星の子 の商品レビュー
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カルト教団にハマっていく親に、違和感を感じながらも親を理解をしていく子供目線で語られるストーリー。 親がカルト教団にのめり込んでいったキッカケは、子供の皮膚病や病弱な体質が魔法の水で治ったことからだった。 家の私財をつぎ込んでいるからだろうか、うちはどんどん貧乏になり長女は家出。 家庭はいつ崩壊しても、おかしくない状況。 叔父や他人から親の怪しい言動を指摘されわかっているが、親を擁護する子供の気持ちが痛くさえ感じる。 親が否定されることは自分も否定されることだと子供心にわかるのだろう。 最後に流れ星を追うシーン。 見えた親と見えない子供、行き違いがいつまでも続く。 見えなかった子供は親が見えたと話す流れ星を一生懸命に探し、親に理解を示す子供の気持ちが描かれて物語は終わる。 家族の形を壊したくないと子供は本能的に思うのだろうか、奇妙な感覚になる。 親は子供にイビツな愛情を注ぐ、子供はそんな親のことをイヤだと思っても完全に離れることができない。 親への愛情と嫌悪感が押したり引いたり、そして砂磁石のように子供は親の元へ引き込まれていく。 たとえどんな親であっても、子供は親を信じ子供の時の記憶は楽しく永遠に持ち続けるのだろう。 家族とは、親とは、自分にとってどういうものか、考えさせられる本。 映画化もされている。 映像で見るのも楽しみな1冊。
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生まれた娘が病弱だったけど、会社の人からもらった 「金星のめぐみ」という水のおかげで 徐々に健康になっていった。 そこから、どんどん宗教に染まっていく両親。 その娘目線の話。 宗教に対して生まれた時から当たり前のように 身近に感じていたのに、だんだんとそれが 他の人から見ると異...
生まれた娘が病弱だったけど、会社の人からもらった 「金星のめぐみ」という水のおかげで 徐々に健康になっていった。 そこから、どんどん宗教に染まっていく両親。 その娘目線の話。 宗教に対して生まれた時から当たり前のように 身近に感じていたのに、だんだんとそれが 他の人から見ると異質であることに気づく主人公。 どう話が終わってくのか気になったけど、 なんとなく、宗教にのめり込む両親のことを 受け止めたような、思ってたのと違う終わり方だった。 なんか、もう少し自分の考えを言うのかと思ってた。 でも、それがリアルなのかも。 中学生という年齢で、当たり前に宗教があって… そんな中で生きていたんだから、 これがリアルなのかなーなんて思ったよ。
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何が正しくて何が正しくないことなのか、何がよいことで何がよくないことなのか。区別することは私の凝り固まった価値観なのでは?と、時々思い出すけど、まあ都合よく無意識に忘れながら生きている。
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「神曲」読了後、あっという間に読了。情景描写が少なく会話が中心だったからかな? 信仰が題材の作品が続いたのはたまたま。 目に見えないものを信仰する気持ちはわからないけど、ちひろの両親が落合さんの勧めを信じ続けた気持ちはわかる。娘のあらゆる症状に効果があったなら信じ続けたいし、疑うことへの恐怖もあったんじゃないかと。 信仰心に賛同するつもりはないけど、今回のケースって信じることで誰かに迷惑かけたのかな?と。無闇に勧められたら迷惑だけど、信じたいものを信じ続けることは悪じゃないと思う。 信じるに至った背景は人それぞれで、信じることで救われることがあるのも事実で。 身近にちひろ一家みたいな友達がいたら止めさせたくなるかもしれないけど、それが正しいことかはわからない。「流浪の月」を読んだからこそ思うことだけど、当人のことは当人にしかわからないし、周りがとやかく言うことでもないのかなと。(迷惑かけてたら話は別だけど) でも信じることで離れていく関係性もあるし、親子関係では親の信仰を子どもは選べないから不憫なこともある。自分で選んだことなら自己責任だけど。 今回も消化し切れずまとまりなし。。 公園のカッパのくだりは笑っちゃった。
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誰にでも起こりうる事なのか…正直、殺人事件などよりもこのような話の方が身近に感じ、鳥肌が立った。 ちひろちゃんは救われてほしい。
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信じる力って、凄い。 宗教とか、考え方とか大事にしてるものは人それぞれだからそういうものを持っているのは良いことだと思うけど、だれかに強制するのは良くない。 信じるもののなかで、その人が幸せなのであればそれでいいのかもしれない 自分と、周りが崩壊しない限り
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一人娘が幼少期に身体が弱く、心配した両親が新興宗教にどんどんのめりこんでいく。その家庭を普通だと思いながらそのまま育っていく少女の物語。 生まれた時からそういう環境に育つと、まわりからは奇妙で不可思議に見えることも、なんの疑問も抱かずに受け入れていくことが出来るのかな。主人公の...
