リラとわたし の商品レビュー
The New York Times 紙の 100 Best books of the 21st centuryの1位に選ばれていたので読んでみました。 熱狂的に面白いわけではないのに続きが読みたくて、晩御飯を1品のみでチンで済ませ、登場人物の名前を何度も確認しながら8時間ほどで...
The New York Times 紙の 100 Best books of the 21st centuryの1位に選ばれていたので読んでみました。 熱狂的に面白いわけではないのに続きが読みたくて、晩御飯を1品のみでチンで済ませ、登場人物の名前を何度も確認しながら8時間ほどで読了しました。どういうところが面白いか説明できないけれど、面白かった。 1944年頃に生まれたわたし(エレナ)と風変わりなリラの幼年期と思春期のお話。日本もそうだったように、イタリアも亭主関白の国なので父と兄の権限はとても強い上、子供は労働力として必要とされて学校に行かせてもらえない貧しい時代。そんな時代に2人がどう学んでいき、大人へと成長するためにどんな選択をして、どんな人と恋に落ちるか、気になりっぱなしでした。登場人物たちが良い人なのか悪い人なのか一口では言えないところがモヤモヤするところ。 リラにはかなわないのはわかっているけれども負けたくなかったり、時には距離を置きたくなるエレナ。でもやはり心からお互いの幸せを願いあう2人の友情がいい。 リラが本を読むことをやめた本当の理由は?(オリヴィエロ先生が気になる)。リラの選択がそれでいいのか(次巻ではやっちまってくれ!)。そしてエレナの生き方は…気になりながら次巻に続きます。
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2024.8.29市立図書館 ツイッターかブルースカイのTLで流れてきて興味を持った本。1950年代のイタリア・ナポリを舞台に正反対のキャラの少女二人の友情を描いていく物語(幼年期から晩年までを描く四部作の一冊目)ということで、一冊目は柚木麻子「本屋さんのダイアナ」あるいは三浦し...
2024.8.29市立図書館 ツイッターかブルースカイのTLで流れてきて興味を持った本。1950年代のイタリア・ナポリを舞台に正反対のキャラの少女二人の友情を描いていく物語(幼年期から晩年までを描く四部作の一冊目)ということで、一冊目は柚木麻子「本屋さんのダイアナ」あるいは三浦しをん「ののはな通信」のような感じなのかな、とイメージしつつ…。 この間は短く謎に満ちた序章に続いて「幼年期」「思春期」の三章で、語り手で平凡な優等生のレヌー(エレナ)とカリスマ的な才能を秘めた友達のリラが16歳になるまでの二人の友情を軸にナポリの下町の濃密な人間関係が描かれている。幼いうちは無自覚だった自分の生まれ育った家族や環境、土地の背後にしみついたさまざまな歴史や逃れられぬしがらみに少しずつ気がついていく過程とその心理がとてもていねいに書かれていて、はじめに人名になれるまではちょっと時間がかかったが中盤からは巻を措く能わずという感じで読めた。といっても、最後は返却期限に追われてだいぶ飛ばし読みをしなければならなかったが。(→2巻を読み終えて11月に入ってから再度借りてゆっくり読んだ) 南イタリアの話だが、学校で習った標準語で話すことと家族や仲間内で地元の言葉で話すことが全く別のものという感覚が興味深い。でもそのスイッチがないのはたまたま首都圏育ちだからで、日本でも方言と共通語を切り替えて使い分けている人は意外と多いのかな。 作家はペンネームで、覆面作家らしい。続きの本ももう翻訳が出ているのならはやく読みたい(←四巻まで図書館に入っていることが分かったのでさっそく次を予約した)。
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孤高のリラと、そんな彼女をいつも追いかけてしまうエレナの友情の物語。4部作の1冊目。 ただただ周りに翻弄される幼少期から、諦めも含めて道を選択していく思春期までを描いている。 評判の割にどこから面白くなってくるんだろう、、と諦めそうになりつつも読んでいると、主人公達の不器用(でも...
孤高のリラと、そんな彼女をいつも追いかけてしまうエレナの友情の物語。4部作の1冊目。 ただただ周りに翻弄される幼少期から、諦めも含めて道を選択していく思春期までを描いている。 評判の割にどこから面白くなってくるんだろう、、と諦めそうになりつつも読んでいると、主人公達の不器用(でも、どこか自分にも経験があるよう)な毎日が、どう変化していくのか、段々のめり込んでしまった。 残り3冊を読み進めるには少し腰が重たいが、これからの展開が気になる。
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「自分の意見は断固主張しながらも、非の打ち所がない普段の行いによってあらゆるひとたちから信頼を得てバランスを取るのだ。」(376頁)
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ナポリの乾いた熱い空気、海の青、苛ついた街の閉塞感。生き生きとした文体と主人公たちに惹きつけられて一気読み。衝撃の巻末に呆然としながら、続編の出版を焦がれている。(読了後直後の感想) 読み終えてから2週間が経過してるのに、印象的な文章が多いからか、日常生活でふといろんな場面の断片...
ナポリの乾いた熱い空気、海の青、苛ついた街の閉塞感。生き生きとした文体と主人公たちに惹きつけられて一気読み。衝撃の巻末に呆然としながら、続編の出版を焦がれている。(読了後直後の感想) 読み終えてから2週間が経過してるのに、印象的な文章が多いからか、日常生活でふといろんな場面の断片が蘇る。イタリアの名前が似ているのでなかなか覚えられないのに、人物を読み分けられる翻訳が素晴らしい。
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