きまぐれな夜食カフェ の商品レビュー
昼間はダンス衣装やさん、夜は夜食やマカンマランを営むドラッグクイーン、シャールと周りの人々のお話。連作短編集。今回も少し切なかったり寂しかったり、でも心温まったり少し希望が持てたり。1話1話大切にかかれていることが、1日1日を大事に生きているシャールや周りの人たちに通じていていい...
昼間はダンス衣装やさん、夜は夜食やマカンマランを営むドラッグクイーン、シャールと周りの人々のお話。連作短編集。今回も少し切なかったり寂しかったり、でも心温まったり少し希望が持てたり。1話1話大切にかかれていることが、1日1日を大事に生きているシャールや周りの人たちに通じていていいなと思う。私もマカンマランのような場所の常連になれたら、どんなに豊かな気持ちになるだろう。お料理も体に優しいものばかりで、作ってみたくなります。
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好きすぎる、この世界観……。 また出会えたことが幸せ。 四話どれも心温まるお話なのですが、特に「第二話 藪入りのジュンサイ冷や麦」は自分ごとのように読んでしまいました。 料理人・省吾のキャリアの迷走。 キャリアで迷走してる時って、本当に苦しいんですよね。 自分もそうだったので...
好きすぎる、この世界観……。 また出会えたことが幸せ。 四話どれも心温まるお話なのですが、特に「第二話 藪入りのジュンサイ冷や麦」は自分ごとのように読んでしまいました。 料理人・省吾のキャリアの迷走。 キャリアで迷走してる時って、本当に苦しいんですよね。 自分もそうだったので、痛いくらいにわかります。 でも、省吾と私はちょっと迷走の種類が違うなと思いました。 ”あなたは単に、自分がなにをしたいのかが、分かっていなかっただけのことよ”(抜粋) シャールさんが省吾に言った言葉ですが、結構奥が深い言葉です。 こういうの、やりたいこと迷子っていうんですかね。笑 最近の自己啓発本もこの手の本をよく見かけますよね。 この場合、2つのパターンがあると思うのです。 ①目指すもの(目標)は決まっているんだけど、そこに行きつくまでの工程(手段)で迷いがでて、何をしたらいいのかわからなくなるパターン。 今回の省吾のパターンはこちら。 ②目指すもの(目標)さえもわからない、言葉通りの「何がしたいかわからない」状態。 最近見かける自己啓発本は②のパターンに向けた本が多いかと思います。(私が読んだ本が偶然その感じだったのかもしれませんが)そして、私も②のパターンだった。。。 資格取得に走ったり、習い事したり、手あたり次第、何かやっては中途半端で終わっていた。 どちらの場合も、外に答えを見つけるよりも自分の内面を深堀することで見えてくるものがあるのでは?と、40代になってわかってきました。(ここに行きつくまでに年齢分の時間がかかっている) シャールさんが省吾に伝える言葉の一つ一つが、まるで自分に語り掛けているようで、20代~30代、キャリアで迷走していた自分の苦しみが癒されました。 ホント、この本、浄化本だと思う! 過去の自分が許されていくのです。 「第四話 クリスマスのタルト・タタン」は、エンディングノートのお話です。 巷で流行ってますか??エンディングノート。 察するにサラサラ~っとかける内容ではなさそうなので、時間のある時にどんなものなのか情報収集しておこうかと思いました。 死だけは逃れられませんからね。。。
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ドラァグクイーンのシャールが営むドレスショップ兼、夜食賄いカフェ。そこに訪れる人々を描いた短編集の第三弾。 今作も、登場人物達に対してなんとなく自分と重なることがあるなと共感し、そして美味しそうな料理とシャールさんの言葉に癒された。 前作までに登場した人物との繋がりでマカンマラ...
