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重力波は歌う の商品レビュー

3.6

8件のお客様レビュー

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2022/11/12

ほとんどLIGO設立、運営にかかわった人たちの人物ドキュメント。 しかも、人間関係のゴタゴタが著者の大好物なのか、ちょっと不快な気持ちにもさせられた。 重力波について、学術的な理解や興味を掻き立ててくれるような記述を期待していたのだけれど、どうもそういった方向性の本ではなかったら...

ほとんどLIGO設立、運営にかかわった人たちの人物ドキュメント。 しかも、人間関係のゴタゴタが著者の大好物なのか、ちょっと不快な気持ちにもさせられた。 重力波について、学術的な理解や興味を掻き立ててくれるような記述を期待していたのだけれど、どうもそういった方向性の本ではなかったらしい。 重力波を捉えることに成功したよ!LIGO最強!おわり。そんな感じ。

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2020/07/31

当時、浪人生だった自分は、受験に向かう電車の中で、重力波の検出に関するニュースを読んだ。 その時、マイケルソン干渉系の問題が今年の入試には絶対出るんじゃないかと思っていたが、案の定、複数の大学で、出題されたことをよく覚えている。 自分は、タイムトラベルについて、自分が生きている...

当時、浪人生だった自分は、受験に向かう電車の中で、重力波の検出に関するニュースを読んだ。 その時、マイケルソン干渉系の問題が今年の入試には絶対出るんじゃないかと思っていたが、案の定、複数の大学で、出題されたことをよく覚えている。 自分は、タイムトラベルについて、自分が生きているうちに可能なのか、もし実現したらどうなってしまうのかと、強い関心を昔から抱いていた。 ウラシマ効果という重力の強さによって時間の流れが変わるというもの、それと重力波、重力エネルギーというものを用いれば、タイムトラベルが可能なのか?とか色々考えていたので、この重力波というワードは非常に気になる言葉であった この本を手に取ったきっかけはそんな感じだ。 いざ読んでみると、重力波に関する理論的な知識などの内容は一切なく、シンプルに、重力波検出までの歴史を紐解いたドキュメンタリーだった。 これはこれで非常におもしろかった。 衝撃だったのが、自分の大好きな映画「インターステラー」の脚本に関わる物理学者が、キップソーンだったことだ! 思わぬところで、自分の興味がつながり、驚いた。 研究者の実態を、この本を通して初めてみることができた。理論物理学者の、未知の法則を解明しようとする、飽くなき知的好奇心には、強く尊敬の念を抱かずにはいられない。

Posted byブクログ

2019/04/08

自分を信じて研究し続ける厳しさとか、研究者の世界も政治が必要なんだなとか、人間関係のドロドロとか。重力波の発見についてよりは、それを研究する人たちのドロドロエピソードがメインでした。 重力波は歌う、っていいタイトルと思いました。 「私たちはブラックホールが衝突する音を聞いた。」

Posted byブクログ

2018/10/23

「重力波は歌う」ジャンナ・レヴィン著・田沢恭子・松井信彦訳、ハヤカワ文庫、2017.09.25 335p ¥842 C0144 (2018.10.22読了)(2018.09.15購入) 【目次】 1章 ブラックホールの衝突 2章 雑音のない音楽 3章 天の恵み 4章 カルチャー...

「重力波は歌う」ジャンナ・レヴィン著・田沢恭子・松井信彦訳、ハヤカワ文庫、2017.09.25 335p ¥842 C0144 (2018.10.22読了)(2018.09.15購入) 【目次】 1章 ブラックホールの衝突 2章 雑音のない音楽 3章 天の恵み 4章 カルチャーショック 5章 ジョセフ・ウェーバー 6章 プロトタイプ 7章 トロイカ 8章 山頂へ 9章 ウェーバーとトリンブル 10章 LHO 11章 スカンクワークス 12章 賭け 13章 藪の中 14章 LLO 15章 フィゲロア通りの小さな洞窟 16章 どちらが早いか エピローグ 謝辞 訳者あとがき 解説 想いを乗せて、重力波は歌い続ける  川村静児 内容紹介(amazon) 2017年ノーベル物理学賞を受賞! (ライナー・ワイス、キップ・ソーン、バリー・バリッシュの3氏) 物体が運動したときに生じる時空のゆがみが光速で波のように伝わる現象「重力波」。 100年前にアインシュタインが存在を予言しながら、これまで観測されていなかったこの波動を、米国の研究チームがついにとらえた。 ノーベル物理学賞を受賞した歴史的偉業の裏には、どんなドラマがあったのか? 天文学の新地平を切り拓く挑戦の全貌を関係者への直接取材をもとに描き出す、出色のサイエンス・ドキュメンタリー。 受賞者たちの人柄をかつての同僚・川村静児教授(東京大学宇宙線研究所)が振り返る文庫版解説を収録。

