背中、押してやろうか? の商品レビュー
図書館で、「恐怖」というテーマで並んでいた本。 表紙はさわやかな青春ものをイメージするが、 読みだしたら、いきなり生死を彷徨う場面! 読み終わってから再度表紙をじっくり見て、ぞっとした。 いじめの被害を受けている人には読むのが辛いと思う。 最後の最後まで胸が痛む展開で、かなりの...
図書館で、「恐怖」というテーマで並んでいた本。 表紙はさわやかな青春ものをイメージするが、 読みだしたら、いきなり生死を彷徨う場面! 読み終わってから再度表紙をじっくり見て、ぞっとした。 いじめの被害を受けている人には読むのが辛いと思う。 最後の最後まで胸が痛む展開で、かなりのイヤミスだった。 いじめという言葉はなくしたほうがいい。 暴力、暴行なのだ。 閉ざされた家庭、閉ざされた学校の中に、 警備なり警察なり、第三者が監視しなければ、 子供達は安心して勉強も生活も楽しめないのでは。 物事には必ず、原因があって、 原因を突き詰めれば、止められたかもしれない。 でも、加害者の立場では、原因をほかに転嫁して逃げてしまうだろう。 誰も自分だけは傷つきたくないと思う。 大人だってそうなのだから中学生ならなおさら。
Posted by
大切な人を失って壊れた。 人目につかない場所を知っていて全てを行っていたら、それ以上に閉鎖的な家の中の出来事など知ることは出来ないよな。 大人に相談するのは正解だったかもしれないが、その相手を見極めて選ばなければ頑張った意味がなくなってしまうだろうな。
Posted by
読んでいると苦しくなってくるけれど 先が気になって一気読みしてしまった。 こういう時の大人って本当に無力だし 生徒たちのやり取りはリアルなもので 単純に物語とは思えないほど考えてしまった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この話には、ヒーローは存在しない。だからこそ、周囲の大人の無力感と主人公の保身に走ってしまう感じがとてもリアルに感じられる。いじめは何がスタートになるかわからない。何かの話がきっかけで始まることもあるが、たとえその話が間違っていても、やめられることはない。 タイトルの背中を押すという言葉。勇気を出させるとかではなく、物理的な意味だった。 殺してもいいもの。非難されないもの。それが害虫。だが、本書の害虫の意味は、人間の生活に直接または間接的に害を与えるもの。それが害虫の意味らしい。それで言うと私たちはみな害虫なのだ。毎日誰かに何らかの影響を与えている。 いじめの陰湿さと、壊れた人間の恐ろしさ。救いようのない話に心からぞっとしました
Posted by
中学生の一平のクラスに不登校の繭子が戻ってきた。異質な存在感のある繭子は苛めの標的に。しかし本人は平然とした態度で登校し続ける。ある日友人智也が同級生の交通事故に居合わせてから不登校となり、クラスで一人になった一平はあるきっかけで凄惨な苛めを受ける事になる。同じ位辛いはずなのに繭...
中学生の一平のクラスに不登校の繭子が戻ってきた。異質な存在感のある繭子は苛めの標的に。しかし本人は平然とした態度で登校し続ける。ある日友人智也が同級生の交通事故に居合わせてから不登校となり、クラスで一人になった一平はあるきっかけで凄惨な苛めを受ける事になる。同じ位辛いはずなのに繭子は何故平気そうなのか。彼女の登校の目的「実験と観察」の意味は?次々起こる同級生の事件は事故か故意か?等の疑問は予想通りの展開で驚きはなし。締めもなんだか当てはめた感が強い。苛めの描写が淡々としているが却って現実味あって嫌な読後感。あと一平の家族が色々問題ある描写あるけど何処に繋がってる?
Posted by
突然始まった中二の一平へのいじめと同じくいじめられながらも動じない繭子との同盟めいた交流。相次ぐ同級生の死や親友の不登校。いじめ被害を過剰に騒がず学校や家で当たり前に生活する様子に程度によるにしろ独特のリアル感がある。読み易くてあっという間だったけれど意外な筈の真相を含めいまいち...
突然始まった中二の一平へのいじめと同じくいじめられながらも動じない繭子との同盟めいた交流。相次ぐ同級生の死や親友の不登校。いじめ被害を過剰に騒がず学校や家で当たり前に生活する様子に程度によるにしろ独特のリアル感がある。読み易くてあっという間だったけれど意外な筈の真相を含めいまいち盛り上がれなかった。
Posted by
「背中を押す」というのは、面白い(怖い?)言葉ですね。いじめの話で、異常さは一味違う。 「ねえ、私と一緒にあいつ消そうよ」(p.106)にはぞくぞくした。真相がわかってから、もう一度感心する。
Posted by
クラスメイトの間で連続して起こる不審死を巡る青春ミステリ。でも青春とはいえ、全然爽やかじゃありません。事件の不穏さもさながら、横行するいじめがかなり痛々しくって。軽い筆致で描かれているけれど、だからといって軽くは感じられません。そうなんだよなあ、たかがいじめと思う人もいるだろうけ...
クラスメイトの間で連続して起こる不審死を巡る青春ミステリ。でも青春とはいえ、全然爽やかじゃありません。事件の不穏さもさながら、横行するいじめがかなり痛々しくって。軽い筆致で描かれているけれど、だからといって軽くは感じられません。そうなんだよなあ、たかがいじめと思う人もいるだろうけれど。この時期の子供にとってはかなり深刻なんですよね。 そして、それに負けず劣らず壮絶な真相。怖い。怖すぎる。しかも怖いだけではなく、「犯人」の側の痛々しさも決して軽いものじゃなくって。読み終えて、どうしようもなくやりきれない思いが残りました。かなりのイヤミスかも。
Posted by
これが、中学生のリアルなら、救いなんてどこにもない。 ある日突然始まるいじめ。それに便乗するクラスメイト。そこには理由も意味も目的もない。ただ、誰かを攻撃し続けるだけ。そんな毎日辛すぎる。 不登校から復活した女子。連続する交通事故。不穏な空気をはらんだまま時間が経過していく。 ぼ...
これが、中学生のリアルなら、救いなんてどこにもない。 ある日突然始まるいじめ。それに便乗するクラスメイト。そこには理由も意味も目的もない。ただ、誰かを攻撃し続けるだけ。そんな毎日辛すぎる。 不登校から復活した女子。連続する交通事故。不穏な空気をはらんだまま時間が経過していく。 ぼんやりと見えて来る「理由」。あぁそこでつながるのか、と気づいたときにはもう遅い。 誰も救われず、何も解決せず、ただ、「それ」が起こっただけ。 そんなにうまくいくのだろうか、とか、逆にやりこめることもできるだろうに、とか、動機にもうひとひねり欲しかった、とか、はあるけれど、それでも前半の雰囲気のままうまく解決して終わる、といういい話的ラストじゃなくてよかった。 タイトルはかなり好きかも。
Posted by
- 1