ドラァグクイーンのシャールが営むドレスショップ兼、夜食賄いカフェ。そこに訪れる人々を描いた短編集の第三弾。 今作も、登場人物達に対してなんとなく自分と重なることがあるなと共感し、そして美味しそうな料理とシャールさんの言葉に癒された。 前作までに登場した人物との繋がりでマカンマランを訪れることになる短編もあり、シャールさんを中心にどんどん輪が広がっていく感じがあって良いなと思った。 このシリーズを読んでいると改めて、食事を大事することは、自分を大事にすることに通じているのだと感じる。 次のシリーズ最終作も、大切に読みたい。
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体に優しい料理を作りたくなる、温かい気持ちになる一冊。さっそく自家製シロップを作ってみたくなった。2024年1冊目。
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続編 一冊めから出ている方の過去を知られた。 続編なので過去出てきた 色んな人の今にも触れられて、 多様な形で幸せになっていることが嬉しかった 誰も特別ではなく、 ありふれた自分と同じだか事象に対して 見方を変えると全く変わる 自分の見ている世界が小さいなと思う 視点を変え...
続編 一冊めから出ている方の過去を知られた。 続編なので過去出てきた 色んな人の今にも触れられて、 多様な形で幸せになっていることが嬉しかった 誰も特別ではなく、 ありふれた自分と同じだか事象に対して 見方を変えると全く変わる 自分の見ている世界が小さいなと思う 視点を変えて、私もこれでよかった 今が幸せ、と思えるように暮らす 今回は人生、自分の生き方に焦点が当たっている?
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ドラァグクイーンが営む夜食カフェみたび。SNS上で匿名で悪口を書くアルバイト女性、料理ができなくなった元料理人の青年、高層マンションに住む仮面夫婦状態の主婦、マカン・マランの常連である一人暮らしの老婦人。それぞれ、違う悩みを抱えている4人が、少しずつ前を向いていく。 「青梅みたい...
ドラァグクイーンが営む夜食カフェみたび。SNS上で匿名で悪口を書くアルバイト女性、料理ができなくなった元料理人の青年、高層マンションに住む仮面夫婦状態の主婦、マカン・マランの常連である一人暮らしの老婦人。それぞれ、違う悩みを抱えている4人が、少しずつ前を向いていく。 「青梅みたいに毒のあるものでも、漬け込むことで、ちゃんと食べられるようになるのよ。人の毒も同じことよ」 他の誰かを妬んだり僻んだりしたときにSNSで他人を貶めることで憂さ晴らしをしてしまう。やらないけど、やってしまう女性の気持ちは正直わかる。シャールさんの言うように保存食作りで発散できたら素敵だなぁ。
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このシリーズも3冊目になって、ますますシャールさん自身の苦悩や不安も垣間見えるようになり、発せられる言葉の重みや深さを強く感じるようになりました。 悩むことも苦しむことも嫌だけど、こんなにも慈悲深く与えられる人になれるのだと思うと、悩み苦しみ、向かい合うことも避け続けたくないな...