一人娘が幼少期に身体が弱く、心配した両親が新興宗教にどんどんのめりこんでいく。その家庭を普通だと思いながらそのまま育っていく少女の物語。 生まれた時からそういう環境に育つと、まわりからは奇妙で不可思議に見えることも、なんの疑問も抱かずに受け入れていくことが出来るのかな。主人公のちひろの感覚で書かれているので、なんともいえない気持ちになったまま話が進んでいく。 何か進展があるのかな?と思っていたら「ん?ラストこれ?」なんだか消化不良感の残る終わりかた。
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うーん. わらをも掴む気持ちで試した水がきっかけで入ってしまった宗教. 娘の幸せを願ってのはずが…娘と離れる事になってもやめられないものなのかな… .
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親があやしい宗教にのめり込んでいく娘が主人公。 信仰を自分を信じているのか、周りおかしいということが正しいのかの狭間で葛藤している話。 大きな結末を迎えたり変化があるわけではないけれど好きだった。 自分の親がそうだったら…と思うと完全に信じるわけではないけど信じてないわけでもないと思うんだろうなと思う。 信じるものがあるって羨ましいし、周りがどう言おうと揺るがない指針があるのはいいなと思う。 いくら親が何を信じていようと周りからどう見られていようと娘は愛してるという事実は変わらない。 あ、そういえば、姉は家出して帰ってきてないまま。どうなったんだろう…
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『琥珀の夏』を読んで、こちらも読んでみたくなりました。 『琥珀の夏』は常に緊張感のある読書だったけれど、こちらはゆるーくて、ふわーっとしていて、時々クスクスしたり吹き出したりの読書でした。 新興宗教に対して人それぞれ色々な意見があると思うけれど、この作品を読み終わった今、私は本人...
『琥珀の夏』を読んで、こちらも読んでみたくなりました。 『琥珀の夏』は常に緊張感のある読書だったけれど、こちらはゆるーくて、ふわーっとしていて、時々クスクスしたり吹き出したりの読書でした。 新興宗教に対して人それぞれ色々な意見があると思うけれど、この作品を読み終わった今、私は本人が幸せならばそれでいいのではないかなぁと思います。 ちーちゃんのお父さんとお母さん、仲睦まじくて、私には幸せな夫婦に見えました。ただ思春期のちーちゃんからすると、『あれが私の両親です』とはなかなか言えないよなぁ。 先日読んだ岸田奈美さんのエッセイに書かれていた言葉 「自分が選んだパートナーこそが家族の最小単位」 これが念頭にあれば苦しむ人はいなくなるのではないかと思います。 近頃よく耳にする“親ガチャ“ではないけれど、実際親は選べません。子どもは親の所有物でも一部でもないのだから、子どもは自由に生き方を、パートナー(家族)を決めていいのだと思います。 親も子もお互い依存したり強制したりしなければみんなが幸せになれると思います‥‥まぁ、それが難しいんですけど‥‥ 物語の最後ははっきり描かれていなかったけれど、私はそれぞれがそれぞれの方向へ進んでいくのではないかな、と思い本を閉じました。
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