マンガでわかる!世界最凶の独裁者18人 の商品レビュー
本書には過去から現在までの「独裁者」と呼ばれる人物18人が漫画で紹介されている。独裁者がやってきた所業は、虐殺や粛清、弾圧といった残虐なものが多い。自分のすることに歯向かうものを力でねじ伏せる政策である。なぜそんなことが出来る人物になってしまったのか。不思議に思う人も多いだろう。...
本書には過去から現在までの「独裁者」と呼ばれる人物18人が漫画で紹介されている。独裁者がやってきた所業は、虐殺や粛清、弾圧といった残虐なものが多い。自分のすることに歯向かうものを力でねじ伏せる政策である。なぜそんなことが出来る人物になってしまったのか。不思議に思う人も多いだろう。漫画なら活字が苦手な人でもわかるから、少しでも多くの人に「独裁者」について知ってもらいたいという発刊の狙いがよくわかる。 第1章は、現代の独裁者 4人 実際に現代の国の指導者でありながら、過激な発言や行動で注目を浴びるドナルド・ジョン・トランプと金正恩らが名を連ねている。 第2章は、大量虐殺を行った独裁者 5人 秦の始皇帝やアドルフ・ヒトラーは、かなり有名だと思う。 第3章は、恐怖と死で支配した独裁者 4人 こちらの章の独裁者はあまり知らなかった。サダム・フセインやカダフィ大佐といった名前をなんとなく知っている程度。日本からは足利義教といった名前があり、この人物の所業も独裁者にあたるのかと驚いた。 第4章は、国を混沌におとしいれた独裁者 5人 ネロ皇帝と毛沢東はよくわかる。ベニート・ムッソリーニの名もあり、この人もそうだったのか、という想いが強くなる。 本書はこの4つの章になっているが、コラムとして何人かの独裁者も登場し、まさに古今東西、世界中から集まった独裁者の祭典(?)だった。 子供の頃、歴史で習った極悪非道の古代の独裁者はネロや始皇帝、ヒトラーだったが、近世にも続々と似たような独裁者の登場に驚かされる。漫画でその一人ひとりの人生を読むと、生まれたときからの独裁者ではなかったようだ。彼らは独裁者になる前は、「住みやすい国にしよう」と意気込む若者だったらしい。どこでその心意気がねじ曲がってしまったのか。自身の物欲が抑えきれなくなったり、裏で手を引く悪女がいたりと、人間としての弱さを突かれたとしかいいようがない気がする。 まっとうな精神のまま、国を愛する純粋な気持ちでリーダーシップを取っていたら、「独裁者」になどならなかっただろうに・・・。 本書に名を連ねる「独裁者」たちの辿った人生を知ることは、政治を勉強するには大変参考になるだろう。特に政治家を目指すような人には、一人の人間として道を踏み間違えないような判断力が絶対必要だと知って欲しい。「最凶の独裁者」と呼ばれるような人物をこれ以上出さないためにも、必読して欲しい一冊だ。
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