このシリーズも3冊目になって、ますますシャールさん自身の苦悩や不安も垣間見えるようになり、発せられる言葉の重みや深さを強く感じるようになりました。 悩むことも苦しむことも嫌だけど、こんなにも慈悲深く与えられる人になれるのだと思うと、悩み苦しみ、向かい合うことも避け続けたくないなと思いました。
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久々に読んだけどしんみりほっこりな雰囲気が冬にピッタリ。 みんな悩み抱えてるよねぇっていう共感がすごい貰える、頑張ろう、人に優しくなろうって思えるお話が満載でした。 前のシリーズに出てきた人忘れてるなぁ。 やっぱりシリーズ物は一気に読みたいね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
マカン・マラン みたび この「みたび」という言い方も好き。 前作より少しシャールさんがの体力が回復しているみたいでよかった。 今回登場するのもさまざまな人たち。 仕事のストレスをネットの炎上騒ぎで発散する人、自分が望んだ仕事だったのに掟破りして疲弊してしまった人、美しい美貌と才能を思っていたのに家庭に入り自分を見失ってしまった人、喜寿をむかえて行く末をかんがえる人、、 みんな自分が求めたかった場所にいない… そんな人に向けてのシャールさんの言葉が沁みる。 『この世に本当に魔法があるとしたら、それはきっと、自分自身にしか起こせないものよ』(第一話 妬みの苺シロップ) 『居場所なんて、どこかに無理やり見つけるものじゃないのよ。自分の足でしっかりと立っていれば、それが自ずとあなたの居場所になるの。要するに、あなたがどこに立ちたいかよ』(第二話 薮入りのジュンサイ冷や麦) 『本心を隠すのは、別に悪いことではないわ』 『本心の隠し場所さえ、ちゃんと自分で分かっていれば、それはそれでいいのよ』(第三話 風と火のスープカレー) こんな聖人のような言葉で諭してくれるシャールさんも人間。ときには人にマイナスの感情を抱くこともあるんだ、、 『そういうときこそ、保存食の出番よ。果たせないこの恨み。どうにもできないこの嫉み。ぬぐい切れないこの妬み……。それら全部を、砂糖やお味噌やお塩で、しっかり漬け込んでしまうの』(第一話 妬みの苺シロップ) 第四話では、うっすらとしか明かされていなかったシャールさんの建屋のいきさつも明かされる。 今回はマインドのアーユルヴェーダも取り入れてる! そして新しい小物、トルコの伝統手芸のオヤ。調べてみたら縁飾りが繊細でとてもかわいい! いままでとおなじ場所でドレスを作っていても、新しい風も入ってくるのが心地よい。 人とは縁。 ドラァグクイーン、中学教師、専業主婦、派遣OL、漫画家、喜寿の地主、なんの共通点もなくても居心地の良いあの場所に集う、カンテラの灯をたよりに。 私も見つけたいな、私のマカン・マランを。 ーー 各話の紹介(公式サイトより) ◆…主要キャラ ◇…サブキャラ ●第一話「妬みの苺シロップ」 私は不幸だと思いこむフリーターへ (綾 …電話オペレーター。ブログで炎上騒ぎ。実は裕紀の後輩) ●第二話「藪入りのジュンサイ冷や麦」 世界一のレストランで修業した若き料理人に (省吾 …日本料理人。自信をなくし心療内科にかかる) ●第三話「風と火のスープカレー」 離婚式を開くことになった、仮面夫婦の奥様へ (燿子 …タワマンに住む専業主婦。夫とは仮面夫婦。実はシャールの昔の職場の後輩。のちに離婚、翻訳の仕事へ) ●第四話「クリスマスのタルト・タタン」 自分の「終わり」を見据える老婦人に、シャールが贈った言葉と料理 (◆比佐子 …隣のアパートの住人。マカン・マランで刺子を習う。実はこの辺りの地主)
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進学、就職、結婚、出産、離婚、その他諸々。沢山の選択肢が人生にはあって、その度に何か一つを選び取っていく。そしてそれが正しいか選択か否かを自問する日、後悔する日が来る。その選択をそっと肯定してくれたり、さり気なく軌道修正してくれるシャールさんの愛にまた涙。 厳しい言葉の端にも深...
進学、就職、結婚、出産、離婚、その他諸々。沢山の選択肢が人生にはあって、その度に何か一つを選び取っていく。そしてそれが正しいか選択か否かを自問する日、後悔する日が来る。その選択をそっと肯定してくれたり、さり気なく軌道修正してくれるシャールさんの愛にまた涙。 厳しい言葉の端にも深い愛情が滲んでいて、もうそれだけでグッと来てしまう。人を惹きつけて離さない。容姿端麗以上の魅力がシャールさんにはあって。病魔に冒されて心身共にボロボロになる時もあるはずなのに、それを微塵も表に出さない、それを強さと言うのが正解かは定かではないけれど、人から信頼を集め、愛される人は皆こういう人だなと、しみじみ。本当にこの店があったら、私も常連になりたい。
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