あなたの本当の人生は の商品レビュー
今年はまだ2月だが、今現時点でのNo1作品。 優しい語り口に暖かい雰囲気。 とにかく、コロッケがバツグンに効いている。 心温まる傑作でした。
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選べるのはどれか一つだけです。 コンティニューもリセットもできません。 チュートリアル的なものは…子ども時代かな? それだって、生まれる場所を選ぶことはできないのだから、その先の選択肢には限りがある。 やがて後戻りできないくらいの年齢になって、「こんなはずじゃなかった」「どこで...
選べるのはどれか一つだけです。 コンティニューもリセットもできません。 チュートリアル的なものは…子ども時代かな? それだって、生まれる場所を選ぶことはできないのだから、その先の選択肢には限りがある。 やがて後戻りできないくらいの年齢になって、「こんなはずじゃなかった」「どこで選択肢を間違えたのだろう?」「あの時ああしていれば…?」的なことを考え始めるのが凡人。 逆に、恐ろしいくらいの黄金狂時代に突入してしまった人や、シンデレラストーリーに恵まれた女性がいたりして、今度は人生が猛スピード過ぎて着いて行けない。 待って、待って、もう少し考えさせて!これでいいのかな?…って。 私くらいの年齢になってある程度達観すると、自分の身の丈が何となくわかってくる。 「あの夢は、まあ、はなから無理だったのだ」とか、「どこをどう選んでも、結局、今のここに立っているのだろう」と思える。 人は一生に一つしか人生を生きることができない。 だから、「物語が欲しくて欲しくてたまらない」のだろう。 そのなかで、何度でもお好みの人生を生きるのだ。 ホリー先生の元夫・蓑嶋さんは真実を知っている。 ホリー先生は、物語を紡ぎ、未来も見ることができる魔女なんじゃないか。 ホリーの秘書・宇城さんと、編集の鏡味氏は、他人の人生に寄り添う、実態を持った影のようでもある。 そして、ヒロインの國崎真実は、“本当の人生は”なんてはなから思わないところが自由である。 「コロッケ揚げるだけの人生も有りかなって思うんです」 創作活動に命をかけている人が聞いたら目をむきそうな… 真実にとっては、創作活動もコロッケを揚げることも同じように人生なのだ。 そんな迷いなく(彼女の名誉のために書いておけば、迷わなかったわけではない)やりたいことをやる、そんなところがやっぱり猫っぽい。
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後ろ表紙に曰く“書けなくなった老作家、代わりに書く秘書、書きたい新人…。書くことに囚われた三人の〈本当の人生〉は?”とあって何だか面白そうな設定だと思ったのだけど、そこから想像する話とはだいぶ趣きが違ったな。 この作者で言うと、「ピエタ」のような話を想像していたが、寧ろ「ビターシ...
後ろ表紙に曰く“書けなくなった老作家、代わりに書く秘書、書きたい新人…。書くことに囚われた三人の〈本当の人生〉は?”とあって何だか面白そうな設定だと思ったのだけど、そこから想像する話とはだいぶ趣きが違ったな。 この作者で言うと、「ピエタ」のような話を想像していたが、寧ろ「ビターシュガー」という感じ。サクサクと読めたけど、何だかとっちらかった印象が大。 錦船のつづきが出て来て欲しかったけどな。 凝ったコロッケが一番印象に残るって、どうよ?
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【「書くこと」に囚われた女たちの本当の運命は】書けない老作家、代りに書く秘書、その作家に弟子入りした新人。三人の不穏な生活は思わぬ方向に。不思議な熱を持つ前代未聞の傑作。
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