ガーデン の商品レビュー
植物を愛する男性の物語。 緑に癒されたい気分の今の私には、緑でいっぱいの部屋は魅力的。 でも羽野さんは植物に癒されるというよりも、植物のためにその部屋を作って、彼らの求めるものを捧げて暮らしている。 ジャングルみたいな部屋、ちょっと見てみたいけど。 なんとなく、「透明な夜の香...
植物を愛する男性の物語。 緑に癒されたい気分の今の私には、緑でいっぱいの部屋は魅力的。 でも羽野さんは植物に癒されるというよりも、植物のためにその部屋を作って、彼らの求めるものを捧げて暮らしている。 ジャングルみたいな部屋、ちょっと見てみたいけど。 なんとなく、「透明な夜の香り」のようなひんやりした雰囲気も感じる。 羽野さんは、人間としてはあまり好きになれない。 曽我野先生も理沙子さんもだし、共感できる人物がいなかったかなぁ。 ミカミさんとタナハシさんの名前だけカタカナなのは、何か意味があるのだろうか。
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部屋に広がる植物を愛でる主人公に何処となく親近感が湧きながらあっという間に読んでしまった。登場人物一人ひとりのキャラクター性が生息地も水やりの方法も異なる植物のように感じられた。透明感のある描写も綺麗でいつまでも浸っていられる感覚。千早茜さんの作品は初めてだったが、他の作品も気に...
部屋に広がる植物を愛でる主人公に何処となく親近感が湧きながらあっという間に読んでしまった。登場人物一人ひとりのキャラクター性が生息地も水やりの方法も異なる植物のように感じられた。透明感のある描写も綺麗でいつまでも浸っていられる感覚。千早茜さんの作品は初めてだったが、他の作品も気になるところ。
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大人な一冊。千早さんらしい静かだけどどこか生々しいといった印象。30代前半ってこんな大人かな?と。季節ごとの緑や花、苔か興味深かった。京都の苔寺機会があったら行ってみたい。
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植物しか愛せない主人公。 人とのつき合い方を慎重に考えながら、自分だけの「ガーデン」に閉じこもる。 登場人物の名前表記が漢字とカタカナに分かれていて、その意味を考えているけどイマイチ分からない。 植物もカタカナ表記だから、「カタカナ表記の人物=植物と同じような存在」 と考えてみたけど、ちょっと違うような… また時間をおいて読んでみよう。
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亜熱帯の植物の荒々しいまでの生命力。それを美しいと思えるか否か。美をまとう女性たち。彼女らに魅力を感じるか否か。共通の言語やバックグラウンドを持っていても「分かり合えない」ということを分かり合うこと。
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人て深く関わることを避けている主人公。女性にはモテるけど、一度繋がってしまうと人格や心の境界線をずぶずぶ侵して、感情や思考を共有しようとしてくる人が苦手で、そういう兆しがみえるとどうしてもひいてしまう。なんかわかるなぁと思いつつも、同じ女性の立場として話の中に出てくる女性の気持ち...
人て深く関わることを避けている主人公。女性にはモテるけど、一度繋がってしまうと人格や心の境界線をずぶずぶ侵して、感情や思考を共有しようとしてくる人が苦手で、そういう兆しがみえるとどうしてもひいてしまう。なんかわかるなぁと思いつつも、同じ女性の立場として話の中に出てくる女性の気持ちも共感できて、千早さんの描写はすごいなぁと思いながら読みました。 そんな主人公が最後に願った思いに、おもわず声援をおくりたくなりました。
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これまでの作品からすると、ちょっと物足りない。 本の紹介に書かれた内容の方がくっきりしてるというか。 植物っぽく、淡くぼんやりした感じではあるけれど…少しもやもやが残りました。
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2024.5.22 人には興味がなく、植物を愛する男性 住んでいる部屋は植物に囲まれていて、静かで植物の呼吸も聞こえて来そうだった。 この湿度の高い感じ、千早さんの文章って感じ。
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『透明な夜の香り』を読んで、とても好きな世界観だったのでタイトルだけでこちらを読んでみた。 帰国子女で出版社に勤める主人公の男性、 植物の描写には愛を超えてサイコパスみを感じた。 ぜんぜん共感できなかったし、いいなと思うところを見つけられなかったなぁ。 主人公のまわりに起こる出来事もとりとめがなくて、結末も???
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私はこの主人公の男の人は、嫌いではない。 植物を愛し、緑に覆われた部屋に住んでいる。 その部屋のひんやりした床、空気や、湿度、植物の呼吸すら聞こえてきそうな描写が素晴らしい。 人に踏み込まれたくないから、人に対して距離を保つ。 愛情によって、ぴったり重なるように理解し合えたと錯覚...
私はこの主人公の男の人は、嫌いではない。 植物を愛し、緑に覆われた部屋に住んでいる。 その部屋のひんやりした床、空気や、湿度、植物の呼吸すら聞こえてきそうな描写が素晴らしい。 人に踏み込まれたくないから、人に対して距離を保つ。 愛情によって、ぴったり重なるように理解し合えたと錯覚することはできる。 そして人と近付けば近付くだけ孤独になる気がする。まさにその通りだと思う。 性別、育った環境、性格等を考えても分かりあうのは難しい。 それでもわかりたいと思った人が現れたら、その時が彼が変わるかもしれない、彼の分岐点になるのかな。
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