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星の子 の商品レビュー

3.4

302件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    95

  3. 3つ

    131

  4. 2つ

    23

  5. 1つ

    8

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2022/11/11

キレイな装丁とタイトルに惹かれ手に取ったこの作品。 主人公は小さい頃から病弱だった林ちひろ…娘が苦しむ姿をなんとかしてあげたいと、両親がのめり込んだのが「宗教」…。ちひろは生まれながらに「宗教」に属しており集会や研修旅行などに自然な形で参加し自身の居場所を作っていくが…ちひろの姉...

キレイな装丁とタイトルに惹かれ手に取ったこの作品。 主人公は小さい頃から病弱だった林ちひろ…娘が苦しむ姿をなんとかしてあげたいと、両親がのめり込んだのが「宗教」…。ちひろは生まれながらに「宗教」に属しており集会や研修旅行などに自然な形で参加し自身の居場所を作っていくが…ちひろの姉は家出し、両親はますます「宗教」にのめり込む…。 読み終えてみて、これから何かが変わっていくんだなぁ…そう漠然と感じました。ちひろにも高校生になったらバイトしたり、友達とカフェで恋バナするような当たり前の日常があるといいなぁ…そんな風に願ってしまいました。

Posted byブクログ

2022/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずっとこのまま目覚めずにいられたら。 今話題の宗教2世を主人公にした物語。ちひろは幼い頃身体が弱かったのだが、父親の会社の人から紹介された「水」でよくなった。それから両親は熱心な信者となり、ちひろも会の活動に参加している。姉は出て行った。友人たちはちひろの家のことを知っているが、交流を続けている者もいる。ちひろには会の人間関係もある。両親が大切にしていた「水」をすり替えて目を覚まさせようとして失敗した叔父は、夫婦でちひろに家から距離を置くように薦めてくる。 ちひろが盲目的なのではない。気付いていないはずはない。ただ、幼い頃からずっと当然のように過ごしてきた環境に、NOを言うのは簡単なことではないのだ。読み進めるにつれて、ちひろの心が軋んでいるように感じる。ヒビが入っているような。 側にいる友人・なべちゃん、その彼氏・新村くんはちひろの家がその宗教を信仰していることをわかったうえで、ちひろに対してフェアに接しているようだ。片思いの相手であった教師がちひろを理不尽に扱ったときは寄り添い、ちひろの宗教的な行動に言及はしても批判はしない。その教師がちひろに示した態度でちひろがショックを受けたときこそ、「連れ出す」チャンスだったのに。 この後ちひろはどうするのだろうか。見え始めている違和感に対して、行動するのだろうか。姉が出て行くことを選んだように。それとも見えない振りを続けるのだろうか。流れ星が見えない両親と共にずっと星空の下で過ごしたように。

Posted byブクログ

2022/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

病弱な娘を助けようとカルト宗教に嵌っていく両親に育てられたちひろ。姉は家を出ていく。手を差し伸べてくれる親類もいるがどうにもならない。ちひろは物心ついた時からそういう環境にいるから、何かおかしいとどこかで思いながらも、その生活が当たり前だと思っているのか。それでもちひろは不幸だったとはいえないと思う。宗教だけでなく何かを信じて周囲が見えなくなることは誰にでもあると思う。この話の最後の続きは幸せであってほしいけれど、そうならないような気もする。あの情景を想像すると不穏な空気を感じる。

Posted byブクログ

2022/09/24

宗教2世という言葉が今のように知られていない頃に書かれた作品。それなのに、例のあの事件のあの容疑者を思い浮かべてしまう。叔父さんも容疑者の叔父と重なる部分がある。 信じている人は純粋に信じていて、外側から見た時の異様さには気がつかない。 そのコントラストが見事です。

Posted byブクログ

2022/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宗教一家に育った主人公の話。 あのなんとも言えない宗教の空気と、それを信じている人たちは善いと思ってやってる感じ。 そして、それを外から見た時の異様さ。 その中に入ってしまっている主人公の生き様がリアルでおもしろかった。

Posted byブクログ

2022/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画を観てよくわからなかったので読んでみたけど、けっこう原作どおりだったみたいで、読んでもやっぱり、これはどういう話なんだろうと思ってしまった。 こういう新興宗教のことはあまり知らないけれど、よく描かれているのではないかなと感じた。 藁にもすがる両親の思い、その後も手放せない信仰。二代目であるちひろは、自然に宗教を受け入れているけれど、周りに変だと思われていることも知っていて、ちょっとやだなと感じる場面もありながら、大好きな両親とともに宗教と関わりながら生きていく。 ちひろは反発してもいい環境ではあるんだけど、家族が大好きで、宗教にもなんとなく参加しつつ、淡々と生活している印象。この淡々とした感じが、心地いい。この子好きだな。 何かが起こるわけでもなく、最後両親になかなか会えないのは事件か?と思ったらそういうわけでもなく、星を眺めて終わるというラストは、どういうことなのかな。このまま平穏に、小さな波もありつつも、家族で穏やかに暮らしていくという描写なのかな。

Posted byブクログ

2022/08/03

何かを心の支えにして生きていくことは悪いことではない。ただ、いわゆる宗教2世の方たちは、自分でそれを選んだわけではないのが難しいところだなと思いました。 ちひろにとって、当たり前のことを「おかしい」と果たして言えるのか。周りの人は目を覚まさせようとするけれど、覚めた先に幸せが待...

