ヒトごろし の商品レビュー
久し振りの「京極ワールド」と凶器の如きブ厚さに二の足を踏みますが、迷わず行けよ!行けばわかるさ! 多摩のバラガキが如何にして新選組副長になったのか?幕藩体制の根幹を成す身分制度も今の視点から見るのでは見えてこない現実をバラガキの視点で叩きつける。そこで見えてくる幕末史の真実・・・...
久し振りの「京極ワールド」と凶器の如きブ厚さに二の足を踏みますが、迷わず行けよ!行けばわかるさ! 多摩のバラガキが如何にして新選組副長になったのか?幕藩体制の根幹を成す身分制度も今の視点から見るのでは見えてこない現実をバラガキの視点で叩きつける。そこで見えてくる幕末史の真実・・・この歴史の方がスッキリと入ってくる・・のはすでに京極の毒が廻っているからなのだろうか。
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ん十年来の新選組好きで土方歳三好き。 それでも美化されていないと読まない、というつもりもないし、京極さん好きでもあるので図書館で借りた。購入は家計のため躊躇う値段でもあるので。とにかく分厚いので早く返さなくてはと、一生懸命読んで4日。重いので大変でした。 いつもの京極節でしつこく...
ん十年来の新選組好きで土方歳三好き。 それでも美化されていないと読まない、というつもりもないし、京極さん好きでもあるので図書館で借りた。購入は家計のため躊躇う値段でもあるので。とにかく分厚いので早く返さなくてはと、一生懸命読んで4日。重いので大変でした。 いつもの京極節でしつこくて回りくどいのは承知。 人外と自ら認める土方歳三の行動は、むしろ史実と照らし合わせると納得できてしまう。かなり丁寧に新選組の事件を追いかけていたし、その時その時の心情も理解できた。だからこの小説の中の土方歳三は嫌いじゃなかった。人を殺したいという気持ちだけは理解できないけれど、目的のために周到に準備する姿勢は、只々感心してしまう。ただ沖田総司好きは覚悟して、いや読まない方がいいかも… 章の始めのシーンから、時間を遡ってという趣向は3章目くらいでわかるまでは、ちょっと混乱した。 ところで章ごとの最後の台詞がいつも同じ、というのは京極さんらしいなと思うのだが、ページの位置もほぼ同じというのは、やはり計算なんでしょうか…
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やっと…読み終わった…(汗)。新選組の土方歳三を主人公にした幕末物ですが、いろんなところでキラキラと描かれている歳サマとは真逆なので、ファンにはキツいかと思われます。少なくとも『薄桜鬼』で新選組ファンになりました!なんて方は絶対に読まない方が良い。ただでさえ面倒臭い幕末を、これま...
やっと…読み終わった…(汗)。新選組の土方歳三を主人公にした幕末物ですが、いろんなところでキラキラと描かれている歳サマとは真逆なので、ファンにはキツいかと思われます。少なくとも『薄桜鬼』で新選組ファンになりました!なんて方は絶対に読まない方が良い。ただでさえ面倒臭い幕末を、これまた面倒臭い性格の土方歳三が悶々と語りまくります。だんだん中二病のツンデレ男子に見えてきて、それはそれで萌えました。すみません、真面目な作品です…。ただ1,000ページ超えなので、読むには覚悟が必要です。
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相変わらずなんとも物騒なタイトルの京極夏彦最新作。ブックカバーなしに人前で若干読みづらい。そしてこの本自体が人殺しとして鈍器に使えそうな結構な重量です。 内容は土方歳三を語り手にした新撰組のお話。京極夏彦がそのような史実を下敷きにした小説を書くのって珍しいなあ、とちょっとびっくり...
