騙し絵の牙 の商品レビュー
大泉洋をモデルにした雑誌編集長・清水が雑誌トリニティの廃刊を阻止すべく奔走する物語。 序盤、編集者や作家、テレビ業界の人間など次々と人物が出て来て、イメージが追いつかなかった。サラリーマンの交渉戦術や男性らしい会話や関係が続き、今の自分とあまりにかけ離れた世界で、ただだだ、男の...
大泉洋をモデルにした雑誌編集長・清水が雑誌トリニティの廃刊を阻止すべく奔走する物語。 序盤、編集者や作家、テレビ業界の人間など次々と人物が出て来て、イメージが追いつかなかった。サラリーマンの交渉戦術や男性らしい会話や関係が続き、今の自分とあまりにかけ離れた世界で、ただだだ、男の人って大変…と思って読んだ。 後半、清水にたくさんの案件や問題が降り積もり、危機的状況が続くと読むペースがあがる。さらに、まわりの思惑を探る様子に謎解き要素が加わり、後半は一気読み。 そして、物語は落ち着いたかと思いきや、プロローグで意外な展開へ…読んでいて面白かった。 ただ、男性が好きそうだなぁという印象。 男の生き方として、物語としてカッコいいのかなぁ…。
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廃刊の危機に追い込まれた雑誌の編集長・速水の活躍、葛藤を描く一冊。 表紙のモデルに大泉洋を使っていることから、かなりエンタメ性の高い作品。雑誌の存続の為に出版業界でどのようなことが繰り広げられているのか、本好きな人間にとっては、結構重目の問題を取り上げているのに、エンタメ性が効い...
廃刊の危機に追い込まれた雑誌の編集長・速水の活躍、葛藤を描く一冊。 表紙のモデルに大泉洋を使っていることから、かなりエンタメ性の高い作品。雑誌の存続の為に出版業界でどのようなことが繰り広げられているのか、本好きな人間にとっては、結構重目の問題を取り上げているのに、エンタメ性が効いていて、全体的に読みやすかった。 映像化を踏まえた単行本化だったのか、映像になった作品も見てみたい気がする。
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出版不況と言われて、どこも人手が足りないなかで動き続け、中身にいまひとつ手ごたえを実感できないまま世に出してしまう。もどかしい気持ちを抱えながらも、時代の流れだからと、気持ちにフタをして動く。 出版に限らず、どの業界にも閉塞感はあって、物量作戦で利益を出そうと必死になっているん...
出版不況と言われて、どこも人手が足りないなかで動き続け、中身にいまひとつ手ごたえを実感できないまま世に出してしまう。もどかしい気持ちを抱えながらも、時代の流れだからと、気持ちにフタをして動く。 出版に限らず、どの業界にも閉塞感はあって、物量作戦で利益を出そうと必死になっているんだと思う。そして、その限界が見えつつあるのではないか、ということも。 速水のような大きなことはできないけれど、本のためにできることは何か、自分なりに考えようと思った。
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+++ 大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる! +++ 主人公の編集者・...
+++ 大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる! +++ 主人公の編集者・速水には俳優の大泉洋があてがきされているので、初めから明確なイメージを持って読み進められるという、テレビドラマを観た後で原作を読んでいるような不思議な読書体験ができる。ほんとうにこの速水、大泉洋氏以外では考えられないキャラクタである、と思ってしまった時点でまんまとやられているのだろう。エピローグがあるからこその騙し絵ということなのだろうが、流れとしては当然とも言えるのではないかとも思った。カバー写真の仕掛けも秀逸で、物語をよく表している。仕掛けでも内容でも愉しませてくれる一冊だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大手出版社の雑誌編集長の速水は上司から廃刊を匂わされ雑誌の存続と会社組織に翻弄されていく…。と思いきや最後の最後にどんでん返しが待っていてエンターテイメント作品として楽しめた。表紙になっている俳優大泉洋を「あてがき」したと思われる速水の描写も面白かった。
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頭の中で大泉洋が動く動く。 でも肝心の内容は期待ハズレだったかなー、策士の視点からだから、全然気がつけなくてそこは筆力なのだろうけど、全体として薄い気がする。
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それなりに楽しみながら読んだような気もしたが、ドラマの筋書きに過ぎないような印象は拭えないし、速水があのような会社を起こしたことにはあまり意外性は感じなかったし、何より取ってつけたようなエピローグでもって騙されるとはもってのほか。
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雑誌「トリニティ」敏腕編集長の速水は,低迷する出版業界の流れのなか,雑誌の存続のために奔走する。 出版社,編集者,作家が,たぶん本当にそうなんだろうなと思うぐらいにリアルに描かれて引き込まれる。
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塩田武士が大泉洋を“主演”に迎えた小説。出版業界を舞台に描かれる、時代に取り残されつつある働く男の物語。サラリーマンなら感情移入必至。連載小説で雑誌編集部というメタ構造も面白い。業界の描写とかリアルなんだろうなぁ。そしてラストで明かされるタイトルの意味!鮮やかで怖くて、でも爽快...
塩田武士が大泉洋を“主演”に迎えた小説。出版業界を舞台に描かれる、時代に取り残されつつある働く男の物語。サラリーマンなら感情移入必至。連載小説で雑誌編集部というメタ構造も面白い。業界の描写とかリアルなんだろうなぁ。そしてラストで明かされるタイトルの意味!鮮やかで怖くて、でも爽快。
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策士が視点になるとこうも気づかないものなのかと。視点が変われば完全犯罪の犯人にでもなれそうなほどの策士だったよ。いや、殺人なんてしてないんだけど。それも最終章がないとわからない。 あっという間に読み終わった。 ただ、大泉洋…ではないような。あんなにやり手…(失礼) というのはわた...
策士が視点になるとこうも気づかないものなのかと。視点が変われば完全犯罪の犯人にでもなれそうなほどの策士だったよ。いや、殺人なんてしてないんだけど。それも最終章がないとわからない。 あっという間に読み終わった。 ただ、大泉洋…ではないような。あんなにやり手…(失礼) というのはわたしが北海道民で水曜どうでしょうを全て見てしまっているせいなのかも知れない… 出版社の編集の現場は本当にこんな感じなんだろうなと思えるリアルさもあり。 紙媒体が好きな一個人として速水のような編集者がたくさんいてほしいと心から願うのです。
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