サラバ!(下) の商品レビュー
上巻で徐々に過去の忌々しい思い出が蘇って、全て私の胸に突き刺さり逃げ出したくなった。中巻の最後では遂に心を揺り動かされた。下巻ではお父さんとの会話の途中で歩は家族から完全に取り残された。その後の展開が巧みだ。図書館へ通うだけの静けさの中で、小説ばかり読んでいる歩は自分と物語以外の...
上巻で徐々に過去の忌々しい思い出が蘇って、全て私の胸に突き刺さり逃げ出したくなった。中巻の最後では遂に心を揺り動かされた。下巻ではお父さんとの会話の途中で歩は家族から完全に取り残された。その後の展開が巧みだ。図書館へ通うだけの静けさの中で、小説ばかり読んでいる歩は自分と物語以外のところで何かが起こっていることを知る。3.11の恐怖、そしてエジプトへ。最後に物語は今まさにあなたの生き方として問われる。私の信じるものは何か、私の信じるものは何か、何度も自分に問う。私は自分の時間の化け物を洗いざらい書き出そうと思う。そして「私の信じるものは何か」を見つけたい。
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読み手によって、感銘を受ける箇所が様々だろうなぁと思う。 通して読み終わり、この小説が歩の自叙伝的なものだと分かった。 不可解な行動をとる姉、優しい父、美しい母と幸せな日々を送るが、ある日を境に何かが少しずつ変わっていく。 母似で美しく生まれ、順風満帆な青春時代を謳歌していた...
読み手によって、感銘を受ける箇所が様々だろうなぁと思う。 通して読み終わり、この小説が歩の自叙伝的なものだと分かった。 不可解な行動をとる姉、優しい父、美しい母と幸せな日々を送るが、ある日を境に何かが少しずつ変わっていく。 母似で美しく生まれ、順風満帆な青春時代を謳歌していた歩にも悲劇が。。。 自己の評価ではなく、周囲の評価に流されてしまう歩は、どこか自分と似ているところがあるなと感じた。 本の感想とは少し離れるかも知れないが、、、 自分は何を信じるのか? 自分が信じたものを信じてあげないとだよなぁ。。。 自分が感じた通り、自分に素直に生きるのって素敵だなぁと思った。 色々考えさせられるところが多かった。
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なんと! 上巻を読み始めた時に 「サラバ」で泣くことになると 予想していなかったです。 6章の63はなみだで読みずらかった… 途中、お姉さんと歩が逆転して えー?と思ったけど、生きるために お父さんお母さん、お姉さんとおばあちゃんやおばさんたちそして歩 みんな闘っていたんですね。...
なんと! 上巻を読み始めた時に 「サラバ」で泣くことになると 予想していなかったです。 6章の63はなみだで読みずらかった… 途中、お姉さんと歩が逆転して えー?と思ったけど、生きるために お父さんお母さん、お姉さんとおばあちゃんやおばさんたちそして歩 みんな闘っていたんですね。 いま、誰かに おすすめしたくてたまらない!
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私的、西加奈子史上一番刺さる本で、一番好き。 両親の話で泣きそうになった。 自分の歩んできた人生を信じる事。一人で立つ事。 皆に一人ひとりの人生があり、他者を尊重する事。 弱った時に読み返したい。
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西加奈子の自叙伝の要素を多分に含んだ物書きの物語。海外の文化などの他の小説ではあまり見られない観点が含まれており興味深く読めた。自分の信じることは自分で決める、そうすれば怖いものはない。
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読んでいてひたすら苦しかった下巻。持ち前の容姿によって得をすることを恥ずかしく思っていた歩だったが、実際にその容姿を失うと途端に自信を失い今までの自分を保つことができなくなった。あらすじに「ある出来事」をきっかけに変わっていく歩とあったが、まさか禿げることだとは思わなかった。ただ...
読んでいてひたすら苦しかった下巻。持ち前の容姿によって得をすることを恥ずかしく思っていた歩だったが、実際にその容姿を失うと途端に自信を失い今までの自分を保つことができなくなった。あらすじに「ある出来事」をきっかけに変わっていく歩とあったが、まさか禿げることだとは思わなかった。ただなにか大事件が起こったわけではなく誰にでもありえることだからこそ、リアリティーがあり読むのが辛かった。 下巻の歩は一言で言うとクズだ。肩書きも若きイケメンで新進気鋭のフリーライターから、ひどい言い方をすれば37歳の無職、禿げ、デブに変わってしまう。何をするにも人任せで、ひたすら自分は悪くないと思い、人を自分より下に見ることで安心を得る。それでも読んでしまうのは、そのクズな歩とどこか重なるところを誰しもが必ず持っているからだと思う。西加奈子は本当に人の醜い感情を描くのが上手い。読んで楽しい本ではないかもしれないが、いま読むことができてよかった。
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最後は一気読み。読むのが辛くなる部分もあった。 変わった行動をとり続ける姉だったが、悩み苦しんだ結果、信じるものを見つけて安定を得る。そして、その姉に指摘されることで、語り手である主人公も同様の悩みを抱えていることに気づかされる。 また、両親も。 家族を描く小説だったが、下巻に...
最後は一気読み。読むのが辛くなる部分もあった。 変わった行動をとり続ける姉だったが、悩み苦しんだ結果、信じるものを見つけて安定を得る。そして、その姉に指摘されることで、語り手である主人公も同様の悩みを抱えていることに気づかされる。 また、両親も。 家族を描く小説だったが、下巻に来て、それ以前の生きることの意味を問う壮大な物語であることに気付かされた。
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すごいものを読んでしまった…と読後に茫然とした。 ひとりの男の生まれてから青年までの自叙伝的物語。 黒い感情もそのままに赤裸々に語られる。 そこに物語的な甘さはなく、むしろ苦いくらい。 でもだからこそ強烈に惹きつけられた。
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物語後半の、解説の又吉さんの言葉を借りるならば、それまでの立場を保てなくなった歩を見るのはつらかった。両親の離婚理由も。幸せになりたかった母と、幸せになることをやめた父。自分の、自分による、自分のための人生。サラバとは、何か。
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姉の変貌そして姉貴子を受け入れる母の変わりように歩は怒りや困惑を覚える。それは以前の貴子の様にも見えました。 姉に不満をぶつける歩。姉を恐れていたとは思えない描写だったけど、やっと普通の姉と弟に戻れてのかなと感じました。貴子の「自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない」の言...
姉の変貌そして姉貴子を受け入れる母の変わりように歩は怒りや困惑を覚える。それは以前の貴子の様にも見えました。 姉に不満をぶつける歩。姉を恐れていたとは思えない描写だったけど、やっと普通の姉と弟に戻れてのかなと感じました。貴子の「自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない」の言葉は、何かを他人のせいにしてきた自分の思いと重なったり。 1980年代から3.11の震災まで宗教や信じてきた当たり前の世界が壊れてきたけど、最後に残るのは人と人の関係なんですね。そしてヤコブとの再会。肩書きや外見が変わっても、サラバの言葉ひとつであの時に戻れてしまう。リセットされた歩のその後が気になりますね。
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