何かを心の支えにして生きていくことは悪いことではない。ただ、いわゆる宗教2世の方たちは、自分でそれを選んだわけではないのが難しいところだなと思いました。 ちひろにとって、当たり前のことを「おかしい」と果たして言えるのか。周りの人は目を覚まさせようとするけれど、覚めた先に幸せが待っているとも限らない。何が正解なんだろうとおもってしまいます。 それほどドギツい描写もなく、ときどき怪しさの感じられる部分があるものの、全体的に穏やかな雰囲気なのがある意味不気味なのかもしれません。

Posted byブクログ

2022/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あっという間に終わってしまった あっという間の中に不穏と切なさが入り混じっていてなんてうまいんだと思った 敬遠されてしまう宗教の家の子の表現、最初は少し目立たない子くらいの描写でちひろの学校には表立って避けるような子はいないみたいだが、 あの教師、ネトっとした自分以外の人間を小馬鹿にしている描写がうますぎて文字越しに即お近づきになりたくないと思ってしまった 教師に面罵された時にかばってくれた子の純真な心に私も救われた そうだぞ、お前なんか描いてないんだぞと あの朝、あの子と会話していて本当に良かったねと 最後、ご両親はちひろとの別れを覚悟していたんだろうなと思った あのご両親はちひろにタオルを乗せて学校に行けなどとは強制をしていないので私が読んできた宗教の家の子に比べたらだいぶまともなのではと思ってしまった ただ、子供が親が世間から外れているのを認識してしまうとちひろの姉のように抵抗するだろうし、そこで子のために信仰をやめるのは難しいのだろうな だが信仰の自由で子を縛ってしまうのはなんとも良くない でも信仰したいものがある場合はどうしたらいいんだろうな 私は不可知論者なので宗教も神の存在も基本的に信じていないが、他の人が信仰しているものに関しても私に強制しないのであればどうぞお好きにのスタンスでいる が、親子関係に宗教が入るとそのスタンスもかなり難しくなるなとこの本を読んで思った なべちゃんの彼氏の「そうか。信じてるのか」に思わず涙がこぼれた 否定も肯定もしないことの優しさ 受け入れなくていいから、拒絶はしないことの難しさ この一文に出会えて良かった

Posted byブクログ

2022/06/19

今村さん3冊目。 この作品は、両親が怪しい宗教にのめり込んでしまい、それが普通だと思ってきたちひろが成長、世の中の普通と違う現実に葛藤しつつも、自分の居場所はやはりここなんだな、と感じた、と言う事なのかな。 作風は柔らかい感じで読みやすかったが、他の登場人物がイマイチわかりにくか...

今村さん3冊目。 この作品は、両親が怪しい宗教にのめり込んでしまい、それが普通だと思ってきたちひろが成長、世の中の普通と違う現実に葛藤しつつも、自分の居場所はやはりここなんだな、と感じた、と言う事なのかな。 作風は柔らかい感じで読みやすかったが、他の登場人物がイマイチわかりにくかった。落合さんの息子とかどう言う理由での登場だったのだろうか。後からの登場を期待したが結局なかったし、意図がわからなかった。 親の世界観はダイレクトに子の"世界"となる。何が本当に子のためになるのか、よく考えたい。

Posted byブクログ

2022/06/12

ん?ラストをどういう風に読めばいいのだろう… 信仰宗教系はちょっとだけ読んできたけれど、いちばん穏やかでいちばんよく分からない。 親と子の、少しずつずれていく形? 実は心にずっとあった微かなもやもやが、これからどんどん大きくなっていくのか? ちーちゃん、これからどうするんだろ...

ん?ラストをどういう風に読めばいいのだろう… 信仰宗教系はちょっとだけ読んできたけれど、いちばん穏やかでいちばんよく分からない。 親と子の、少しずつずれていく形? 実は心にずっとあった微かなもやもやが、これからどんどん大きくなっていくのか? ちーちゃん、これからどうするんだろう。 【追記】 調べていたら、どうやら春ちゃんの彼氏の 大切な人が何を信じているのかを知りたい という言葉がキーになっていそう。 大好きで大切だから、その違和感も受け入れてきた両親と少しずつすれ違っていく。 今までの当たり前が、景色が、少しずつ違って見えてくる。信じていた人を違う目で見てしまう。 人に拒否されたり、受け入れてくれる友だちがいたり。 親に守られていた小さな世界が、少しずつ外に向かって広がっていったのか。

Posted byブクログ