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2018/07/15

まさにビッグサイエンス。アインシュタインが1916年にその存在を予測した重力波を検出するための実験装置LIGOの計画から、2016年の初観測まで至るドキュメント。面白い。

Posted byブクログ

2018/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノーベル賞を受賞したアメリカチームがその偉業を達成するまでに、どんなことが起きていたのか、世界中の研究者たちもまた何を目指していたのか、ドラマチックに語られる。 重力波が測定された今となっては、重力波測定を目指す研究の結果がこれからの宇宙の解明や物理学の進展にどれほどの可能性をもたらすかが明らかに思えるが、実際にそのプロジェクトを始める時には、成功するのか、成功する見込みがどれほどあるのか、それは経費と時間的にペイするのかを説得し納得させるのは難しい。予算を同様に欲しがっている様々な分野の研究者にしてみれば費用がかかりすぎだろう!と喧々諤々意見が出るのは確かにわかる。「研究者と研究者の理想と理想のぶつかりあい」というものが、非常にリアルに描かれていて、こんなすごい偉業でも、こんな大変なのだなあと、なかなか驚かされた。

Posted byブクログ

2018/01/10

つい最近ノーベル物理学賞で話題になった重力波に関するノンフィクションである。 重力波の物理学的な理解というよりも、それを観測するための観測装置や観測所に携わった人の歴史が中心である。 重力波は、Einsteinが発見した相対論から導くことができるある種の波動である。 近代物理...

つい最近ノーベル物理学賞で話題になった重力波に関するノンフィクションである。 重力波の物理学的な理解というよりも、それを観測するための観測装置や観測所に携わった人の歴史が中心である。 重力波は、Einsteinが発見した相対論から導くことができるある種の波動である。 近代物理学は、すべて場(Field)と呼ばれる空間を基礎としており、粒子が場を通じて相互作用していると理解する。 つまり、電荷通しが直接力を及ぼしているのではなく、各電荷が場を形成し、その場を通じて各々の粒子と相互作用しているというように定式化するのだ。 たとえば、電子を空間の1点において、それを動かすと電子が作る場は変化することとなる。この場の変化は電磁波と呼ばれ、われわれが観測できる形となる。 このロジックで、重力を媒介する粒子(これを重力子と呼ぶ)を仮定する(重力場を想定してもいい。現在、重力子は未発見の粒子であるので、重力場を仮定したほうが自然ではある) この重力子(重力場)が動くことがあれば、上の議論と同じように何かしらの波が発生するのではないかというのが、重力波である。 問題は、重力は電気よりもずっと小さいので、重力場が少し変化した程度では小さすぎて観測できないのだ。 ということで、観測するためにはスケールが大きい対象が必要である。この場合はブラックホールが最適だ! 非常に重い物質が動けば動くほど発生する重力波も大きくなるのだ。 重力波を観測した設備をLIGO(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)重力波望遠鏡と呼ぶが、この観測装置が観測した重力波はブラックホールの衝突で発生した際のものであり、その大きさは地球到達時になんと地球が1mm動くくらいの重力波である。 超絶精度である。 1mmなんて近くに電車が通っただけで、飛行機が上空を通過しただけ簡単に変位するくらいである。 実際はレーザー干渉計で1辺数キロで変位を見ているので、もっと小さい変位と(約10^−18 m)なる。 これを検出する装置の発明は、まさにノーベル賞受賞にふさわしい快挙である。 本書を読むと研究開発や予算の確保でいろいろな物語があったのだと伺うことができる。

Posted byブクログ

2017/11/29

重力波は歌う、その波は時空を歪めながらはるか遠くへ伝わる。その微かな声を聞くために苦闘した科学者たちの、好奇心と喜び、嫉妬や憎悪、怨嗟が渦巻く物語。多くの関係者へのインタビューから残酷な真実に迫り、それでも前へ進んだ人々を描いて感動的だ。

Posted byブクログ