列車はこの闇をぬけて の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
仲間となった見知らぬ少年(少女一人)と、貨車の上に乗って、グアテマラからメキシコを横断して合衆国を目指す物語。 旅する中で、ギャングや警察に追いかけられたり、なけなしの金を奪われたり、何度も命の危険にさらされる。果たして、合衆国に辿り着けるのか…。 途中で、本当に、もうやめて、と言いたくなるほど危険な目に合う。でも、一度、密入国してメキシコに入ってしまった以上、逃げ場はない。 そんな中、最初はお互いに警戒して疑い合い、ただの寄せ集めだった少年たちが、いつの間にか、自分たちの話を打ち明け合ったたり、仲間意識が芽生えていく。 この先、この少年たちがどうなるのか、そして、今も同じように脱出と密入国を目指す少年たちは、どうなっていくのか。 貧困が解消されない限り、問題は解決しない。
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ドイツ児童文学者が、中南米からアメリカ合衆国への不法移民の実態を取材して書かれた迫真のノンフィクション・ノベルです。グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの貧困に喘ぐ10代の若者たちが、富める国アメリカ合衆国に往ったきり戻らない親兄弟を捜し求める、メキシコ縦断の危険極まりない旅...
ドイツ児童文学者が、中南米からアメリカ合衆国への不法移民の実態を取材して書かれた迫真のノンフィクション・ノベルです。グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの貧困に喘ぐ10代の若者たちが、富める国アメリカ合衆国に往ったきり戻らない親兄弟を捜し求める、メキシコ縦断の危険極まりない旅が描かれていきます。2016年にメキシコ国境の「トランプの壁」が話題になりましたが、飢えと渇きに耐えて国境を目指す弱者を餌食にする、追剥ぎや悪徳警官ら大人たちの姿には、人間社会の得も言われぬ悲しみがひしひしと胸にこみあげてきます。
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かなりの取材をして書かれた本のようで、厳しい現実がビシビシ伝わってくる。 希望をなくさないように展開していくけれど、 実際には中途で挫折した多くの人たちがいることがよくわかってつらい。 元気な時じゃないと読めないね。厳しかった。
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2018やまねこ翻訳賞10位。国境を超える子どもたちを取材して描いたという力のこもった作品なんだけど、途中でやめる。
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14歳の少年ミゲルは、6年前アメリカに出稼ぎに行ったきりの母と会うために故郷のグアテマラを出て、メキシコ経由でアメリカに向かう。途中出会った4人の同年代の仲間とともに川を渡り国境警察や列車の警備員をかわし、時には犯罪少年組織の力も借りながら、隙を見て貨物列車の屋根に乗り込む。検問...
14歳の少年ミゲルは、6年前アメリカに出稼ぎに行ったきりの母と会うために故郷のグアテマラを出て、メキシコ経由でアメリカに向かう。途中出会った4人の同年代の仲間とともに川を渡り国境警察や列車の警備員をかわし、時には犯罪少年組織の力も借りながら、隙を見て貨物列車の屋根に乗り込む。検問や追いはぎにも遭ったが、助けてくれる優しい人たちもいて、旅が進むにつれて5人の結束は固くなっていった。ところが、ある時走る列車の上に突然現れた山賊に、仲間の一人エミリオが突き落とされてしまう。 アメリカにいる肉親を捜すために、貨物列車の屋根に乗ってアメリカ密入国という危険な旅を試みる少年少女たちの姿をミゲルの目を通して語る。 *******ここからはネタバレ******* 実在の移民の子ども達からの聞き取りを基にしたフィクション。 あまりにも過酷な旅に胸が締め付けられる思いで読み進む。 セタスからの逃亡やアメリカ国境付近でのやりとり等、現実味の乏しいところが少しあるが、ほとんどの出来事は多くの移民たちが経験したものとあまり変わらないのではないか。 あとがきには、旅をしている移民たちの写真もあって、この物語がただのお話ではないことが実感させられる。 国境を閉ざすことが移民問題の解決にならないことを知ったうえで、どうすればいいのか考える機会となる。 児童書として扱われているが、あまりにもシビアなので、年長者に薦めたい。
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グアテマラに住む14歳のミゲルは、合衆国に出稼ぎに行ったまま帰ってこない母を探すため、貨物列車の屋根に乗り、メキシコを縦断する旅に出た。同じようにアメリカを目指す子どもたちとともに、警察や追いはぎ、ギャングなどから危機一髪で逃れながら、ひたすらに北に向かう。
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