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許されざる者 の商品レビュー

3.8

47件のお客様レビュー

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2021/03/31

これは面白い、素晴らしい。脳梗塞で倒れ麻痺が残った凄腕の元警察長官のヨハンソンに、主治医が、25年前に起きた少女暴行殺害事件の相談を持ちかけてきた。9歳の女の子の強姦殺人事件だ。事件はすでに時効だが、元同僚のヤーネブリング、介護士のマティルダ、身の回りを世話してくれるマキシムなど...

これは面白い、素晴らしい。脳梗塞で倒れ麻痺が残った凄腕の元警察長官のヨハンソンに、主治医が、25年前に起きた少女暴行殺害事件の相談を持ちかけてきた。9歳の女の子の強姦殺人事件だ。事件はすでに時効だが、元同僚のヤーネブリング、介護士のマティルダ、身の回りを世話してくれるマキシムなど周囲の仲間と一緒に捜査を始める。ヨハンソンはもちろんだが、全ての世代、男女ともに魅力的な人物たちが登場する。ヨハンソンは幸せなわけだ。ヨハンソンのセリフの後に本心の言葉が続く。不甲斐ない後輩たちへの不満や自分への叱咤、女性への気持ち、その繰り返しが面白い。犯人は比較的早い段階で特定される。誰もが殴り殺したくなるような卑劣な少女虐待強姦殺人犯。話の主題は時効切れの犯罪者にヨハンソンはどうケリをつけるのかに移る。一命を取り留めたヨハンソンが人生の集大成とも言える事件解決をし、彼の人生の晩年に関わった若者たちがバトンを受けて次の人生に進んで行く。この本はスウェーデンの重鎮作家の書くヨハンソン&ヤーネブリングシリーズの最終話であるが、ラストでは主人公に肩入れしたり感情が偏ることもなく描かれ、まるで大河小説の中の登場人物の1人のようにあっさりと時代の渦の中に飲み込まれ、次の人たちに舞台が譲られる。そのさりげなさが返って人間らしくて好ましい。CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝いた傑作警察小説。

Posted byブクログ

2021/03/23

渋い。渋すぎる。 まず、主役が 脳梗塞を患い 右半身に麻痺が残っている 元警察庁長官。 治療やリハビリを受ける中で ある時効を迎えた 女児殺害事件に行き当たります。 主治医である女医から 牧師だった父親が 生前「事件の犯人を知っている」 という懺悔を耳にしたらしい と ...

渋い。渋すぎる。 まず、主役が 脳梗塞を患い 右半身に麻痺が残っている 元警察庁長官。 治療やリハビリを受ける中で ある時効を迎えた 女児殺害事件に行き当たります。 主治医である女医から 牧師だった父親が 生前「事件の犯人を知っている」 という懺悔を耳にしたらしい と 告白され 犯人探しが始まるのですが いわゆる 『安楽椅子探偵モノ』に近く 自らは ベッドに横たわったまま 当時の捜査資料などを紐解きながら 想像力と経験値で  推理を進めていきます。 ピアスやタトゥーを施した 介護士の若い女性や 同じく年金生活者で 元警察官の親友 非常に細かい 元会計士の義弟 孤児で 並外れた 体格の持ち主である ロシア人の若者など 脇を固める配役も 一癖あって 魅力的。 主人公が  酸いも甘いも噛み分けた 中年以降の男性警察官で 男同士の友情や どうにもならない理不尽さ などが入り混じる 決して 手放しで ハッピーエンドとは 言えない 苦み走った 翻訳ミステリーが 大好きな私にとっては たまらない作品でした。 CWA賞など5冠に輝く 警察小説。 好みは かなり偏ると 思われますが…

Posted byブクログ

2021/06/05

リタイアした高位の元警察官が時効を過ぎた残虐な殺人事件に関わる羽目になる。 その明察な推理と行動力によって犯人を見つけたが、主人公は呆気なく急死してしまう。 最後まで飽きさせない面白さ。 他の作品も読みたい。

Posted byブクログ

2021/03/07

良い本だ。主人公の病気は切実感がある。お金持ちで強い兄弟に守られて、地位も名誉ある人、まあ、退職はしたもののね。そんな事を羨んだりしたら、小説は楽しめない。それでも、病は降りて来る。  『見習い警官殺し』を読んでるので、ニヤニヤがでるところもあるし、このティストの違いが、差がこの...