相変わらずなんとも物騒なタイトルの京極夏彦最新作。ブックカバーなしに人前で若干読みづらい。そしてこの本自体が人殺しとして鈍器に使えそうな結構な重量です。 内容は土方歳三を語り手にした新撰組のお話。京極夏彦がそのような史実を下敷きにした小説を書くのって珍しいなあ、とちょっとびっくり。人を殺すことにたいして執着しつつもいろいろと考える土方像というのもなかなかに新鮮ではありました。他者に対して「ごちゃごちゃ考えるのはくだらない」くらいの態度であるのに本人はやたらとごちゃごちゃ考えるのがなんかちぐはぐな印象でもありましたが。 歴史小説として、あるいは史実としての新撰組に興味が深い方からしたらいろいろ別の感想もあるのかと思いますが、そこまで詳しくない自分は「なるほど、こういうことがあったんだな」といろいろ興味深く楽しめました。もちろん人物像とかはフィクションだと認識したうえで。
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皆さん評価が高いんですよね~。 私はちょっと辛口評価です。 ファンの皆さんゴメンナサイm(__)m 京極夏彦さん、初読みでした。 お好きな方は、このページ数こそ京極夏彦!なのでしょうが、私にはクド過ぎました。 「シリアルキラー土方歳三」設定は面白いと思うのですが、「殺したい」...
皆さん評価が高いんですよね~。 私はちょっと辛口評価です。 ファンの皆さんゴメンナサイm(__)m 京極夏彦さん、初読みでした。 お好きな方は、このページ数こそ京極夏彦!なのでしょうが、私にはクド過ぎました。 「シリアルキラー土方歳三」設定は面白いと思うのですが、「殺したい」「人殺しは悪」「忠・義で人を殺すも、単なる人殺しも違いは無い」「戦争は悪」 これを1000ページに渡り繰り返されると....。 土方歳三を読んでいるというより、道徳の本を読んでいる感じかな(笑)
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とても面白かった。今年の私選ベスト5にランクインso far。新撰組、土方歳三はヒトを殺したいが故に新撰組を作って合法的に人殺しをしようとした、というようなプロット。沖田もサイコパスとして描かれる。所謂新撰組ファンには面白くないかもしれないが、フィクション小説なのでニュートラルな...
とても面白かった。今年の私選ベスト5にランクインso far。新撰組、土方歳三はヒトを殺したいが故に新撰組を作って合法的に人殺しをしようとした、というようなプロット。沖田もサイコパスとして描かれる。所謂新撰組ファンには面白くないかもしれないが、フィクション小説なのでニュートラルな立ち位置で読む限り、かなりもってかれます。。沖田や土方の強さの秘密を人殺しへの躊躇の無さに見出すところが妙に納得させられます。重くてゴツい単行本ですが、改行魔王なのでそんなにギッシリしてませんし、軽いです。個人的に芹沢鴨が嫌いなのでかなりスッキリしました。
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長い長い土方歳三伝を読み終えた。新選組に関する本は何冊も読んできたが、土方歳三については様々な解釈があるようだ。 生きること、死ぬことを、生かすこと、殺すこと、土方歳三を取り上げながら、人の命について、組織について、正義について、この土方歳三伝を読みながら、今問題になっている森...
長い長い土方歳三伝を読み終えた。新選組に関する本は何冊も読んできたが、土方歳三については様々な解釈があるようだ。 生きること、死ぬことを、生かすこと、殺すこと、土方歳三を取り上げながら、人の命について、組織について、正義について、この土方歳三伝を読みながら、今問題になっている森友問題、加計問題、地下鉄サリン事件、連合赤軍事件、などを思い浮かべながら延々と続く物語を読み進んでいった。人は何のために生き何のためにどのようにいつ死ぬのだろうか?
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新選組・鬼の副長として有名な土方歳三を描いた物語。しかし彼はただの殺人衝動を持つサイコパスだった、という、かなり斬新な切り口かも。とはいえ、このあたりの歴史に関する私の知識はほぼ大河ドラマの「新選組!」によるものなのですが。案外とあのドラマの雰囲気で読めた気がします。キャラのイメ...
