幻夏 の商品レビュー
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毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬、左遷され交通課勤務は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友、尚の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」冤罪だった。美人の母、身重が弁当を届ける「あの人は人を殺せません」が刑事は「自白した」(嘘)そのショックで早産。刑事は弁当を見せる。救急車のサイレンで妻が運ばれたの知り、やりましたという。 別件逮捕した男が真犯人。冤罪を訴える前に本人が死んだため、尚は人殺しの子。ばれる都度に引っ越す。 3才したの弟拓は知らない。家の相続で相続放棄をしろと叔父に言われて、全てを知った。 父親が9年後出所して三島に会いにくる。その日に階段で転落死 尚と母は死体確認。 あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。 探偵事務所の鑓水に23年前に行方不明になった息子を探してくださいと美しい40-60才の女性の家に呼び出され依頼される。300万円と鍵を渡され断れず。 女性はそのままいなくなった。車で待っていた修司が追ったが駅のホームで見失う。 相馬は元最高検察庁次長刑事の孫の理沙の失踪事件の捜査本部にいた。手柄取りを狙う刑事達から全く情報がとれていない。 相馬刑事が尚と幼馴染。現在の失踪事件と23年前の事件の発生場所には同じ印があった。 捜査本部にいた研究員が興味を持ち調べた。 研究員が尚だった。 父は冤罪。真犯人がわかり、離婚した妻と二人の息子に会いに行く。 石段で二人の息子に遭遇。尚は、人殺しの父が嘘をついていると思った。拓はそれを知らない。石段から拓が投げた石が父に当たり階段から転落。死亡。アリバイを作る為に、家の時間をずらす。夜の仕事で働き、午前中は寝ている母を起こす。父が死んだ時刻は家で昼食。犯行時刻、近所の耳の遠い老人宅から聞こえた豪華客船紹介番組。内容を記憶。刑事が来て、父の死と冤罪を伝えてた。弟の拓を守る。刑事は母を疑っている。死体確認に同行。 刑事が豪華客船番組のアリバイを疑う。テレビを見てないので、豪華客船の写真を見せられたたらアリバイが崩れる。神戸まで新幹線で観に行くが台風で既にに出向。疾走することにした。ランドセルを川沿いに置く。教科書の中が失踪した翌日だった。//=|を失踪した場所に残す。ナオを分解した記号。 施設で育ち刑事になり、自白による冤罪を研究。 法学部の学生になった拓が叔父の遺産放棄要求から、父親の冤罪について全てを知る。 精神的の壊れた。無垢な人間を撲殺し社会に復讐。 尚が//=|のマークに気がつく。拓に会いに行き、殺した。 父の冤罪に関わる裁判官、検察官、担当刑事を巻き込む誘拐事件を起こす。 殺害し、海に死体遺棄と自白させたが死体がない。尚は記者会見の直後、誘拐した少女と飛び降り自殺をはかる。自白が検察側の捏造だと証明する為に。 相馬、鑓水、修二の誘拐された少女はまだ生きている。尚にこれ以上、人殺しをさせないように追いかけた。制服警官が飛び込む寸前で尚に発砲。一命はとりとめたが寝たきり状態 孫が誘拐された最高検察庁自供検事は冤罪に対しても、法的に問題なしとゆずらない 父親の無罪を証拠のアリバイ発言を検察側が持っていたことを告げても変わらず 尚は、父が最後に言った、あいつらは何だってできるんだ。一度疑われたら、やっていようがいまいが、どうあっても犯人にされてしまう。 相馬が偶然、捜査本部で会った研究官、倉吉が尚だったこと。 尚の父が冤罪だったこと。その復讐だったことは3人と相馬の上司のみ知る
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日本の司法の闇に迫ったストーリー。冤罪について知りたい人は読むべき。というか知るべき。 一昔前のものだと思っていた警察の取り調べが話の中で描かれており、出版した年を確認すると2013年。マジかよ、最近じゃん。 本当に悲しい話なので普通に眠れなくなりました。謎解きにも睡眠を削られま...
日本の司法の闇に迫ったストーリー。冤罪について知りたい人は読むべき。というか知るべき。 一昔前のものだと思っていた警察の取り調べが話の中で描かれており、出版した年を確認すると2013年。マジかよ、最近じゃん。 本当に悲しい話なので普通に眠れなくなりました。謎解きにも睡眠を削られました。死ぬほどフラグが立てられているのに、暗号の意味、父親を殺した犯人、少女を誘拐した犯人……何一つ分かりませんでした。笑。伏線の回収は非常に鮮やか。 兄弟の両親は劣悪な環境に置かれていたのに、何故こんな良い人たちなんだろうな…切ない…。
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読み進むにつれて面白さが増していく作品だった。 細部ではどうかと思う所はあったが、上手く構成されていると思った。 脚本家らしくその場面の映像が想像しやすい。 と言うよりは自然と映像が浮かんでくる感じがする。 文章の行間を味わうとは違った読み応えがする。 不思議な感じがした。 少年時代の切ない想いと今のスリリングな展開が交差する。 秀作だ。
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2020.09.06.読了 太田愛作品は3本目。 読む順番を間違えてしまったが、あまり問題はなかった。 星数が語っている通り、この作品が1番おもしろかった。 どんどん引き込まれて先が読みたくてしょうがなくなる。 テーマは、冤罪。 日本の刑法、捜査システムなど多くの問題点を指摘しな...