良い本だ。主人公の病気は切実感がある。お金持ちで強い兄弟に守られて、地位も名誉ある人、まあ、退職はしたもののね。そんな事を羨んだりしたら、小説は楽しめない。それでも、病は降りて来る。  『見習い警官殺し』を読んでるので、ニヤニヤがでるところもあるし、このティストの違いが、差がこの作家の幅の広さ、力量だなと思う。  それでも、このエンディングは微妙。主人公には素晴らしい死が待っているか、微妙!ちょっと遊んでる感もあるか。  なかなか翻訳されないらしいが、もつと読みたい。 「いかなる慈悲も与えるな」 「目には目を、歯には歯をーー」

Posted byブクログ

2020/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン67歳。 引退して悠悠自適だが脳梗塞で倒れ、後遺症の麻痺が残る。 入院中に女医から過去の迷宮入り事件を相談される。 女医の父は牧師で、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。でも誰の懺悔か?誰を指したのかもわからず。 9歳の少女が強姦されて無残に殺された事件だが、時効になっていた。 ラーシュは相棒だった元刑事、義弟、介護士、兄から送られたボディガードらを手足に、事件を調べ直す。 長編だが一気に読んでしまった。 解説を読むと、このヨハンソンはシリーズ物らしくて、これが最終巻とのこと。 なんでこれが一番初めに訳されて出版されるのか? 些細な証拠から犯行現場を推測して、そこから地道に捜査をする。 自分は動けないので周りの者を手足にして犯人にたどり着く。 さて、そこからどうするか?時効によって刑事責任は問えない。 1.このまま放置する。 2.殴り殺す。 3.マスコミにばらす。 4.被害者の父親にばらす(父親は米国で成功した有力者) 5.犯人に悔い改めて自ら刑務所に行く選択を与える。 ここから何を選択するのか? 長い割に物語自体は割ととんとん拍子に進むので飽きは無い。 面白かったのは、ミレニアムの登場人物の名前が結構出てくる。 名探偵カッレ君とか(これは登場人物ではないけど) ラーシュが介護士にネットは使えるか?と聞くと「リスベット・サランデルほどじゃないけどね」とか。 最近読む小説の主人公が高齢者(戻り船の伝二郎は68歳)が続くが、皮肉屋で台詞「」の後に、自分の本音がはさまって、なかなか愉快。 もっと邦訳が出て欲しい作家。

Posted byブクログ

2020/05/21

読んでも読んでも終わらないなかなかの長編だった。でも特捜部の方が断然おもしろい。訳にちょっと違和感、どうして6l0代の主人公にわしとか、かたじけないとか言わせるのかな

Posted byブクログ

2020/05/13

北欧ミステリー。 退官した大物警官が関係者からの新情報を手掛かりに25年前の事件の真相を突き止める。 直観と洞察力を頼りに捜査するところはちょっとモースに似ている気がする。

Posted byブクログ

2020/04/21

少し厚めの小説だけど区切りが多くて読みやすかった。登場人物が多く、呼び方も様々で読み進めるのに少し時間がかかる。主人公の周囲の人たちの温かさが心地いい。結末がザックリしていて呆気ない。

Posted byブクログ

2020/04/04

引退した警察官が、既に時効を迎えた事件の捜査をする・・・。 そんなプロットの作品は、他にもあると思いますが、この作品で興味深いのは、その引退した警察官が国家犯罪捜査局の長官であったと言う事と、脳梗塞の影響で半身が不自由だと言う事。 動けない捜査官と言うと、リンカーン・ライムシ...

引退した警察官が、既に時効を迎えた事件の捜査をする・・・。 そんなプロットの作品は、他にもあると思いますが、この作品で興味深いのは、その引退した警察官が国家犯罪捜査局の長官であったと言う事と、脳梗塞の影響で半身が不自由だと言う事。 動けない捜査官と言うと、リンカーン・ライムシリーズがありますが、ライムほど動けないわけでは無く、最後は自分で事件に幕を引くために動いていたりする訳ですが。 時効を迎えていたものの、真相が見え、犯人に選択を迫るわけですが・・・。 そういう結末ですか。中々興味深い結末です。

Posted byブクログ

2020/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スウェーデン人の聞き慣れない名前がいっぱい出てきて苦労した。 それでもだんだんと解明されていく事件にどっぷりハマった。 最後は丁稚ってことでいいのかな。。。

Posted byブクログ