ザ・ガールズ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1960年代アメリカの「マンソンファミリー」連続殺人事件がモデルになっているとのこと。 カルト集団の「ランチ」での暮らしぶりや、住宅への侵入、最終的に起こる事件の描写はショッキングで、ゴシップ的興味を惹かれて、怯えながらもどんどんと読み進めてしまった。 何年か前に見て訳わからないと感じた映画「ワンスアポンアタイムインハリウッド」は、同じ集団によって起きた事件を前提に作られていたんだな。それくらい、アメリカでは誰もが知っている事件なんだ。 遠い昔の、外国で起きた事件なのにこんなにもハラハラと没入しながら読み進めていたのは、語り手のイーヴィーの思春期特有の自意識にあまりにも身に覚えがあったから。 イーヴィーは事件の日も途中まで車に同乗していて、意思に反して車から降ろされる。 ランチのコミュニティや事件に半分身を浸している半端な存在。 いつも自分がどう見られているのか気にして、恋に憧れて、誰かに気づいてもらえるのをいつも待っていて、少しの接点で全速力で恋に落ちてしまうこと。人を値踏みして、庇護された立場であることが鬱陶しくてそんな自分がダサくて、なんでもないことのように必死に振る舞ったり、少しでも認められたら喜んで自分を差し出したり。 イーヴィーの感情を、知っていると思った。 ・とにかく準備ばかりして過ごした。雑誌の記事に教わったのは、人生は誰かに気づいてもらうまでの待合室に過ぎないということだった。 ・友情そのものが目的になりうるなんて信じていなかったし、男の子に愛されるかどうかというドラマの背景音くらいにしか考えていなかった ・夏至のパーティーから1週間しか経っていないのに、わたしはすでにランチを再訪し、スザンヌのために少しずつお金を盗むようになっていた。ほんとうはもっと時間をかけてそうなったんだと思いたい。何ヶ月もかけて説得され、ゆっくりと壊れていった、バレンタインみたいに用意周到に口説かれたんだと。だけどわたしはやる気満々のいいカモで、自分を差し出したくてうずうずしていた。 ・わたしが知っているのは傍から見た中途半端な物語で、しかもわたしは罪を犯してもいない逃亡者だった。誰も捜しにこないことを心の半分では願い、もう半分では恐れていた。
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チャールズ・マンソン事件がモチーフ、タランティーノが監督すると↓書いてあり、けーってな感じ。事件は洗濯後のゴミネットにたまる埃のような扱いでとどめてあり、作者は少女の思春期の危うい世界を描きたかったそう。両親が離婚した裕福な家庭で育った14歳の少女。特に感受性豊かという訳ではなく...
チャールズ・マンソン事件がモチーフ、タランティーノが監督すると↓書いてあり、けーってな感じ。事件は洗濯後のゴミネットにたまる埃のような扱いでとどめてあり、作者は少女の思春期の危うい世界を描きたかったそう。両親が離婚した裕福な家庭で育った14歳の少女。特に感受性豊かという訳ではなくて、至って健康だ。作者の表現する少女の心のゆらめきが、既に書き古されたよくある表現ではなくて、豊かに色鮮やかに等身大にて表現されている。それに自分は舌を巻いたが、そこに共感できない人には、ただのつまらない少女小説かと思います。
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スザンヌみたいな女の子って魅力的だよね。 スザンヌ本人よりもイーヴィーの方が、その後、事件にとらわれっぱなしな感じがリアル。
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ずっと地味な苦痛に覆われていた どうして作者は私の葬り去りたい過去を知っているのかと思わずにはいられなかった・・・・・ イーヴィーはスザンヌが好き、というより、逃したくない、すがりつける対象というような気がしたよ
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読み始めは「甘酸っぱい青春もの」「お嬢さんのお気楽なヒッピーの真似事」の様相を見せていたものの、クライマックスからラストに向けて社会的メッセージがジワリ。 一気に読んでしまった、ヒリヒリした。
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新年早々ヒリヒリさせられた。チャールズ・マンソンてのは名前ぐらいしか知らなく、全くといっていいほど無知だったので、これを読みながらネットで漁るようにして知っていったのだけど、この小説がベストセラーになるのも納得の恐ろしい事件だったんだと知り、のめり込んでしまった。 この小説はフ...
新年早々ヒリヒリさせられた。チャールズ・マンソンてのは名前ぐらいしか知らなく、全くといっていいほど無知だったので、これを読みながらネットで漁るようにして知っていったのだけど、この小説がベストセラーになるのも納得の恐ろしい事件だったんだと知り、のめり込んでしまった。 この小説はフィクションだけどこの事件をベースにしているだけあってリアルでもある。残酷で悲しくも、どこか美しい物語だった。岡崎京子の漫画を彷彿とさせるような。 これを、この時代を全然知らない若い世代の作家が書くってところが凄いなって思った。
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