明人間の名札 おたけさんのねがいや前巻のトンネルは、じっくり悩んだうえでの過ちだったけど、この話はあんまり悩んでいない。切羽詰まると排他的になってしまうタイプ。 ○黒目だけの子ども ・二ノ丸くんが都市伝説を追っかける理由、民俗学を重視する理由が明らかになる回。 ・バッタに白目がなく、人間にはある理由が面白かった。自然科学と人文科学の交差点。 ・真偽を見極め、謎を解く。文系であれ理系であれ、そういう営みを大切にする人ってなんとなく好きだな ○まぼろしのプラネタリウム ・宇宙に行けるというのは、本物の宇宙なのか、宇宙の形をした異空間の可能性もありうるんじゃないかとか。
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