2020.09.06.読了 太田愛作品は3本目。 読む順番を間違えてしまったが、あまり問題はなかった。 星数が語っている通り、この作品が1番おもしろかった。 どんどん引き込まれて先が読みたくてしょうがなくなる。 テーマは、冤罪。 日本の刑法、捜査システムなど多くの問題点を指摘しながら物語は進んでゆく。 悲しく切ない物語に季節感、時代や風景が絡んで目の前に情景が浮かんでくる オススメの逸品!
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冤罪を真正面から取り上げた物語。『十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ』という法格言は日本の裁判では絵に描いた餅。 でも自分の立場が変われば考え方が変わってしまう可能性もある。 だから学ぶことを止めてはいけないな……。
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レビューを拝見して、読みたくなった本です。ありがとうございます。 大変面白く、読みごたえがありました。 文庫版の帯に、 「そんな!こんな切ない展開あり…!? 誰か嘘だと言ってくれ!! 12歳の夏、突然消えた親友は何を求め、何を失ったのかー」とあります。 単行本が出版されたのは...
レビューを拝見して、読みたくなった本です。ありがとうございます。 大変面白く、読みごたえがありました。 文庫版の帯に、 「そんな!こんな切ない展開あり…!? 誰か嘘だと言ってくれ!! 12歳の夏、突然消えた親友は何を求め、何を失ったのかー」とあります。 単行本が出版されたのは、2013年ですが、私が最近読んだミステリーの中ではダントツに面白かったです。 テーマは冤罪。 かなり深いところまで警察管や検事の病理が描かれています。 ストーリーは、母と息子、兄と弟の関係が本当にせつなく、やりきれないとしか言いようがなかったです。 この作品の作者はドラマ『相棒』の脚本家の方なんですね。この作者の他の作品も是非読んでみたいと思いました。 以下、途中までのストーリー。 23年前、警察官の相馬亮介のかえがえのない、ひと夏の親友だった12歳の少年、水沢尚が失踪しました。 母親の水沢香苗が捜して欲しいと、今になって相馬の友人のやっている興信所に頼んできますが、香苗と尚の弟の拓はともに300万円置いて行方をくらまします。 尚の父で香苗の夫だった柴田哲雄は、殺人犯としての九年の懲役が終わってから、冤罪が晴れて23年前の尚のいなくなる四日前に香苗の家の近くで転落死しています。 そして23年後、哲雄の事件にかかわった検事の孫娘が失踪。同じく裁判官の息子が容疑者として逮捕されます。 果たしてこれは復讐なのか。 そして、事件は二転三転としていきますが…。
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おもしろかった。次々に展開していくストーリーにのめり込む。恩田陸のドミノって作品があったけど、登場人物多くて辟易したあの作品と同じくらいのテンポで進んでいくそのリズムが息をつかせる暇もなかった。いや、それは言い過ぎたかも。そのテンポは全て、尚の失踪に残された多くの謎から端を発していて、ちょっとこじつけめいたところも感じなくはないけど、ちゃんとミステリーだった。拓も尚も亮介も、あの夏のまま、幸せでいて欲しかったな。この作品のテーマが、司法の信を問うためのものなら、この胸糞展開も「これでいいのか!」っていうメッセージに受け取れなくはないんだけど、いかんせん勧善懲悪好きの私としては、哲雄氏の冤罪に関わっておきながらのうのうと開き直って生きている輩全てが不幸のどん底に陥るラストを期待していました。というわけで、ラストの裏切られ感に星三つ!
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犯罪者に続く2作目。個人的には、1作目と3作目の方が好きだけど、これも面白いよ。 ぜひ続きもので読んでみよう。
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夏になったら読もうと思ってたこちらの作品。『犯罪者』に続いて、太田愛さんのご本は2冊目。 前作と主要人物は同じで描かれている。 今回は冤罪事件が題材。 警察の人とか司法の人は、もし自分が冤罪事件に関わっていたら、こんなに簡単に忘れてしまうものなのかな?などなど、ちょっと疑問に思...
夏になったら読もうと思ってたこちらの作品。『犯罪者』に続いて、太田愛さんのご本は2冊目。 前作と主要人物は同じで描かれている。 今回は冤罪事件が題材。 警察の人とか司法の人は、もし自分が冤罪事件に関わっていたら、こんなに簡単に忘れてしまうものなのかな?などなど、ちょっと疑問に思うことがあった。 自分だったら一生悔いそうな気がするんだけど…。 でもこの本で語られている通り、証拠の捏造などがあった実際の冤罪事件が起こったのを考えると、ちょっと何もかもが信じられなくなってしまった。 怖いよね…。 太田愛さんはTVドラマ『相棒』の脚本もされている方なので、読んでると『相棒』でありそうな権力とかそういうのへの反発とかが描かれてる。 そして読んでると、これあの俳優さんぽいなぁとか『相棒』に当てはめて考えてしまうよ。
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