人形たちの白昼夢 の商品レビュー
2018.7.30 読了 人形と青いリボンがモチーフとなった 短編集。 私は 最後の方の『モンデンキント』が よかったかな。
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幻想的な情景が広がる短編集。読み終えたあとほおっと余韻に浸れました。 『ガーデン』、『あとかた』を読んでおり、現代小説の印象が強く、その中で幻想的な描写や情緒ある表現が魅力的でした。そんな儚くも強烈な印象が残る世界が全面に出た作品集でした。
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短編12編それぞれが独立していて、でも何かを象徴するかのように青いリボンで繋がれている。漂うリボンと、無機質な人形。残酷で美しい幻想的な世界。千早さん、好きだなぁ。最後に読んだからか、「モンデンキント」が良かった。はてしない物語、読み返したいな。
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荒廃した世界。空爆から身を潜め、何者かに 導かれるようにして目を開けると、 自動機械人形が現れ…。「リューズ」をはじめ 全12編を収録。幻想と現実が溶け合う美しき短編集。
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幻想的な雰囲気をまとった大人のための童話を集めた小説集、というのでしょうか、台詞や展開を楽しむというより、描かれる世界の設定やディテールを味わう物語のように感じました。 たとえば想像力をかきたてる料理の描写だとか、人形たちの姿だとかに、完全な異世界ではなく鏡の向こうの近くて遠い...
幻想的な雰囲気をまとった大人のための童話を集めた小説集、というのでしょうか、台詞や展開を楽しむというより、描かれる世界の設定やディテールを味わう物語のように感じました。 たとえば想像力をかきたてる料理の描写だとか、人形たちの姿だとかに、完全な異世界ではなく鏡の向こうの近くて遠い世界を覗いているような感覚を抱くのです。 それは普段見えない世界を見てしまったかのようで…まるで禁忌を犯したかのような魅惑だともいえるでしょうか。そういう日常から切り離された雰囲気に浸れたお話でした。
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表紙に印象的に描かれている「青いリボン」が紡いでいく12の短編集。 どの短編にも出てくる「人形」が幻想的で美しくも儚い世界観を醸し出す。 何も喋らず表情のない人形たちに誘導されるように千早さんの世界観にどっぷり嵌まる。 見事にどの短編も違うタイプの物語で、千早さんの引出しの多さに驚く。 けれどどの短編も独特の雰囲気を纏い、各々の頁数は少ないのに読後の余韻が波のように押し寄せるので、次の短編に行く前に一息つかなければならない。 湿っぽい薄暗い世界の中に一際鮮やかに澄んだ青いリボンは眩しすぎて、思わず目を逸らしてしまいたくなる。 「プッタネスカ」「スヴニール」「ワンフォーミー・ワンフォーユー」が特に好き。
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バーでの出会い、裏町に住む女たちの悲哀。どこかにひっそりとあるレストランのフルコース。山に住む少女と生き物たちの死と生を、囚われた人たちの一筋の自由を、えがいた短編集。青いリボンをつけた人形が時代も空間も超えてそこで微笑んでいる。 青いリボンで繋がれた哀しくて美しい短編集。女た...
バーでの出会い、裏町に住む女たちの悲哀。どこかにひっそりとあるレストランのフルコース。山に住む少女と生き物たちの死と生を、囚われた人たちの一筋の自由を、えがいた短編集。青いリボンをつけた人形が時代も空間も超えてそこで微笑んでいる。 青いリボンで繋がれた哀しくて美しい短編集。女たちの悲しみが濃い『プッタネスカ』優しさの滲む『スヴニール』現代劇のような『マンダリン』が好きだった。
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短編小説12編 人形たちあるいはこの世の不思議な存在あるいは唯一無二のものと関わる少し不思議な物語,切り口が洒落ていて,とくに「ビースト」が良かった.
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時間が止まったような薄いグレーの世界に鮮やかなブルーのリボン。 居心地が悪いけれど立ち去れず、傍で覗き見しているような妙な感覚。 現実味がない実体感が残る。
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千早さんらしい、リアルと幻想の境目を行き来するような短編。どの作品にも人形と青いリボンが象徴的に出てくる。 ん~だけど、共通点はそれだけのバラバラの短編、掌編を何故、同じ作品に編んだのかがわからない。 時代も、国も、登場人物もそれぞれ違って、統一性も感じられず、これらの物語が連なる必然性が感じられない。私の読み込み不足なのかもしれないけど・・・ 大半の作品に共通する童話のような語り口も好きになれず、最後まで戸惑いの中で読了。千早さんはもういいかな・・・
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