ねがいましては の商品レビュー
まず、面白かった、そこだけは最初に言っておきたい 算盤、ある意味、日本人らしいアイテム一つから、こうも、面白さを引き出すとは、さすが、碓井先生、と感じた それだけに、全一巻ってのは、もったいないのでは 読み応えがあったのも確かだが、無理に一冊に詰め込まず、上下巻くらいに分けても良...
まず、面白かった、そこだけは最初に言っておきたい 算盤、ある意味、日本人らしいアイテム一つから、こうも、面白さを引き出すとは、さすが、碓井先生、と感じた それだけに、全一巻ってのは、もったいないのでは 読み応えがあったのも確かだが、無理に一冊に詰め込まず、上下巻くらいに分けても良かっただろうに このストーリーの設定や、キャラの関係性だったら、もっと広げても、面白さは希薄にならなかったと思う。むしろ、碓井先生なら、もうちょい、笑いの密度を濃く出来たはずだが、ちょい残念 今からでも、ラブコメ面を前に押し出した続編を描いてもらいてぇな 息子のシスから、おっさん扱いされちゃいるけど、地味にイケメンで、行動力の方向性が突飛なゼロと、ツッパっちゃいるけどマブダチの七瀬ちゃんラヴで、なおかつ、自分の恋となると奥手になっちゃう、そんなギャップ持ちな万里の、“その後”は、かなり気になる 結婚するのは確実な気はするが、それまでの独特な過程が読みたいのだ そんな二人の恋路だけでなく、成長したシスの青春も見てみたい 何だかんだで、シスはファザコンっつーか、ゼロが大好きなんだろうな、と感じる悪態の吐き方は可愛さすらある。まぁ、毒を浴びているゼロからすると、愛されている実感は薄いかもしれんけど コジロー→千鶴→シス→七瀬、そんな感じの、ややこしいけどシンプルな恋物語など展開してくれりゃ、更に読み応えを得られそうだ また、ゼロとシスの、血のつながりに頼らないからこその強い父子関係の深まりも見たい 確かに、見た目は似てないよな。母親の血が強く出ているって可能性もあったにしろ、この違いでは、義理の親子と見抜く方が容易だ けど、ゼロとシスは、血が繋がっていないからと言って、邪見にはしあわず、彼らなりの密接な距離感で、仲の良い親子になっている 失恋の痛手から旅人になってしまったセサミンや、夜の女豹になり損ねたさやかに関しちゃ、続編に出ても、出なくても、どちらでもいいかなぁ しかし、この妄想も、捕らぬ狸の皮算用と言うんかね。できりゃ、嘘から出た実になってもらいたいが この台詞を引用に選んだのは、七瀬の算盤愛を感じ取れたので。ばん太郎にも、彼女の偏愛が漂ってはいるが、台詞の中ではこれが一番だろう。段位や資格が目的ではなく、ゴールに辿り着くための指針や足場に出来るのは、自分が挑戦している事に対し、本気の「好き」と、混じりッ気のないやる気がある証拠だろう。日々の精進のみが、人を高みに到らせるんだろう
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