新選組・鬼の副長として有名な土方歳三を描いた物語。しかし彼はただの殺人衝動を持つサイコパスだった、という、かなり斬新な切り口かも。とはいえ、このあたりの歴史に関する私の知識はほぼ大河ドラマの「新選組!」によるものなのですが。案外とあのドラマの雰囲気で読めた気がします。キャラのイメージがけっこう被るような気も。 特に思想や信条があるわけではなく、ただ人殺しをしたいがために武士になろうとする土方歳三。しかしその思いにもある意味筋が通っていて、おためごかしの大義名分を掲げるよりはかっこいいのでは、と思えてしまいました。自らを「ただのヒトごろしだ」と卑下しながらも、大量に死者を出すだけの戦を嫌う部分にもそれは表れているのかもしれません。たしかにどっちが正しいのか分からないなあ。もちろん、人を殺すのはいけないことなんですが。 しかしこの本、とてつもないボリューム(笑)。それでも案外と読みやすく、読み通すのにさほど苦労はしません。腕は疲れますが。
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中学生時代に司馬さんの「燃えよ剣」を読んで以来の新撰組(特に土方さん)ファンです。 そして、京極さんの小説もほぼ読破している私・・。“京極新撰組”は、さて如何に・・。と読み始めました。 まず副長が、ダーク。自らを“人殺し”として、そのうえで語られる生死感がキレキレ。大概の方々を論...
中学生時代に司馬さんの「燃えよ剣」を読んで以来の新撰組(特に土方さん)ファンです。 そして、京極さんの小説もほぼ読破している私・・。“京極新撰組”は、さて如何に・・。と読み始めました。 まず副長が、ダーク。自らを“人殺し”として、そのうえで語られる生死感がキレキレ。大概の方々を論破(?)しまくっています(その時は副長、結構しゃべります)。 そして沖田。“笑いながら人を殺す”サイコな危険人物として描かれています(沖田ファンは注意!って感じ)。 ええキャラ揃いの監察方の面々や、見廻組の佐々木只三郎のくせ者っぷりも面白いです。 齋藤が正義キャラで書かれているのは、個人的に意外でしたが、アリですw。 新選組って、歴史的価値というか意味がほとんど無い集団と言われていて、本書でもそういう事をにおわせる表現が多々見受けられますが、何だかんだで、色々な作家さんの作品のネタになっている事から、魅力的ではあるはず・・。とファンとしては思いたいところです。 そして、本書のラストはグッときました。やっぱ土方さんカッコイイです!
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流石に、1000ページ超の本はなかなかボリュームがありました。 主人公は土方歳三ですが、司馬遼太郎の『燃えよ剣』などに代表されるような、ある種「理想的」な人としてはまったく描かれていません。 歳三は「ひとごろし」に憧れて、合法的に人を殺めることができる立場を得るためだけに新選組を...
流石に、1000ページ超の本はなかなかボリュームがありました。 主人公は土方歳三ですが、司馬遼太郎の『燃えよ剣』などに代表されるような、ある種「理想的」な人としてはまったく描かれていません。 歳三は「ひとごろし」に憧れて、合法的に人を殺めることができる立場を得るためだけに新選組をつくり、自身の欲を満たしていきます。 沖田もサイコパスで歳三と同じく殺人に取り憑かれた男として描かれ、京極夏彦の解釈もおもしろいと感じました。 なにより、人外の化け物である歳三が、幕末の武士たちよりも世の中をある意味冷静に見つめていて、人の生き死にについてもしっかりと考えていることが印象的でしたし(自身の手にかけて人のために命を奪う、ということに執着しているので、具体的に感じられない「戦」を忌み嫌っていました)、確固たるビジョンをもたずに、その場の流れに諾々と従う多くの人々の姿に、現代への批判も感じることができました。 個人的には楽しく読みましたし、京極夏彦の新選組の人物像にも納得行く部分も多くありましたが、いわゆる「新選組ファン」には納得できない表現も多いかもしれません。
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